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  • Epiphone 2018モデルのエレキ・ギター6本を柳沢亮太が一挙に紹介

柳沢亮太(SUPER BEAVER)がEpiphone 2018モデルのエレキ・ギターを一刀両断!

Epiphone 2018 Models

  • 制作:デジマート・マガジン 取材・文:井戸沼尚也 写真撮影:八島崇 動画撮影&編集:熊谷和樹 録音:嵩井翔平

60年という長い歴史を持つエピフォン。古くはビートルズのメンバーを始め、ノエル・ギャラガー、ポール・ウェラー、奥田民生、斉藤和義など、世界中のトップ・プレイヤーから愛されてきた由緒正しいブランドである。今回は普段からギブソン製レス・ポール・カスタムを使用し、飛ぶ鳥を落とす勢いでロック・シーンを駆け上るSUPER BEAVERの柳沢亮太に、エピフォン2018年モデルのエレキ・ギターを6本紹介していただこう。

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柳沢亮太(SUPER BEAVER)× Epiphone 2018

Les Paul Custom PRO

エレキの名器レス・ポール・カスタムに多彩な機能を搭載!

Les Paul Custom PRO

ボリューム・ノブを引くと、フロント/リアそれぞれのピックアップがスプリットされる。リア・ピックアップのトーン・ノブはフェイズ・スイッチになっている

 いつの時代も変わらぬ人気を誇るロック・アイコン、レス・ポール・カスタム。“ブラック・ビューティ”と呼ばれる黒いカスタムと、ランディ・ローズなどの使用によりハードロックの象徴になった白いカスタムは、フィニッシュの違いはあれど、リッチなサウンドとゴージャスなルックスが特徴だ。本器はレス・ポール・カスタムの魅力的なルックス、サウンドはそのままに、さらに多彩な機能を持たせたモデル。コイル・スプリッティング機能で、王道のハムバッカー・サウンドから、さらにシャープなサウンドまでカバーし、新しく搭載されたフェイズ・スイッチでは、ピックアップのミックス時に個性的なフェイズ・アウト・サウンドを作り出すことができる。サウンド、ルックス、機能のどこをとっても満足できる1本。

Les Paul Custom PRO(Back)

【Specifications】
●ボディ:メイプル(トップ)、マホガニー(バック) ●ネック:マホガニー ●指板:ローズウッド ●フレット:22 ●スケール:628mm ●ピックアップ:プロバッカー-2(フロント)、プロバッカー-3(リア) ●コントロール:ボリューム×2(プル時コイル・スプリッティング)、トーン×2(リア・トーンのプル時フェイズ・スイッチ)、3ウェイ・トグル・スイッチ ●ブリッジ:ロックトーン ●ペグ:グローバー・ロトマチック ●カラー:エボニー(写真)、アルペン・ホワイト

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Yanagisawa's Impression

ネックは最初から手に馴染む感覚があって、すごく弾きやすいですね。

 このギターは太さがありつつ、けっこうパキッとした乾いた音がしますね。“パワーがあって抜けが良いギター”という印象です。ネックは最初から手に馴染む感覚があって、すごく弾きやすいですね。それから、コイル・スプリッティング機能には驚きました。元の音は太いんですが、スプリットすると音がきらびやかになって、バッキングやアルペジオで使うのに最適な音になります。フェイズ・スイッチもかなり音が変わるので、自分の気持ち良いところ、好みの音を探しやすいですね。とにかく、これだけ音のバリエーションがあることがすごいですよ!

Les Paul Studio LT

本格レス・ポール・サウンドを手頃な価格で楽しめる!

Les Paul Studio LT

ネックのジョイント部が薄く仕上げられており、ハイ・ポジションを弾く際に狙ったところに指が楽に届く

 Les Paul Studio LTは、トップに優美なカーブを描くマホガニー・ボディに、ゼブラ・タイプのパワフルなオープン・ハムバッカーを搭載したモデル。太く、伸びやかなクラシック・レス・ポール・サウンドを堪能できる。また、独自の弾きやすさ、取り回しの良さも本器の魅力だ。60’スリムテーパー・ネックはフィンガリングを楽に行なうことができ、長時間の演奏でも弾き疲れしにくい。テーパード・ヒール・ジョイントを採用し、ハイ・ポジションの演奏性が格段に向上している点にも注目だ。少し薄めで軽いボディは、激しいステージングをサポートしてくれるだろう。リーズナブルな価格と質の高さを両立した本器は、レス・ポールの入門器としてオススメしたい。

