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飯室博 meets Epiphone Japan Limited Elitist

Epiphone / Japan Limited Elitist Series

メイド・イン・ジャパンならではの徹底したこだわりと高いクオリティで人気のエピフォン・エリーテスト・シリーズ。今回、「1965 Casino Vintage」「1966 Custom Riviera」「1964 Texan」の3本を、数々のレコーディングやライブのサポート、そしてTVアニメ「進撃の巨人」のギター・パートを担当したことで知られるギタリストの飯室博氏が試奏! その魅力を余すところなくお届けします。

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飯室博 meets Epiphone Japan Limited Elitist

Epiphone Japan Limited Elitist 1965 Casino Vintage

ギター史に輝く名器をジャパン・クオリティで復刻!

 ポール・マッカートニーやジョン・レノンのようなレジェンド達から、ゲイリー・クラーク Jr.のような今の世代のギタリストまで、数え切れないプレイヤーを魅了し続ける、カジノ。ギター史に残る名器と言って良いだろう。その魅力は、センター・ブロックなしのフル・アコースティック構造でありながら、セミアコ同様の小ぶりで薄型のボディ+P-90ピックアップが生み出す独特なサウンドにある。コードを弾くとカラッとしつつ、単音では粘りのあるブルージィなニュアンスも出せるので、ロック、ポップス、R&Bなど多彩なジャンルで使えるサウンドだ。この1965 Casino Vintageは、1965年製のカジノをメイド・イン・ジャパンのクオリティで復刻したもの。3プライのラミネイテッド・メイプル・ボディはニトロセルロース・ラッカーで美しく仕上げられている。マホガニー・ネック、USA製ピックアップも、伝統的なカジノ・サウンドの復刻に一役買っている。

Epiphone Japan Limited Elitist 1965 Casino Vintage

Epiphone Japan Limited Elitist 1965 Casino Vintage(Back)

ドッグイヤー・タイプの金属製カバーで覆われたP-90ピックアップを搭載

トラピーズ・テイルピースもカジノ独特のサウンドに貢献している

チューン“オー”マティック・ブリッジはダブル・リングで取り付けられ弦振動をボディにしっかり伝える

[SPECIFICATIONS]
■ボディ:3プライ・メイプル ■ネック:マホガニー ■指版:ローズウッド ■ピックアップ:ギブソンUSA P-90R(ネック)、ギブソンUSA P-90T(ブリッジ) ■コントロール:2ボリューム、2トーン、3ウェイ・ピックアップ・セレクター ■ブリッジ:チューン“オー”マティックwithデルリン・サドル ■テイルピース:トラピーズ ■カラー:ビンテージ・サンバースト ■付属品:1960’s-era グレイ・ハード・ケース
◎価格:256,000円(税別)

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飯室's Impression

この軽さが本当に魅力的! 音はもちろん、グルーブも変わるかも!

 まず、この軽さはやっぱり魅力ですね! センター・ブロックがないので軽くて取り扱いが楽だし、サウンドも生音が「このまま録音に使えるのでは?」というくらい大きいですね。この音は、ジャジィなプレイもいけるし、オーソドックスにコードをかき鳴らすのにも最高です。実際にカジノを手にしてみれば、ジョン・レノンがなぜブリッジ側でピッキングをしていたのかがわかると思います。自然とそうなるし、そこでコードを鳴らすのが気持ち良いんですよ。例えば、アンプでクランチにしておいて、手元のトーンとボリュームを絞ってコントロールすると、かなり幅広いジャンルに対応できる音作りができます。
 音の立ち上がりが速いですし、カッティングにも合いますよ。フロントでカッティングしてもモタつかず、スパッと切れるのも魅力的です。ネックは太すぎず細すぎず、弦のテンションも柔らかめで、すごく弾きやすいです。とにかく、この軽さが全てを楽にしてくれる印象です。身体が軽くなって、持った時のストレスが全くないので、グルーブも変わる可能性がありますよ。

Epiphone Japan Limited Elitist 1966 Custom Riviera

セミアコ構造にミニハムを搭載した独自のサウンドを持つ1本!

