使用アンプ：マッチレスSpitfire '15（ヘッド）＋マーシャル1960A（キャビネット）
使用シールド：ギブソンInstrument Cable

シンプルなルックスと扱いやすさが魅力
Les Paul Tribute 2017 T

　ギブソンが誇る名器中の名器、レス・ポール。世界中の多くのファンからのニーズに応えるため、ギブソンでは仕様や価格が異なるレス・ポール・モデルを複数ラインナップしています。このLes Paul Tributeは、ボディやネックのバインディングを省き、ボディ・トップ材にはプレーン・メイプルを採用して、ルックスをシンプルに保ちつつ価格をリーズナブルに抑えたモデルです。特にこの“T”モデルは、ビンテージ・スタイルのチューナーを搭載したオーソドックスな仕様となっています（一方、“HP”モデルはGフォース・オート・チューナーを搭載、シンプルなルックスでありながら先鋭的な仕様となっています）。

　2017年仕様のLes Paul Tribute 2017 Tは、アルミニウム製のチューン“オー”マティック・ブリッジと、同じくアルミニウム製のストップ・バー・テイルピースを採用しました。弦振動、そしてボディの鳴りに大きく影響するブリッジ周りの仕様変更は大きなポイントです。また、ピックアップ（フロント：490R、リア：490T）にはカバーが付けられ、トラディショナルな雰囲気を醸し出しています。

トラスロッド・カバーには“Tribute”の刻印

弾きやすくモダンなプレイにも適したスリム・テーパー・ネック

プレーン・メイプルを採用し、バインディングを省くことで価格を抑えている

　このようにビンテージ回帰とも言える仕様に変わりつつも、ビンテージ・リイシュー・モデルとは一線を画すモダン・ギターとしての側面も持ち合わせています。例えば、プレイアビリティ。ネックはスリム・テーパーで、多くのプレイヤーに弾きやすく、現代的なプレイにもマッチするグリップです。また、ボディには9ホール・ウェイト・リリーフが施され、軽量で取り回しが良くなっています。ビンテージ系のシンプルなルックスとモダン・ギターとしての扱いやすさが、本器の魅力となっています。

ストレートに前に出てくるモダン・サウンド

　本器のサウンドは、ビンテージ／モダンで大別すればモダン系のサウンドだと感じました。歪ませてもエッジが立って、ストレートに前に出てくる印象です。非常に“元気な音”で、現代のエフェクターやアンプとの相性はとても良いと思いました。ダウン・チューニングでヘヴィな音も作れそうですし、一方ではブルージーな音楽にも対応できる守備範囲の広さも魅力的です。

　弾き心地については、薄く仕上げられたネック・グリップとサテン・フィニッシュの手触りが心地良く、演奏上のストレスは全くありません。特に左手の指を立てて弾きたいテクニカル系のギタリストには喜ばれると思います。

　そして何と言ってもこの価格ですから、若いギタリストの1stギブソンには最適です。もちろんベテランのレス・ポール好きの方にも、サブ・ギターなどではなく、ビンテージ・リイシュー系とは異なる個性を持つ1本として、積極的に使っていただきたいと感じました。

2017年仕様のGibson USA レス・ポール・モデルを聴き比べ！

　週刊ギブソンでは、ここまですでに2017年仕様のレス・ポール・スタンダード、レス・ポール・トラディショナルを紹介してきましたが、改めてそれぞれのサウンドの違いをチェックしてみてください。dEnkA（KNOCK OUT MONKEY）氏によるトラディショナルのレビューもお見逃しなく！

ギブソン最新仕様モデル、レス・ポール・スタンダード2017 HP

2017王道レス・ポールここにあり、Les Paul Traditional 2017 T

dEnkA（KNOCK OUT MONKEY）× Gibson & Epiphone Les Paul 2017

※次回の週刊ギブソン〜Weekly Gibsonは3月17日（金）更新を予定。