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  • 時を超える“Modern Old A”の音色

Zildjian Avedis Series feat. 佐野康夫、みどりん、mabanua

Zildjian / Avedis Series

  • 撮影:八島崇、西槇太一

Avedis Zildjian(アベディス・ジルジャン)Ⅲ世。この100年ほどで驚くべき進化を遂げ、我々が今、当たり前のように、自然と聴くポピュラー・ミュージックで用いられる、“現代のシンバル”の礎を築いたレジェンドだ。彼へのリスペクトを込め、その名が冠されたジルジャン・アベディス・シリーズは、古き良き“オールドA”の音色を今ここに蘇らせた、“Modern Old A”とも言うべきシンバル。ここでは、リズム&ドラム・マガジン2016年10月号に掲載された3名による試奏レポートを軸にその魅力に迫っていく。

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Zildjian Avedis Series

【size & price(単品価格)】

22″:¥49,000
21″:¥46,000
20″:¥43,000
19″:¥40,000
18″:¥38,000
16″HiHat:¥30,000(トップ/ボトム共通)
15″HiHat:¥28,000(トップ/ボトム共通)
14″HiHat:¥26,000(トップ/ボトム共通)

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3名のドラマーが全ラインナップを徹底検証

mabanua

AとKの中間くらいの絶妙な感じ
懐かしむも良し、そのレトロ感を利用して
現代のアレンジに取り込むも良し

 僕がドラムを始めたときは、いわゆるオールドAではなく、今のAジルジャンが定着していたので、このAvedisは逆にジルジャンっぽくない感じがして面白いですね(笑)。以前復刻された21" Aスウィート・ライドやKコンスタンチノープルともまた違う、ビンテージ・ライクなところは感じられるのですが、ただそのままオールドAを蘇らせただけでない、例えばハイの出方なんかは現代の音楽シーンにも溶け込めるような帯域が出ている感じはありますね。ピング音より周りの余韻が上がってくる感じが個人的にすごく好きです。だから例えば、ドラムを始めましたという人がいきなりこれを買うと、“ピング音が聴こえないな……”って結局、他の現行モデルを選んでしまう感じもしますし、使う人は多少選ぶかもしれないですね。でも、レスポンスはすごく良いですし、音色はAとKの中間くらいの絶妙な感じで素晴らしいと思います。

 ハイハットは僕自身16"と14"を行ったり来たりしていて、ライヴだとキレを求めて14"を使うことが多いのですが、Avedisは全サイズとても使いやすいですね。16"は良い意味で16っぽくなくてコントロールしやすいし、14"はもちろん15"も汎用性があって、扱いやすいです。僕はアタックが欲しくてトップとボトムを逆にして使うことがよくあるんですけど、Avedisはそれがすごくハマりますね。僕自身が使うなら、ポップスだけどレトロな音色を求められるときや、ハウスっぽいビートやブレイクビーツ、シティ・ポップにもハマりそうですね。シンバル自体は薄いので、そういう意味でラウドに叩いてもそれほどキンキンしないところも良いと思います。年配の方は懐かしむも良し、若い方はそのレトロ感を利用して現代のアレンジに取り込むも良し、だと思います。

みどりん

“モダン・ビンテージ”のようなサウンド
Keropeがジャズ版としたら
Avedisはソウル版みたいなイメージがする

 いや〜、枯れてますね〜(笑)。これで新品の状態とは驚きですが、マイク乗りとかすごく良さそうです。枯れているけど、鋭いエッジーな音も出ていて、従来のAジルジャンのきらびやかなサウンドも感じられて、そういう中での“モダン・ビンテージ”みたいなところを目指したサウンドなのかな。昔のモータウン・サウンドが欲しいとか、“ローファイって何?”とか、レコードの音がそのまま聴こえてくるような感じ……アル・ジャクソンの古いけど音がザクザクしてちゃんと鳴っているあのソウルなサウンドって何なんだろう……? とかみたいなことを一番説明しやすいシンバルじゃないかなと思うんです。Keropeがジャズ版としたらAvedisはソウル版みたいなイメージですね。

 ハイハットは16"が扱いづらいローファイな感じじゃなくて、それこそ14"を叩いているみたいでかなり使いやすいですね。逆に14"は13"とか12"みたいな感じ。15"はすごくコントロールしやすい。トップとボトムの口径が違う14"トップ(トップ)と15"トップ(ボトム)とかも良いですね。ニューヨーク・ジャズマンっぽいというか。僕が使うんだったら、Avedisでも“どジャズ”なのかなぁ。この前レコーディングでたまたま60〜70年代あたりのAを叩かせてもらったんですよ。その柔らかさとしっかりしたツブ立ちにすごく似ている感じがします。Avedisはもう少しツブが良いかな。叩いた後の余韻が大人っぽくて、口径以上の倍音が出ている感じがするし、ガシャっとした音もわざと出せるような……。全体の“大人具合い”がすごいんですよね(笑)。噛み締めて叩きたくなります。「ドラム始めました! 一発目にこのシンバル買います!」ってのは難しいかもしれないですけど(笑)、すごく欲しくなるシンバルですね。