 ギブソンES-335のように、センター・ブロックを持つセミ・アコースティック構造のリビエラ。ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのルー・リードやオーティス・ラッシュが愛用したことで知られ、近年ではロベン・フォードが使用したこともあり、改めて注目されているモデルだ。ミニ・ハムバッキング・ピックアップを搭載し、適度な箱鳴りがあって輪郭がはっきりとした独特のサウンドを持っている。赤身の残ったサンバーストの色味、デルリンを採用したブリッジ駒などはまさに1966年製のリビエラを再現している。オリジナル・モデルではフリークエンセイター・テイルピース(1〜3弦と4〜6弦が段違いになっている独特のテイルピース)が搭載されていたが、本器はより扱いやすく、サステインが長いストップ・テイルピースを搭載。USA製ピックアップやCTSポット、オレンジドロップ・キャパシターを採用し、メイド・イン・ジャパンのクオリティで仕上げられた、非常に完成度の高い1本だ。

Epiphone Japan Limited Elitist 1966 Custom Riviera

Epiphone Japan Limited Elitist 1966 Custom Riviera(Back)

特徴的なヘッドストック形状と中央のインレイ・デザイン

リビエラ独特のサウンドを生み出すギブソンUSA製ミニ・ハムバッカーを搭載

チューン“オー”マティック・ブリッジの駒にはデルリンを採用、テイルピースはストップ・バー・タイプ

[SPECIFICATIONS]
■ボディ:3プライ・メイプル ■ネック:マホガニー ■指版:ローズウッド ■ピックアップ:ギブソンUSA ミニ・ハムバッカー×2 ■コントロール:2ボリューム、2トーン、3ウェイ・ピックアップ・セレクター ■ブリッジ:チューン“オー”マティックwithデルリン・サドル ■テイルピース:ストップ・バー ■カラー:ハニーバースト ■付属品:1960’s-era グレイ・ハード・ケース
◎価格:263,000円(税別)

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飯室's Impression

ミニハムはふくよかでありながらパンチが効いていて、良いですね!

 ミニハムを弾くのが、楽しみだったんですよ。実際に弾いてみたら、ふくよかでありながらパンチも効いていて、良いですね。一般的なハムバッカーに比べて出力が弱いという感じは、僕はしませんでした。素直にこのギターの鳴りを拾ってくれる、非常に純粋な音という感じです。各弦の倍音を拾って、音がまっすぐに出てくる感じです。それと、ストップ・テイルピースなので弦のテンション感がレス・ポールなどで馴染んだ感覚で弾けるのも良いですし、サステインが良いので非常に弾きやすいです。
 また、ネックのグリップは、僕はほんの少し薄めに感じるんですが、大好きなグリップ感なので、これも弾きやすさの一因だと思います。弾いた瞬間に、あまり考えることなく次のフレーズが浮かんできて、自然に弾いている──そんな感覚で演奏ができます。それから、このルックスも良いですね! 赤みが残りつつ、もうちょっとで抜けてくるような独特の色合いが、雰囲気があります。ブルース系の人には間違いなくハマるギターですが、もう少しハードなものをやりたい人、クリーンなトーンで弾きたい人にも対応できる幅広さがあります。とにかく、作りがしっかりしているので、弾いていて気持ちが良いギターです!

Epiphone Japan Limited Elitist 1964 Texan

名曲「Yesterday」の、あの音が蘇る!

 エピフォンのアコースティック・フラットトップを代表するギター、テキサン。オリジナル・モデルは1950年代後半から60年代にかけて、ギブソンのカラマズー工場で生産されていた。1964年製のテキサンは、ビートルズ在籍時のポール・マッカートニーが名曲「Yesterday」のレコーディングで使用したことで、今なお高い人気を誇っている。本器は、その1964年製のテキサンを復刻したモデル。セラミック製のアジャスタブル・ブリッジや、サイド&バックにマホガニーを採用している点など、ギブソンJ-45との共通点も多い。ただし、スケール長は25.5インチとJ-45より長くなっており、これによるテンション感の違いやサウンドの違いがテキサンならではの個性となっている。ヘッドストックの形状とインレイ、ピックガードの「E」マーク、指板上のパラレログラム・インレイも本器ならではの特徴だ。

Epiphone Japan Limited Elitist 1964 Texan

Epiphone Japan Limited Elitist 1964 Texan(Back)

アジャスタブル・タイプのブリッジにはセラミック製を採用

テキサンの顔とも言えるピックガードの「E」マーク・ロゴ

特徴的なヘッドストックにゴトー製3連クルーソン・タイプ・ペグを装備

[SPECIFICATIONS]
■ボディ・トップ:ソリッド・シトカ・スプルース ■ボディ・サイド&バック:ソリッド・マホガニー ■ネック:マホガニー ■指版:ローズウッド ■ブリッジ:セラミック(アジャスタブル・タイプ)■カラー:ビンテージ・アンバー ■付属品:1960’s-era グレイ・ハード・ケース
◎価格:293,000円(税別)

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飯室's Impression

ストロークにもアルペジオにも応えてくれる、“ロックなアコギ”!

