VOXブランド設立60周年を記念して、同社の名機「AC15」と「AC30」が完全ハンドメイドで蘇った。両者ともに英国にて設計し、すべて完全ハンドワイヤードによって生産される、一切の妥協を排した特別なモデルとなっている。スピーカーはセレッション製AlNiCo Silver12インチで、キャビネットはバルティック・バーチ材のプライウッド、またプレミアム・パーツや専用ワウンドによるトランスを採用している。

　1957年にデビューしたAC15は、これまで60年の間に3度設計改良されているが、「AC15HW60」はその最新バージョンで、同社のランドマークである1960年以降のEF86搭載AC15を忠実に再現。60年代のそれと同様、AC15HW60も2チャンネル構成を踏襲。Channel Ⅰ（ノーマル・チャンネル）は、“ギタリストなら持つべき1台”と称された当時のAC15のリッチで表現力の高いチューブ・トーンを、Channel Ⅱ（ビブラート／トレモロ・チャンネル）は数々の名盤で知られる、ビンテージVOXアンプなしには決して得られることのない幻想的なビブラート・トーンを忠実に再現している。

AC15HW60（Front）

AC15HW60（Rear）

AC15HW60（Top）

　そして1964年にリリースされ、当時世界を席巻しようとしていたブリティッシュ・ビート・バンドなどから多大なる寵愛を受けた、まさに一時代を築いたと言っても過言ではないAC30。きらびやかなハイエンドやトップ・ブースト回路による幅広くも独特なトーンを持ち、リリースから50余年を経た今もなお愛用するギタリストは後を絶たない。その正統モデルである「AC30HW60」は1964年製AC30/6に合わせ、トップ・ ブースト回路をブリリアント・チャンネルにビルトイン。6インプット構成により、VOX伝統のノーマル・チャンネル、ビブラート/トレモロ・チャンネルを搭載し、ビンテージVOXのあらゆるトーンを実現した。

　なお、発売日は2017年の9月を予定しており、2017年のみの限定生産となる。さらに、2017年に発表されたAC30のルックスを踏襲したユニークなラジオ「AC30 Radio」が付属している。

AC30HW60（Front）

AC30HW60（Rear）

AC30HW60（Top）

AC30HW60（Inside）