グレッチの2017年ニュー・モデルとして、プロフェッショナル・コレクションの“ビンテージ・セレクト・エディション”に6機種が加わった。ビンテージ・モデルのルックスを踏襲しつつも、サウンドや演奏性、機能面はモダンな仕様となっており、非常に使い勝手が良いモデルに仕上がっている。6機種とも、ボディ厚が従来よりも増した上に内部構造も更新され、チェンバード構造でありながら箱鳴り感がアップ。また、ピックアップはTVジョーンズ製で、内部サーキットもベルデン製の配線材やCTS製のポット、スイッチクラフト製のジャック、新開発の“Squeezebox”ペーパー・イン・オイル・キャパシターを採用するなど、よりアップグレードされたスペックを誇っている。

　「G6128T-53 Vintage Select '53 Duo Jet」は、1953年に登場したグレッチ初のソリッド・ボディ・モデル、デュオ・ジェットにインスパイアされたもの。ヘッド部にはスクリプトのグレッチ・ロゴがあしらわれ、エイジド・パーロイドのワイド・ブロック・ポジション・マーカー、ロゴなしのピックガード、刻印なしのコントロール・ノブ、エイジド・ホワイトのボディ・バインディング＆ブラック・パーフリングなど、細部にまでビンテージ・テイストが息づいている。

G6128T-53 Vintage Select '53 Duo Jet

　「G6128T-57 Vintage Select '57 Duo Jet」は、50年代のデュオ・ジェットの中でもレアと言える、ハンプ・ブロック・ポジション・マーカーを採用した1957年モデルにインスパイアされたもの。ゴールドのハードウェアに、同じくゴールドのエルボー・ガード（バンジョー・アーム・レスト）、オクターブ調整が可能なシンクロソニック・ブリッジ、厚みのあるピックガード、Gアロー・コントロール・ノブ、エイジド・ホワイトのボディ・バインディング＆ブラック・パーフリングも特徴となっている。

G6128T-57 Vintage Select '57 Duo Jet

　「G6128T-59 Vintage Select '59 Duo Jet」は、フィルタートロン・ピックアップとネオクラシック（サムネイル）・ポジション・マーカーを採用した1959年モデルにインスパイアされたもの。ピンド・エボニー・ベースを組み合わせたスペース・コントロール・ブリッジ、厚みのあるピックガード、Gアロー・コントロール・ノブ、エイジド・ホワイトのボディ・バインディング＆ブラック・パーフリングを採用し、さらにカッタウェイ側のヒール・サイドには、当時のネック補強を模したダミー・ボタンも配置するというマニアックなこだわりも嬉しい。なお、同様の基本スペックを持つシルバー・ジェット・バージョン「G6129T-59 Vintage Select '59 Silver Jet」もラインナップされている。

G6128T-59 Vintage Select '59 Duo Jet

G6129T-59 Vintage Select '59 Silver Jet

　「G6131T-62 Vintage Select '62 Jet Firebird」は、ダブル・カッタウェイ＆レッド・トップが特徴の1962年製ジェット・ファイアーバードにインスパイアされたモデル。ゴールドのハードウェアに、エイジド・パーロイドのネオクラシック（サムネイル）・ポジション・マーカー、ピンド・エボニー・ベースを組み合わせたスペース・コントロール・ブリッジ、厚みのあるピックガード、Gアロー・コントロール・ノブ、エイジド・ホワイトのボディ・バインディング＆ブラック・パーフリングを採用。ダブル・カッタウェイのため、ボディ・バックのパネルが斜めに配置されている点も特徴的だ。

G6131T-62 Vintage Select '62 Jet Firebird

　「G6134T-58 Vintage Select '58 Penguin」は、1958年モデルにインスパイアされたもので、そもそもペンギンというのはファルコンのソリッド・ボディ版として登場したモデル（本機はチェンバード・ボディ）。今回新登場の6本中、唯一となるラッカー・フィニッシュが施されたビンテージ・ホワイト・カラーに、ゴールドのハードウェア、同じくゴールドのエルボー・ガード（バンジョー・アーム・レスト）、マザー・オブ・パールのネオクラシック（サムネイル）・ポジション・マーカー、ピンド・エボニー・ベースを組み合わせたスペース・コントロール・ブリッジ、厚みのあるピックガード、ジュエルドGアロー・コントロール・ノブ、ゴールド・スパークル・ボディ・バインディングなど、より優雅なルックスもたまらなく魅力的な1本に仕上がっている。

G6134T-58 Vintage Select '58 Penguin

都内某所で催されたGretsch内覧会の様子。新たなVintage Selectシリーズが壁一面に並ぶ。

一番左が旧モデルのボディ内部。それに比べて、最新モデル（真ん中と右）はセンターブロックが小さくなり、より箱鳴り感が増した。

新たに搭載されたペーパー・イン・オイル・キャパシター“Squeezebox”。シルキーなビンテージ・トーンを生み出す。

　なお、すべてのモデルの発売日は4月10日（月）を予定している。