
メタルを弾きたくなる“卓上&小型ギター・アンプ”11選
- 2021/02/17
BOSS / ML-2(Metal Core)
今はエフェクターの選択肢がたくさんがありますよね。昔と比べると値段の幅も、生産している国もメーカーも、出せる音色も広がった。そんな中、私は原点回帰でBOSSに着目してきていまして。去年、リバーブが欲しくていろんなメーカーのものを5、6台試奏したんですけど、RV-6がダントツで良かったんです。そこから“BOSS熱”が一気に加速しましたね。5月に発売予定の新作『BABEL』に収録されている「眠り姫」では深いリバーブをかけている部分があるんですけど、あそこはRV-6を弾いてイメージを膨らませていきました。
BOSS RV-6(Reverb)/“BOSSに再注目するキッカケになった”と語るリバーブ。RV-3以来となる“+ディレイ・モード”が搭載されており、滝はこれを待ち望んでいたとのこと。 > デジマートでこの商品を探す
BOSS RV-6(Reverb)セッティング/クリーンでオンにする際は“音数を減らした時に間を埋めてくれる役割”とのこと。
で、そのあとML-2も買ってきたんですけど、ゲインがゼロでもめちゃくちゃ歪むんですよ。もう“最高だな!”って思いましたね(笑)。さらに昔から欲しかったOC-3も買いました。実は9mmを結成する前に(菅原)卓郎(vo,g)とベースレス・バンドをやっていたんですけど、当時はオクターバーの存在を知らなくて、ギター・アンプだけでベースっぽい音を作っていて、うまくいかなかったんです。その失敗を思い出して、“OC-3とベース用の歪みを組み合わせてドンシャリに設定すれば良い感じになるんじゃないか?”と思い、BB-1Xも衝動買いしてしまいました(笑)。この時点で黒っぽいエフェクターが集まってきたので、私は“ワザチュー”と呼んでいるんですけど、TU-3Wも購入したんです。そんな中40周年でDS-1-4Aが出てきて、試奏したらすごく良い音のまとまり方をしていて改めて感動しました。さすがロング・セラーになるだけの理由がありますね。
BOSS ML-2(Metal Core)/ デス・メタル直系の攻撃的な歪みを作り出すディストーション。滝はJCなどにつないで使用(アンプのEQは12時を基本にギターによって調整する)。 > デジマートでこの商品を探す
BOSS ML-2(Metal Core)セッティング/DIST(ゲイン)はゼロ。スタンダードな歪み用で、コード感が残るギリギリを狙ったセッティングだ。
今はBOSSだけでエフェクター・ボードを組もうと思っているんですよ。さっきの話とつながるんですけど、選択肢が増えすぎた今だからこそ、ずっと変わらないBOSSのコンパクト・エフェクターで逆に個性を出したいんです。ひと昔前は、みんな個性を出したいからブティック系のエフェクターを使ったり、自作したりしましたけど、私はこのタイミングでBOSSに戻ってこれて本当に良かった。
BOSS DS-1-4A(Distortion)/BOSSコンパクト・エフェクター・シリーズ40周年を記念して、DS-1(ディストーション)をブラック・カラー&銀ネジ仕様にした限定モデル。 > デジマートでこの商品を探す
BOSS DS-1-4A(Distortion)セッティング/トーン・ツマミを2時半くらいに設定。カリッとさせたほうが本機の良さが引き立つそうだ。
BOSSはスタンダードなエフェクターも作るし、チャレンジなものも作る。XシリーズやWAZA CRAFTシリーズのような技術革新も一番多いメーカーだし、みんなをリードする部分と守る部分が両方あるんですよ。これは本当に偉いと思います。
滝 善充(9mm Parabellum Bullet)
たき・よしみつ。1983年生まれ。茨城県出身。カオティックな轟音、歌謡曲のような親しみやすいメロディ、スピード感溢れる音像を生み出すロック・バンド、9mm Parabellum Bulletのギタリストとして07年にデビュー。機材に対する深い知識を持ち、ケーブルやエフェクターなどを自作している。今年5月には7枚目のアルバム『BABEL』をリリース予定。