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  • 「THE EFFECTOR book Vol.35」連動!

“現行ダンブル系ペダル”試奏分析 〜Current Dumble-ish Pedal Analysis〜

ダンブル系ペダル

エフェクター・ファンのバイブルとして高い人気を誇る『THE EFFECTOR book』(シンコーミュージック刊)。その最新刊であるVOL.35では、ダンブル・アンプ並びにダンブル系ペダルがフィーチャーされている。ダンブルと言えば、顧客の好みに応じてフル・オーダーで作られた、1台数百万もくだらぬ超高級アンプの代名詞であるところは周知の如く。そのため流通量は少なく幻の存在とも言えるが、そのサウンドをモチーフにしたエフェクターは市場に多く、同書ではその“ダンブル系ペダル”に迫る大特集を展開。ダンブル・アンプに少しでも近づきたいギタリストには必携の書となっている。ここでは本書と連動して、“現行ダンブル系ペダル”試奏分析をお届けする。各ペダルの個性を知って、自身が求める“ダンブル・サウンド”を見つけてほしい。なお、モノホンのダンブル・サウンドはこちらへ。

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プロローグ 〜「伝説的アンプのサウンド」は本当に再現されているのか?〜

 ドライブ系ペダルの枠組みにあって、その定義を最も曖昧にするのが“ダンブル系ペダル”である。そもそもアンプの実機に触れる機会を得た人間がごく僅か。多くのプレイヤーにとって、何をして“ダンブル”なのかは知る由もないだろう。しかもダンブル・アンプはオーダーメイド製品。共通項はあれど、各個体それぞれに独自のチューニングが施してある。それをペダルに落とし込むにあたっては、デザイナーがその個体をどう解釈するかに依存するのだ。ダンブル・アンプのサウンドが多岐に渡っているのと同様、“ダンブル系ペダル”もまた、モデルごとに様々な表情を持つのである。上下に突き抜けていく圧倒的なダイナミクス、透明でクリーミーなドライブ感、弾き手のニュアンスを生かす高速のレスポンスなど、そこには各デザイナーが考える様々な「ダンブル観」が集約されている。よって、ダンブル系ペダルを「どれが一番似ているか?」という基準で比較することにあまり意味はない。しかしこの系譜に連なる製品が、真にプレイを磨きたいギタリストの心を躍らせる、美しい音色を備えたものばかりであることだけは確か。それをどう活用するかはプレイヤー次第だ!

J. Rockett Audio Designs / The Dude

●価格:open price(市場実勢税別価格:¥31,000)

[Specifications]
●コントロール:Level、Ratio、Treble、Deep ●スイッチ:ON/OFF ●端子:Input、Output ●サイズ:59(W)×104(D)×47(H)mm ●電源:006P(9V電池)/ 9VDC

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ダンブル風味のツボを見事に押さえた絶妙チューニング

 “Centaur”のクローンにより一躍その名をメジャーに押し上げたJ・ロケット・ペダル・デザイン。特に歪み系ラインナップにおけるダイナミクスを失わないデザインが秀逸で、エフェクターとプリアンプの中間に位置するボーダレスな音色が人気の秘密だろう。そんなブランドが放つダンブル系ペダルが本機。上質なクリーン・プリアンプ状態から“RATIO”(このネーミングがすでにダンブル・ライク)を上げていくとクリーンに歪みが混ざってくる、というドンズバな仕様にニヤリ。ギターからの入力に対して素直な音色であり、倍音の増え方にもセンスを感じる。滑らかなリード・トーンに最適なミッド・レンジの若干飽和したニュアンス、ドライブさせてもアタック音が濁らない、というダンブル風味のツボが見事に押さえてあり、複数台の“Overdrive Special”と比較しながらチューニングしただけのことはあると納得(狙ったのは1980年代後半製のダンブル・アンプだろう)。リズム・ギターならクランチ設定、ロング・トーンのリードであれば“RATIO”を上げて、という風に狙うサウンドが理解しやすいのも好印象だ。ピッキング・ニュアンスが出やすいので、ハードなロックというよりは、ニュアンスを大事にした大人な音作りに強くお薦めしたい。

【オフィシャルHP】

One Control / Golden Acorn OverDrive Special

●価格:¥18,500(税別)