Les Paul Studio LT(Back)

【Specifications】
●ボディ:マホガニー(トップ&バック) ●ネック:マホガニー ●指板:ローズウッド ●フレット:22 ●スケール:628mm ●ピックアップ:エピフォン650Rゼブラ・コイル・セラミック・ハムバッカー(フロント)、エピフォン700Tゼブラ・コイル・セラミック・ハムバッカー(リア) ●コントロール:ボリューム×2、トーン×2、3ウェイ・トグル・スイッチ ●ブリッジ:ロックトーン・チューン・オー・マティック ●ペグ:プレミアム・ダイキャスト ●カラー:ヘリテイジ・チェリー・サンバースト(写真)、エボニー、ビンテージ・サンバースト、ウォルナット

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Yanagisawa's Impression

ソリッドなサウンドで速いフレーズを弾きたくなります

 かなりソリッドなサウンドですね! 特にリアで歪ませた時のカラッとした感じが、ソリッドだなという印象があります。Les Paul Custom PROと比べてもよりカラッとしていて、僕もつい速いフレーズを弾きたくなる感じです。それからネックの太さがちょうど良くて、弾きやすいですね。それとテイパード・ヒール・ジョイントのおかげでハイ・ポジションがすごく弾きやすいです! ピックアップ・セレクターをセンターにすると、途端にメロウな音になってハイ・ポジションでキレイなフレーズを弾きたくなるんですが、そんな時にこの弾きやすさは本当にうれしいですね!

SG-Special VE

軽量、パワフル、リーズナブル! 最初の1本にはこれ!

SG-Special VE

SGならではのダブル・カッタウェイ。見た目のカッコ良さだけでなく、ハイ・ポジションまで弾きやすい人気の仕様だ

 レス・ポールと並び称されるソリッド・エレクトリック・ギターの名器、SG。本器は非常にリーズナブルな価格でありながら、SGの魅力を堪能できる1本だ。セラミック・マグネットのピックアップを搭載したパワフルなサウンドはロックにピッタリ! SGならではのダブル・カッタウェイはすべてのポジションで快適な演奏を可能にする。本器は非常に軽量であることに加え、コントロール部が1ボリューム、1トーンとシンプルにまとめられていることから、特にライブで実力を発揮するだろう。これからエレクトリック・ギターを始めたいと考えている人の最初の1本に最適なギターだ。もちろん、この軽さやサウンドは、中堅〜ベテラン・プレイヤーにとっても魅力的だろう。

SG-Special VE(Back)

【Specifications】
●ボディ:ポプラ/マホガニー・ベニヤ ●ネック:オクメ ●指板:ローズウッド ●フレット:22 ●スケール:628mm ●ピックアップ:エピフォン650Rハムバッカー(フロント)、エピフォン700Tハムバッカー(リア) ●コントロール:ボリューム×2、トーン×2、3ウェイ・トグル・スイッチ ●ブリッジ:ロックトーン・チューン・オー・マティック ●ペグ:プレミアム・カバード ●カラー:チェリー(写真)、エボニー、ヘリテイジ・チェリー・サンバースト、ビンテージ・サンバースト、ウォルナット

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Yanagisawa's Impression

めちゃくちゃ軽いんですけど音はすごくパワーがある!

 このギター、めちゃくちゃ軽いですね! 僕が今まで手にしたエレキ・ギターの中で一番軽いんじゃないかっていうくらい軽いんですけど、音はすごくパワーがあって、そのギャップにヤラれました。歪ませてもカツっとしたアタックが出て歯切れが良く、自分のタッチを出しやすいところもいいですね。SGならではのハイ・ポジションの弾きやすさとパワフルな音、それと先ほども触れた軽さのおかげで、ライブでもノー・ストレスで弾けると思います。自分のテンションが上がった時に、このギターならどこまででもいける、そんな感じがします。