 アコースティック・ギターですが、“ロックなギター”という印象です。ストロークに応えてくれるレスポンスの良さや、音の粒立ちの良さはまさにロックに最適だと思います。かなりパーカッシブな音が出るので、空ピックでカウントを出すだけでかっこいいですよ。この辺りは、アジャスタブル・ブリッジの効果でしょうね。それに非常に弾きやすいギターで、これならエレキから持ち替えても問題なく弾けると思いますし、その意味でもロック・ギタリストに合うアコギだと思います。
 その一方で、ストロークだけではなくしっとりとしたアルペジオにも使えるのがこのギターの特徴ですね。例えばポールが「Yesterday」でやったように、チューニングを全音下げて指で弾いてもスケールが25.5インチあるので、音程感をしっかりと保つことができます。ギブソン系のサウンドを持ちながら、スケールに由来するオリジナリティや、個性的なルックスを持っていますから、他の人とは違う良いギターを欲しいという人にオススメです。

飯室's Total Impression

3本とも細部まで作り込みがしっかりして、弾きやすさ、音ともさすが!

 今回、3本を試奏させていただいて、3本に共通して言えるのは「さすがにメイド・イン・ジャパンのギターだな」ということですね。どれも細部まで作り込みがしっかりしていますし、弾きやすさ、音ともにさすがという感じです。
 個人的には、特にカジノが印象に残っています。セミアコに近いながらも、やはりセンター・ブロックがない軽さや鳴りの良さが非常に魅力的に感じられました。自分が仕事で使うとしたら、レコーディングでアンプのそばに置いて、曲のエンディングでフィードバックさせたりしてみたいですね。とにかく、3本とも完全にレコーディングなどの仕事で使えるクオリティです。例えば、普通はエレキで録るところをテキサンで録ってみたり、アコギで録るところをカジノを使ってみたりしても面白そうです。今日の3本はいろいろな可能性を感じさせてくれましたね。
 今日弾いたモデルは66年のリビエラ、65年のカジノ、64年のテキサンの各年代の特徴をうまく捉えて、再現していると思います。どれもエピフォンらしい個性的なギターなので、本当に良いギター、でも人とはちょっと違うギターを欲しいという人に、ぜひ試してみてほしいと思います。

アコースティック・ギター・マガジン Vol.73
「Japan Limited Elitist 1964 Texan」が掲載されます!

 2017年7月27日発売のリットーミュージック刊『アコースティック・ギター・マガジン Vol.73』に飯室氏によるJapan Limited Elitist 1964 Texanのレビュー、またエピフォン・アコースティック・ギターのラインナップ紹介が掲載されます。そちらもぜひご期待ください!

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製品情報

Epiphone / Japan Limited Elitist 1965 Casino Vintage

価格:¥256,000 (税別)

【スペック】
■ボディ:3プライ・メイプル ■ネック:マホガニー ■指版:ローズウッド ■ピックアップ:ギブソンUSA P-90R(ネック)、ギブソンUSA P-90T(ブリッジ) ■コントロール:2ボリューム、2トーン、3ウェイ・ピックアップ・セレクター ■ブリッジ:チューン“オー”マティックwithデルリン・サドル ■テイルピース:トラピーズ ■カラー:ビンテージ・サンバースト ■付属品:1960's-era グレイ・ハード・ケース
【問い合わせ】
ギブソン・ジャパン http://www.epiphone.com/
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Epiphone / Japan Limited Elitist 1966 Custom Riviera

価格:¥263,000 (税別)

【スペック】
■ボディ:3プライ・メイプル ■ネック:マホガニー ■指版:ローズウッド ■ピックアップ:ギブソンUSA ミニ・ハムバッカー×2 ■コントロール:2ボリューム、2トーン、3ウェイ・ピックアップ・セレクター ■ブリッジ:チューン“オー”マティックwithデルリン・サドル ■テイルピース:ストップ・バー ■カラー:ハニーバースト ■付属品:1960's-era グレイ・ハード・ケース
【問い合わせ】
ギブソン・ジャパン http://www.epiphone.com/
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Epiphone / Japan Limited Elitist 1964 Texan

価格:¥293,000 (税別)

【スペック】
■ボディ・トップ:ソリッド・シトカ・スプルース ■ボディ・サイド&バック:ソリッド・マホガニー ■ネック:マホガニー ■指版:ローズウッド ■ブリッジ:セラミック(アジャスタブル・タイプ)■カラー:ビンテージ・アンバー ■付属品:1960's-era グレイ・ハード・ケース
【問い合わせ】
ギブソン・ジャパン http://www.epiphone.com/
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プロフィール

飯室博(いいむろ・ひろし)
80年代よりセッション・ギタリストとして活動を開始し、これまでに矢沢永吉、徳永英明、財津和夫、甲斐よしひろ、CHAGE and ASKA、澤野弘之らのライブやレコーディングをサポートする。また、スタジオ・ワークとしては『医龍』を始めとしたTVドラマの音楽やCM、映画音楽などのレコーディングにも参加し、近年では『進撃の巨人』や『機動戦士ガンダムUC』といった人気TVアニメの劇伴にも関わっている。

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