[Specifications]
●コントロール:Bright、Volume、Ratio ●スイッチ:ON/OFF ●端子:Input、Output ●サイズ:39(W)×100(D)×31(H)mm ●電源:006P(9V電池)/9VDC

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ダンブル最大の特徴とは「ダイナミック・レンジ」である

 コンパクト・サイズに絞り込んだ機能を詰め込み、音色を研ぎ澄ます──今や世界的にその名が知られるワンコントロールが考えるダンブル・サウンド、それが本機だ。デザイナーのBJFは何台ものダンブル・アンプをチェックした結果、「どのダンブル・アンプにも共通する特徴はダイナミック・レンジである」という結論に達したという。確かにダンブル・アンプは圧倒的なスピード感と広いダイナミクスが魅力であるが、その要素をうまくコントロールするのはプレイヤー自身。つまり、弾き手が良い音を生み出せなくてはアンプからも良い音はしないという、ごく当たり前の個性を持つ。本機はダンブル・アンプが持つそんなシビアな特性をイメージさせつつ、ポイントになるヘッドルーム/ダイナミクス及びクリーミーで良質な倍音をペダル・サイズにうまく落とし込んでいる。弾き手のニュアンスへの追従はさすがで、使い勝手も実にシンプル。アンプに合わせて“VOLUME”と“BRIGHT”コントローラーを調整し、心地いいドライブ(“RATIO”で調整)が得られるポイントを探すだけ。また、そもそもの回路デザインを同ブランドのブラックフェイス系ペダルから発展させているあたりにも、オリジナル・ダンブルを継承する意志が感じられる。

【オフィシャルHP】
【製品ニュースはこちら】

Weehbo Effekte / Dumbledore-2

●価格:¥42,000(税別)

[Specifications]
●コントロール:Level、Bass、Middle、Treble、More、Drive ●スイッチ:ON/OFF、Select、Dynamic、Mid Freq ●端子:Input、Output ●サイズ:120(W)×95(D)×55(H)mm ●電源:006P(9V電池)/9VDC

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ダンブル系サウンドだけに限らない多様性を装備

 真空管アンプのような多様性を持ったトーンをペダル・サイズに落とし込むという一貫したコンセプト、マニアックな音作りに定評がある独ヴェーボが手掛けたダンブル系ペダル。本機はダンブル・アンプをイメージしたトーンでありながら、設計(音色の作り込み)には独自の解釈も感じられ、それゆえに接続するアンプによってはダンブルとは音色が微妙に異なってくる。しかし、かなり“それっぽい操作感”(EQの雰囲気やゲインを上げていった際のトーンの変化など)がしっかり感じられ、全体の質感はダンブルの中でも人気の80年代後半製あたりを狙った印象。フェンダー・アンプをブラッシュアップしたようなドライブ・サウンドを基本にしつつ、アクティブEQの搭載により、多彩なサウンドメイクを楽しめる“使える1台”と言えそうだ。プレイヤーのピッキング次第で、クランチからドライブまでのシームレスなトーン変化が楽しめ、アンプの音量をある程度まで上げて、出力が高めのピックアップでプレイすれば、驚くほどのロング・トーンを引き出すことも可能である。また、使い勝手の良い2チャンネル仕様なので、ストラト系シングルコイルPUとハムバッキングPU搭載ギターの持ち替えに活用したり、プリアンプのように使用しても良いだろう。

【オフィシャルHP】

Van Weelden Amplification / Royal Overdrive

●価格:¥120,000(税別)

[Specifications]
●コントロール:Master、Presence、Bass、Middle、Treble、Gain ●スイッチ:ON/OFF、Mid Boost、Mode、Bright、Gain Boost ●端子:Input、Output ●サイズ:220(W)×115(D)×70(H)mm ●電源:9-18VDC