佐野康夫

“再現”というよりも“新しさ”を感じる
良い意味で今風で、昔の良さも加味されて
新しいシンバルに昇華されているような印象

 これはジルジャン、“勝負に出た”という感じですね。僕は“再現”というよりも“新しさ”を感じました。Avedisシリーズは、オールドAの復刻的なコンセプトが含まれていると思うのですが、ハイテクな現代でないと出逢えなかったシンバルだと思うんです。どのサイズもハイとローの音域、サステインのバランスが見事に取れているので、オールマイティに使えると思いますし、レトロなサウンドだけではなく、音の多いアンサンブルの中でも使えるのではないでしょうか。特に16"ハイハットは、とても使いやすくて、今メインを16"にしているのですが、普通はショルダーが弱くてベコっとなりがちなんですけど、これはそうならないですし、それでいて重過ぎないのも良いですね。音もあまり潜らなさそうです。良い意味で今風ですけど、昔の良さも加味されて新しいシンバルに昇華されているような印象です。

 少し前はいわゆるハイパーなサウンドの中にコンスタンチノープルなどを持っていくと合わないイメージがあったんですけど、録音技術も変わってきたからか、それでも成り立つようになってきている気がしていて。そういう時代に来て、こういったシンバルが出てくると昔ではあまり考えられなかったことが、組み合わせとして可能になってきているのかもしれないですね。もちろん昔風のサウンドのセッション……でAvedisで使えないかと言ったら、ジャズでもばっちり使えると思いますし。ただ単純に原点回帰するだけだと芸がない、ちゃんと先を見据えた、Avedisの“コンセプトの提示の仕方”という意味では、ジルジャンは他のメーカーよりちょっと先にいったようにも思えるんです。楽曲次第ですけど、レコーディングでもライヴでも様子を見ながら積極的に使っていきたいですね。

Avedis Series Key Points

1. “Avedis”のサイン

▲シンバル表面の“avedis”は、アベディスⅢ世のパスポートから写し取ったサイン。インチは裏側に表記されているので、とてもシンプルなルックスだ。

2. 50sの刻印をローラーで再現

▲表面のトレードマークとも言える刻印は、市場に流通している現行モデルのレーザー刻印ではなく、1950年代に使用されていたローラー式を採用。

3. 表面の仕上げ

▲アベディス・シリーズの表面は、2014年に発表されたK Keropeシリーズのような特殊なコーティングが施された仕様。何とも味わいのあるルックスだ。

4. “白抜き”ロゴ

▲裏側の“Zildjian”ロゴは、オールド・ジルジャン(70s以降)と同様の“白抜き”仕様となっている。ちなみにインチはロゴ上に表記。

5. カテゴリーなし

▲K Keropeシリーズと同様、18"〜22"のシンバルには、ライド/クラッシュの区別はなし。どちらの要素も兼ね備えた“叩き手の使い方次第”となっている。

本企画全編のPDFダウンロードはこちらから!

本記事はリズム&ドラム・マガジン2016年10月号にも掲載されています。

本記事はリットーミュージック刊『リズム&ドラム・マガジン2016年10月号』のclose up! 企画「Zildjian Avedis Series」を転載しています。

■表紙特集
YAMAHA“Brand-New”Recording Custom

◼︎特集
心トキめく“70〜80s”を振り返る ノスタルジック・フュージョン・ドラミング

◼︎特別企画
最強のドラム練習帳@2016〜新世代の名手10人に学ぶ究極技〜

◼︎close up!
Zildjian Avedis Series

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製品情報

Zildjian / Avedis Series

【スペック】
22″:¥49,000 21″:¥46,000 20″:¥43,000 19″:¥40,000 18″:¥38,000 16″HiHat:30,000(トップ/ボトム共通) 15″HiHat:28,000(トップ/ボトム共通) 14″HiHat:26,000(トップ/ボトム共通)
【問い合わせ】
ヤマハミュージックジャパンお客様コミュニケーションセンター ギター・ドラムご相談窓口 TEL:0570-056-808 http://www.zildjian.jp/
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プロフィール

mabanua
●まばぬあ:1984年生まれ、埼玉県出身。ドラムをはじめ、自ら演奏したさまざまな楽器の音をサンプリング&再構築する独自の手法で国内外から高い評価を得る。09年よりOvall(現在活動休止中)としての活動をスタート、現在はChara、Gotch、大橋トリオ、くるりなどのサポートも行う他、プロデューサー、さまざまなメーカ−/メディアへの楽曲提供なども行う。

みどりん
●みどりん:1978年生まれ、福島県出身。01年にSOIL &“PIMP”SESSIONSを結成。自らを“DEATH JAZZ”と謳う独自の音楽性でワールドワイドな活動を展開、06年にはモントルー・ジャズ・フェスティバル出演を果たす。08年にピアノ・トリオJ.A.Mを結成。近年は椎名林檎や中田裕二のライヴ/レコーディングに参加するなど、多忙な日々を送る。

佐野康夫
さのやすお:福岡県出身。大学在学中より故・古澤良治郎氏に師事。ジャズやブルースなどのセッションを経験し、プロ・ドラマーとしてのキャリアをスタートさせる。これまでMONDO GROSSO、ORIGINAL LOVE、AIR、菅野よう子など膨大なアーティストのライヴ/録音に参加。unbeltipo 、村田陽一オーケストラなどのメンバーとしても活動中。

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