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  • 多彩なトーンが引き出せる真鍮筐体の極上国産オーバードライブ!

HIKASIRA equipment / 3301 “True Drive”

HIKASIRA equipment / 3301 “True Drive”

  • 試奏・解説・文:村田善行 動画撮影・編集:伊藤大輔
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 日本製、アメリカ製、イギリス製、イタリア製……さまざまな国で製作されるペダルがあるが、例えば同じ回路を組み込んでも、その音色には違いが生じると思う。その理由にはいくつもの要因が挙げられるが、例えば湿度や気温、そして電源に加えて、ビルダーの耳が重要になってくる。例えば、ヨーロッパは滑らかでピークが無く、日本はそれに近いが、もう少しフラットな特性。アメリカはハイ上がりで、イギリス人はミッドレンジにフォーカスした印象……といった分類ができるのではないだろうか。

 日本製のオーバードライブであるこのHIKASHIRA equipmentの3301“True Drive”は、日本人の耳ならではのフラットでそれほどクセの無いチューニングを、高品質なブラス素材のシャーシに収めることで、独自のトーンを作り出している。1台1台、丁寧に調整して組み付け、ハンド・ワイヤードで仕上げられたサーキット自体は、レスポンスを重視したチューブ・ライクな音色を作り出しており、弾き手によってかなり多彩なトーンが引き出せるだろう。「何々系」というくくりを持たせていないが、印象としては本当に「フラットなオーバードライブ」だと思う。しかし「フラット」なペダルは実に音作り(サウンド・デザイン)が難しい。フラット過ぎると「すっぽ抜けた」音色になるし、特定のポイントにピークをつけると、音楽やミュージシャンを限定してしまう。そういった意味では、この「フラットなチューニング」と「ブラスの筐体」は良い効果を生み出しているだろう。ブラスのシャーシが持つ、重心の低い倍音(変な言い回しだが)が歪みに腰の強さを生み、高域倍音の散らかりを抑えている。

 トーン・コントロールはまさに日本的で、いろいろなアンプで使いやすくチューニングされている。動画でもそのあたりを確認して欲しいが、トランジスタ・アンプでもチューブ・アンプでも使える音色になっている。個体からの主張が強くない分、手持ちのシステムに組み込みやすいのも嬉しい。

 また、大手メーカーでは実現が難しいこだわりはシャーシだけでなく、商品を納める専用の桐箱ケースにも表れている。商品自体の魅せ方の意識も非常に高く、愛着を持って製品を末永く使って欲しいという意向が見てとれる。真鍮製品は時間の経過と共に風合いを変化させるので、ギターのように「エイジング」していってはいかがだろうか。これは予想だが、経年変化で音色にも変化が生まれるだろう。もしこの真鍮のシャーシが経年変化で黒ずんできた場合、磨き上げてしまう前に、ぜひそのトーンをチェックして欲しい。きっと倍音にかなりの変化が生まれているはずだ。

※使用ギター:Crews Maniac Sound / Bottom's Up
※使用アンプ:Fender 68' Custom Twin Reverb

HIKASIRA equipment / 3301 “True Drive”

無塗装の真鍮素地シャーシ。模様や文字はすべてマシン彫刻で、長く使用しても消えにくくなっている。

高級感溢れる専用の桐箱ケース。美しさだけでなく内部が適切な湿度に保たれるため、保管にも適している。

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製品情報

HIKASIRA equipment / 3301 “True Drive”

価格:オープン

【スペック】
●電源:9V乾電池(006P型)、9V DCセンター・マイナス・アダプター(MAX15V/別売)●最大寸法:76(W)×121(D)×58.5(H)mm ●重量:530g(電池含まず)●パッケージ・付属品:専用桐箱、取扱説明書、保証書、オリジナル・クロス
【問い合わせ】
ヒカシラ・イクイップメント TEL:052-734-7749 http://hikasira.jp
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プロフィール

村田善行(むらた・よしゆき)
株式会社クルーズにてエフェクト・ペダル全般のデザイン担当、同経営の楽器店フーチーズ(東京都渋谷区)のマネージャーを兼任。ファズ関連・エフェクター全般へのこだわりから専門誌にてコラムを担当する他、覆面ネームにて機材の試奏レポ/製品レビュー多数。

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