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初期〜後期まで様々な年代のダンブル・トーンを生成

 オランダに拠点を置くヴァン・ウィールデンは、良質なダンブル・クローン・アンプを製作するとして、海外ギタリストの間で評判を集めたブランド。80年代型“Overdrive Special”をベースにデザインされたそのアンプは、癖のないクリーン・サウンドと、独特の伸びやかなサチュレーションを持つオーバードライブを切り替えることが可能で、かなり本家に迫ったアンプであった(筆者は同ブランドのアンプをチェック済み)。本機は、そのプリアンプとパワーアンプの関係性をフロアボード・サイズに落とし込んだハイ・クオリティなペダル。笑っちゃうほどダンブルならではの質感が再現されている。シンプルな操作系が非常に使いやすいうえ、音作りの幅はとにかく広い。“BRIGHT”と“MODE”スイッチの組み合わせにより、初期から後期までのダンブル・サウンドを再現できる印象だ。そしてこの鋭いトーン・メイクだけでなく、筐体サイズが大きいからこそ生まれるダイナミクスも無視できない。ミッド・レンジのドッシリとした感覚は、小型ペダルでは得られないメリットの1つと言える。それゆえに、本機と良質なリバーブ、もう1台シンプルなドライブ・ペダルがあれば、かなり真に迫ったダンブル・トーンを生み出せるはずだ。

【オフィシャルHP】

Shin's Music / Dumbloid Special

●価格:¥56,000(税別)

[Specifications]
●コントロール:Drv、Accent、Tone、Vol ●スイッチ:ON/OFF、Jazz/Rock ●端子:Input、Output ●サイズ:120(W)×94(D)×50(H)mm ●電源:006P(9V電池)/9VDC

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アンプの個性を生かしたままダンブル風味に変換

 国内のみならず、海外からも熱い視線を浴びているシンズ・ミュージック製の本機は、初期ダンブルの持つ荒々しさとダイナミクスをペダル・サイズで再現しようと試みたモデル。アンプと組みわせて音色を作り上げる「プリ・プリアンプ」として使用するのが正しいのかも?という感覚を抱いた。クリーンなアタック・サウンドと高域の伸びが特徴的なので、アンプのキャラを生かしながら抜けの良いリード・トーンを作るうえで活用できそうだ。もしくは、あらかじめホットな状態にしたアンプに繋げ、ここ一番でオンにしてやることで、アンプを強烈にプッシュできるだろう。米国製/英国製を問わずに、アンプの持ち味を邪魔しないトーン・メイクが実現できるような設計思想が感じられ、このあたりがプロの現場で重宝される所以かもしれない。セッティング面では、“DRV”と“ACCENT”の関係がとにかく重要。“DRV”を上げ目にして、“ACCENT”を下げるとシルキーなオーバードライブ・サウンドが得られ、その際は“ACCENT”でアタックの存在感を微調整しながら楽器に合ったポイントを見つけるのが良いだろう。逆に“DRV”を下げて“ACCENT”を上げると、クリーンでワイルドなレイ・ヴォーン風味のバリッとしたトーンを引き出すこともできる。

【オフィシャルHP】

Jetter Gear / Altair IV

●価格:open price

[Specifications]
●コントロール:Level×2、Drive×2、Contour×2 ●スイッチ:Left ON/OFF、Right ON/OFF ●端子:Input、Output ●サイズ:122(W)×113(D)×48(H)mm ●電源:006P(9V電池)/9VDC

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個性の異なる2台のダンブル系を操れるという贅沢

 ダンブル・アンプを意識したペダル作りで知られるジェッター・ギアが、新たに組み上げた2 in 1モデル。“GS124”(“5881”バージョン)と“GS167”(“EL34”バージョン)のちょうど中間をイメージしたミディアム・ゲインのドライブ・ペダルを右側に、単体でも十分なゲインを持ったリード・ドライブを左側に配している。それぞれ単独でも動作するが、両方をオンにするとさらにリッチでワンランク上のサウンドが生まれるのが興味深い。いわゆるニコイチのお得感だけでなく、同時使用でのサウンドは他のペダルにはない存在感だ。セオリー通りに考えれば、バイパスのクリーン/右側オンのクランチ/左側オンのリードという使い方が王道だろうが、個人的にはバイパスのクリーン/左側オンのハード・クランチ/右側オンのリード・ドライブという設定がお気に入り。左側単体では、例えばビリー・ギボンズ風のファットなリードが得られ、その状態で右側もオンにすれば、途端に透明感ある伸びやかなリード・サウンドに変化する。いずれにせよ、2つのセクションがほぼ同じコントローラーを装備しているので、音作りは容易だ。手持ちのボードにマウントしていきなりライブに臨んでも、かなり使い勝手が良いだろう。

