ヘッドウェイの桜10周年記念モデル、第一弾としてSAKURA'24&YOZAKURA'24の全8機種が登場
- 2024/03/19
Paiste / 900 Series Cymbals
今年のWinter NAMM showでも大きな注目を集めていた、パイステの900シリーズ。同社を代表する材=2002ブロンズを採用し、リーズナブルな価格帯ながらも職人技が光る旋盤技術などを駆使して仕上げられていくこのモデルは、何と言ってもそのルックスが特徴。独特のハンド・ハンマー&レイジング・パターン、そしてフィニッシュなどが大きなポイントとなっており、温かくダークなサウンドに仕上がっているとのこと。今回は動画でそのサウンドをチェックしていただきたい。
録り音もチープ感なく
ミドル・クラスという枠を超えた“現場で使える音”
“Ride”は20"と22"の2サイズ。クリアなピング音がシッカリとあり、パイステらしい華やかさを持ち、高級感のあるダークな響きも含まれていて……と書いていて気づきました、すごくイイです、コレ(笑)。また、ロック系で用いられるエッジをガンガン叩く奏法でも十分なパワーと広がりが生み出せるし、ベルの音も“ヌケるけどウルさくない”という絶妙のバランス。20"は叩きやすくて万能タイプの印象ですが、さらにボリューム感や低域を強調したければ22"もお勧めです。ヘヴィ・ウェイト仕様となる“Heavy Ride”も20"と22"の2種類。こちらはピング音とベルのボリュームが強力!! 大音量の中でも埋もれない明快なビートを刻みたいドラマーに最適だと思います。そしてルックスだけでも迫力十分な“Mega Ride”の24"は、さらにその上を行く強烈な音量とツブ立ちで驚きました。ライドに絶対的な存在感を求めるロック・ドラマーは要チェックです。
[Ride/Heavy Ride]
●20" ¥30,000【動画を見る】
●22" ¥37,000【動画を見る】
[Mega Ride]
●24" ¥45,000【動画を見る】
ノーマル・タイプの“Crash”と、ヘヴィ・ウェイトの“Heavy Crash”、どちらも16"、17"、18"、19"、20"の5サイズ、計10種類を試奏しました。“Crash”の方は立ち上がりの鋭さが魅力。小さめの16"、17"はやや軽い鳴りに感じましたが、それ以上のサイズは程良いパワーと澄んだ響きで“使える音”という印象です。そして驚いたのが“Heavy Crash”の美しい響き。“ヘヴィ”と名のつくクラッシュは一般的に“耐久性重視の音”というイメージですが、それとは全然違いますね。立ち上がりが良く、明るさも深みもあるし、変に厚ぼったい感じがないのが魅力です。その中でも17"、19"のバランスは◎。個人的にも手に入れてみたくなる音色と打感でした。
[Crash/Heavy Crash]
●16" ¥20,000、18" ¥25,000【動画を見る】
●17" ¥23,000、19" ¥27,000【動画を見る】
●20” ¥30,000【動画を見る(Heavy Crash)】
今回はライドやクラッシュの試奏から先に行ない、14"Hi-Hatを暫定的にセットして進めました。その時点で“コレは何でもイケる!”という好感触を得ていましたね。ワイルドなロック、タイトなファンク、そしてジャズと、どんなビートも雰囲気十分で楽しく叩けました。基本的にはやや落ち着いた響きだと思いますが、幅広いジャンルに使える優秀なハイハットです。次に“Heavy Hi-Hat”の14"と15"をチェック。ヘヴィ・ウェイトならではの音量を持ちつつ、決して大味にはならないのが良いです。14"はクローズでエッジを刻む音の深みとキレが抜群。15"は独特のロー・ピッチが魅力で、個性的なハイハット音を求める人には最適だと思います。“Sound Edge Hi-Hat14"”は踏んだ瞬間思わずニンマリ。サウンド・エッジならではの立体感を持つ“アノ音”ですね。オープン音の切れ味も抜群で、試奏が止まらなくなる楽しさがありました。
[Hi-Hat/Sound Edge Hi-Hat]
●14" ¥30,000【動画を見る(Hi-hat)/動画を見る(Sound Edge Hi-Hat)】
[Heavy Hi-Hat]
●14" ¥30,000
●15" ¥34,000【動画を見る】
スプラッシュは、価格帯が下がるほどチープさも感じるものです。しかし、この900シリーズの“Splash”は、10"、12"共に音程感が美しく、立ち上がりから減衰までのバランスも◎。どんな現場でも十分に使えるクオリティです。“China”はどのサイズも“カーン!”というアタック成分がとても強く、ここ一番のアクセントには効果的でしょう。14"と16"は短いサステインでかなりエフェクティヴな響き。18"はメインのチャイナとして使えるバランスの良い鳴りです。
[Splash]
●10" ¥10,000【動画を見る】
●12" ¥11,000【動画を見る】
[China]
●14" ¥15,000【動画を見る】
●16" ¥20,000【動画を見る】
●18" ¥25,000【動画を見る】
“パイステの2002と同系統の素材を使ったミドル・クラス”というのは同社のPSTシリーズにもあり、それらはどちらかというと“2002に近づけた音”という印象でした。しかしこの900シリーズは“新しい音を目指した”という感じでとても好感が持てますね。試奏時に録音しておいた音もチープな感じはなく、ミドル・クラスという枠を超えた“現場で使える音”だと思います。
上記で紹介したパイステ900シリーズのカラーリング仕様“Color Sound”。1984年に始まったシリーズが、今年発表された“900バージョン”で復活となった同モデルは、ブル−、レッド、ブラック、パープルの全4色がラインナップ。シンバルの種類、サイズ・バリエーションは、900シリーズと同じで、ここでは、20"ライド、14"ハイハット、16"クラッシュ、18"チャイナ、10"スプラッシュをチェックした。
“鳴りが命”のシンバルを全面カラーリングして
ここまで“普通に響かせる”というのはすごい技術
900シリーズとまったく同じサイズで、ブルー、レッド、ブラック、パープルという4色のバリエーションを持つのが、この“Color Sound 900 Cymbals”。実物の鮮やかさは想像以上で、1枚買ったら全部統一したくなる……というよりも、統一せざるを得なくなる魅力があります(笑)。では“音の違いはあるか?”というと、これはハッキリ言ってありました。基本的なキャラクターは900シリーズと同じですが、全般的に高域の響きが減少し、サステインも短めとなります。かと言って、使えない音になるか?と言えばそんなことはなく、あくまでノーマルの900と比較して、ですね。あと、微々たる差なのですが、ブラックのみ他のメタリック系3色に比べて伸びやかな響きを感じました。いずれにしても、“鳴りが命”のシンバルを全面カラーリングして、ここまで“普通に響かせる”というのはすごい技術だと感じます。ステージング重視のドラマーは要チェックですね。
[カラー(Blue、Red、Black、Purple)]【動画を見る】
●20" Ride ¥30,000
●16" Crash ¥20,000
●14" Hi-Hat ¥30,000
●10" Splash ¥10,000
●18" China ¥25,000