【オフィシャルHP】

Hotone / Grass

●価格:open price

[Specifications]
●コントロール:Volume、Gain、Voice ●スイッチ:ON/OFF、Brt ●端子:Input、Output ●サイズ:44(W)×74(D)×44(H)mm ●電源:9VDC

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極小サイズの中にド迫力の「グラッシー・サウンド」を装備

 ミニ・サイズでありながら、そのマニアックなまでの作り込みにより、多くのミュージシャンに愛用されているホットトーン製品。本機はダンブル・サウンドをイメージしてデザインされていて、中でも特に“Overdrive Special”をクランチさせた際に感じられる「グラッシーなサウンド」を狙っているとのこと。この持ち味を味わいたいのであれば、“BRT”スイッチをONにして使うのが良いだろう。よりダンブル・ライクな質感が欲しい場合には、本機を常時オンにしてアンプと組み合わせる形で音を作り込むことをお薦めしたい。その際、“VOICE”でアンプとのマッチングを図り、例えばトランジスタ・アンプなら暗め、マーシャルなどの真空管アンプであれば明るめに設定しよう。ゲインは低くしてブースター的に使用しても良いし、ガッと上げてプレイしても、ムチっとした歪み感が得られるはずだ。もう1台オーバードライブ・ペダルやクリーン・ブースターがあれば、それらも同時に使ってやることで、さらにトーンを発展させることもできる。また、ダンブル・ライクと言いつつ、ビンテージVOX風のサチュレーションも感じるので、ジャンルを問わずに使えそうだ。このサイズから甘く見られがちだが、なかなかのサウンド。侮るなかれ。

【オフィシャルHP】

Hermida Audio Technology / Zendrive Gold

●価格:open price

[Specifications]
●コントロール:Vol、Gain、Tone、Voice ●スイッチ:ON/OFF ●端子:Input、Output ●サイズ:65(W)×110(D)×49(H)mm ●電源:006P(9V電池)/9VDC

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“EL34”テイストにアレンジされたダンブル系の老舗

 ロベン・フォードの愛用により、「ダンブル系ペダル」というカテゴリーを打ち立てるきっかけになり、その後、多くのミュージシャンだけでなく、ペダル・ビルダーたちも刺激して大量のフォロワーを生み出した“Zendrive”。本機はそのオリジナル“Zendrive”に改良を施したゲイン・アップ・バージョンだ。トーン・ニュアンスは、オリジナルに比べるとミッド・レンジのキャラクターが濃い印象を持った。オリジナルを“5881”管テイストとするならば、本機は“EL34”管のイメージと捉えれば良いだろう。よって、高速のタッチ・センシティブを誇り、確かなスピード感を持っているが、単にダンブル系と括るよりも広く「ブリティッシュ系アンプのクランチを再現する」ペダルと考えた方がわかりやすい。セッティングの肝は“VOICE”コントローラーだ。これをアンプとのマッチング(または求めるミッド・レンジの「明るさ」を調整する感覚)に活用すると音作りがしやすい。スムースなリード用ドライブなら反時計回り、タイトなリズム・ギターであれば右回り、といった形だ。シングルコイルPUはもちろん、ハムバッカーPUでも音抜けが心地よく、スッキリした低域でありながら太さも兼ね備えた音に仕上げてあるのは、さすがと言える。

【オフィシャルHP】

FREE THE TONE / MS SOV MS-2V

●価格:¥25,000(税別)

[Specifications]
●コントロール:Level、Tone、Gain ●スイッチ:ON/OFF ●端子:Input、Output ●サイズ:72(W)×115(D)×50(H)mm ●電源:006P(9V電池)/9VDC

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ダンブルへの造詣が深い林氏の設計によるドライブ・ペダル

 2013年に限定生産されたマット・スコフィールド・モデル“MS-1V”をレギュラー品としてリニューアルしたのが本機。最大の特徴はダイナミック・レンジの広さだ。まるでアンプの入力に直接差し込んだかのようにワイドかつ余裕のヘッドルームを感じるのは、内部に±15VDCの昇圧回路を備えているからだろう。本来はダンブル・アンプを意識して開発されたモデルではないが、弾き手のトーンやニュアンスを邪魔せずに余裕を持ってアンプをプッシュしてくれるという意味で、非常に「ダンブル・ライク」な仕上がりと言える。また、シンプルな操作系にまとめられているにもかかわらず、接続先のアンプとのコンビネーションに悩むことなく、かつ接続先のアンプのキャラクターを生かしたサウンドメイクが行なえるあたりからは、もとがシグネイチャー・モデルだけに、完全に「玄人向け」のペダルと感じさせられた。バイパス音とエフェクト音で質感に差が出ないようにキープするための回路、“HTS”サーキットもやはりプロフェッショナル向けの仕様と言える。お気に入りのギター、そして自身が所有するアンプで作るサウンドに、「もう一歩だけハリと艶を、もしくはサステインが欲しい」という悩みを抱えている方は、ぜひ一度お試しいただきたい。

【オフィシャルHP】
【製品ニュースはこちら】

Wampler Pedals / Euphoria

●価格:¥35,000(税別)

[Specifications]
●コントロール:Tone、Volume、Bass、Gain ●スイッチ:ON/OFF、Voicing[Smooth/Open/Crunch] ●端子:Input、Output ●サイズ:78(W)×125(D)×57(H)mm ●電源:006P(9V電池)/9-18VDC

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ダンブル由来のアイディアをドライブ回路の構成に拝借

 豊富なラインナップと確かな音作りに定評があるワンプラー・ペダルズ製品。中でもいわゆる「トランスペアレント」系に括られる本機は、基本的にはクリーンなサウンドを身上とするペダルでありながら、設定次第では深い歪みにまで到達できることからユーザーの間で人気が高まっている。その秘訣は、プリブーストのサーキットにダンブル・アンプからのヒントを落とし込んである点。音を潰さずに歪ませ、それにより芯のあるクランチ・ドライブからサンタナ的ロング・トーンまでを可能にしているわけだ。もう1つダンブル・サウンドを連想させるポイントとしては、“TONE”とは別に設けられた“BASS”コントローラーが挙げられる。ダンブル・アンプのポイントとして「ダイナミクスと低音域」に特徴があり、その迫力ある低音を“BASS”で演出できるわけだ。といっても、接続先のアンプのキャラクターによってはブーミーになりかねないので、時計周り反対に回し切ってから、程よいポイント(シングルコイルPUとハムバッキングPU、フラットトップとアーチトップとでは異なる)を探し出してほしい。ドンシャリ気味のサウンドも良い響きなので、1人でギターを弾く時も心地よくプレイできるはず。

【オフィシャルHP】

Blackberry JAM / Silverberry

●価格:¥25,000(税別)

[Specifications]
●コントロール:Volume、Tone、Gain ●スイッチ:ON/OFF ●端子:Input、Output ●サイズ:59(W)×110(D)×50(H)mm ●電源:006P(9V電池)/9VDC

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絶妙な「ダンブル感」が弾き手の意志を的確に捉える

 知る人ぞ知る新興ブランド、ブラックベリージャムがデザインした本機。このペダルを試してみて、国産ブランドの底力をヒシヒシと感じた。「ダンブル・ライク」という個性だけでなく、サウンドの落とし所が非常にマニアックなのだ。しかし決してマニアライクなチューニングが施されているわけではない。実に実戦向きのサウンドに仕上がっているとの印象を持った。ダンブルっぽさの所以はスピード感と前に出る音圧感、低域の力強さだろうか。絶妙なポイントに設定されたロー・ミッドにはドッシリとした安定感があり、野暮ったさを感じさせないようにうまくまとめられていると感じた。突き抜けるようなハイ・ミッドの抜け感と併せて、コンパクト・サイズからは想像できないパワフルなリード・トーンを生み出してくれる。本機は、オリジナルのダンブル・アンプと同様に、単純にガツガツと弾きたいギタリストにはオススメできない。どちらかというと、“押して引いてのニュアンス”を大切にするギタリストがプレイしてこそ持ち味が最大限に発揮されるだろう。ロベン・フォード、ラリー・カールトンはもちろん、ゲインを下げてトーンを上げればテキサス・ブルース系のリズム・ギターをプッシュするクリーン・ブースターとしても最適だ。

【オフィシャルHP】

THE EFFECTOR book編集者が語る「ダンブル系ペダル特集」後記

しもも「すみません。ダンブルっぽい音が出るエフェクターってありませんか?」
店員A「“ダンブル系ペダル”と言われているオーバードライブなら何台か在庫してますよ。試奏してみますか? あ、それはそうとお客さん、そもそもダンブル・アンプって弾いたことあるんですか?」
しもも「……あ、いや……ないんですよ」
店員A「じゃあ、選びようがないでしょ(失笑)」
しもも「……で、出直してきます」

THE EFFECTOR bookと連動し、ダンブルOverdrive Special3台を一挙に試奏した「Deeper's View」の撮影風景

 エフェクターブックの特集記事を作り込んでいく上でのポイントは、1にリサーチ、2にリサーチ。構想段階ではひたすら情報を集めまくります。もちろん担当者自身が対象製品のサウンドを実体験して、分析を繰り返していく行為は必要不可欠。暇を見つけては楽器店に忍び込んで試奏、お客さんのフリをしつつ店員さんから情報を引き出す作業は欠かせません。しかし今回に限っては、その方法論が通用せずに大苦戦。そもそも“ダンブル系ペダル”のもとになった“ダンブル・アンプ”の音色を知らないわけですからね。情報収集が順調に進むはずもなく、悪戦苦闘です。刻々と締め切りが近づいてくる中、店員Aに失笑される大失態まで犯して、エフェクター専門誌の編集者としてのプライドが傷つきまくりですよ。
 しかし逆境こそ成長の糧。その辛さをバネにしてツテを無理矢理に辿り、強引に縁を引き寄せた結果、最終的になんと5台ものダンブル“Overdrive Special”に邂逅。70〜90年代に作られた様々な仕様の個体を精査する経験を通して、ダンブル偏差値を一気に引き上げることに成功したわけです。おかげで特集記事の編集作業も堰を切ったように進み始め、なんとか形にすることができました。しかし1つ忘れていることが。そう、リベンジです。トラウマを抱えたままこの仕事を続けていくなんてイヤですからね。倒すべきはアイツ、店員Aだ!

しもも「すみません。ダンブルっぽい音が出るエフェクターを探しているんですけど……」
店員A「ダンブル系と言われているオーバードライブなら、何台か在庫してますけどね。どのペダルも評価が高いですが、まあ僕に言わせるなら……」
しもも「お! 店員さんはダンブル・アンプを弾いた経験があるんですね!」
店員A「いや…あ、えーと、本物はない……かな」
しもも「ふーん。僕はここ1ヶ月で5台ほど弾きましたけどね。そうそう、今探しているのは、EL34管が載った後期型“Overdrive Special”みたいな感触が得られるペダルなんですが、そういうのって心当たりないですか?」
店員A「…………」

 といった事態に陥らないように、全国のエフェクター売り場の店員さんには、事前にしっかりリサーチしておくことをオススメしておきます。面倒でイヤミな編集者がいつお店に潜入してくるか分からないですからね(笑)。例えば、ダンブル・アンプの音色を15分で勉強したいなら、この動画が参考になるんじゃないでしょうか! ぜひ休憩時間にでもチェックしてみてください。もちろん、それに限らずダンブル・アンプの響きを知りたい人なら誰でも必見です。(下総淳哉)

THE EFFECTOR book VOL.35 BOUTIQUE SPRING 2017 ISSUEで詳細をチェック!

TEb35_Cover 本記事はシンコーミュージック刊『THE EFFECTOR book VOL.35 BOUTIQUE SPRING 2017 ISSUE』での特集企画「“現行ダンブル系ペダル”試奏分析」の中でより詳しく紹介している。ここで紹介した各機種を内部写真とともに、より詳細に解説。加えて、デジマート・マガジン新連載「Deeper's View」と連動し、本物のダンブル・アンプを4台も集め、製造年代別に詳細を解説する(!)という前代未聞の企画や、ダンブル成立までの歴史、ダンブルのサウンドを科学的に分析したコンテンツなど興味深い企画を多数収録。巷で言われる“ダンブル系サウンド”を知るには最適な書となっている。さらにJake Cloudchairと我らがデジマート地下実験室室長(井戸沼尚也)によるレビュアー対談、SEYMOUR DUNCAN特集、KORG/Nutube BUILDER SUMMITのレポートなど、その他見どころも満載だ。本記事とあわせてぜひご一読いただきたい。

項数:112P
定価:1,620円(税込)
問い合わせ:シンコーミュージック


・「THE EFFECTOR book VOL.35」のページ・サンプル

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