ES-339 PRO

抱えやすく弾きやすいコンパクトなセミ・アコースティック

ES-339 PRO

セミアコとしてはスタンダードな大きさのThe Dot(左)と比較すると、本器のコンパクトさがよくわかるはずだ

 ES-339 PROは、ホロー構造のボディ内部にセンター・ブロックを採用したセミ・アコースティック・ギターだ。セミアコ構造のモデルにしては非常にコンパクトなサイズが特徴で、それによって抱えやすく弾きやすいのはもちろん、歪ませて使ってもハウリングに強いというメリットがある。本器はピックアップにアルニコ・クラシック・プロを搭載し、上質なハムバッカー・サウンドを楽しむことができる。さらにネック/ブリッジの各ポジションのボリューム・ノブを引くと、それぞれのピックアップに対してコイル・スプリッティング機能が働き、よりシャープなサウンドを作ることも可能。ロック、ポップス、ジャズ、ブルースと幅広いジャンルをカバーできるギターだ。

ES-339 PRO(Back)

【Specifications】
●ボディ:ラミネイテッド・メイプル ●ネック:マホガニー ●指板:ローズウッド ●フレット:22 ●スケール:628mm ●ピックアップ:アルニコ・クラシック・プロ×2 ●コントロール:ボリューム×2(プル時コイル・スプリッティング)、トーン×2、3ウェイ・トグル・スイッチ ●ブリッジ:ロックトーン・チューン・オー・マティック ●ペグ:エピフォン・デラックス ●カラー:エボニー(写真)、チェリー、ナチュラル、ビンテージ・サンバースト、ブラック

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Yanagisawa's Impression

かなり荒々しい歪みにも対応できますし
より繊細でキレイなクリーンも出せる

 ES-339 PROはfホールがあるセミアコ・ギターなんですけど、パワーもあって割とソリッドのエレキっぽい印象があります。かなり荒々しい歪みの音にも対応できますね。ただ、クリーンにした時に、より繊細でキレイな音が出るのがこのギターの特徴だと思います。特にセンター・ポジションでコイル・スプリットした音がキレイで、ディレイとかの空間系エフェクターのノリも良く、ライブで雰囲気を作りやすいと思います。あとは、このサイズ感ですね! かなり弾きやすいです。体にうまく収まる感じが心地良いですし、見た目もかっこいい! 女性にも扱いやすいと思います。

The Dot

伝統的な“箱モノ”のルックスとサウンドを再現した1本

The Dot

指板に輝くドット・インレイは正統派セミ・アコースティック・ギターの証だ。シンプルだが、重みがある

 1958年に史上初のセミ・アコースティック・ギター、ES-335が登場した時、フィンガーボードに輝いていたのはドットのインレイだった。以来、ドットというワードは正統派のセミアコを指す特別な意味を持っている。本器はThe Dotという名前どおりの、王道セミアコ・モデルだ。歴史的なES-335のデザインを取り入れ、ピックアップにはアルニコ・クラシック(フロント)、アルニコ・クラシック・プラス(リア)を搭載してクラシック・サウンドを生み出す。ビンテージ・スタイルのトップ・ハット・ノブも雰囲気満点だ。リーズナブルな価格帯でエアー感のあるセミアコらしい音を探しているのなら、まず最初に試すべきギター、それがエピフォンのThe Dotだ。

The Dot(Back)

【Specifications】
●ボディ:ラミネイテッド・メイプル ●ネック:マホガニー ●指板:ローズウッド ●フレット:22 ●スケール:628mm ●ピックアップ:アルニコ・クラシック・ハムバッカー(フロント)、アルニコ・クラシック・プラス・ハムバッカー(リア) ●コントロール:ボリューム×2、トーン×2、3ウェイ・トグル・スイッチ ●ブリッジ:ロックトーン・チューン・オー・マティック ●ペグ:グローバー ●カラー:エボニー(写真)、ナチュラル、チェリー、ビンテージ・サンバースト

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Yanagisawa's Impression

生音で弾いても音量が大きくて気持ちが良い

 先ほど弾いたES-339 PROもセミアコでしたが、こちらはより“箱”という感じですね。アコースティックの感触をより感じることができます。ES-339がキラキラ系のクリーンだとすると、こちらはより温かい音ですね。先ほどまでのソリッド・ギターやES-339はディストーション系の音で弾きたくなるんですが、このギターはオーバードライブ系で、より温かい歪みが合うなと思いました。アンプにつながない生音も大きくて気持ちが良い。家で弾く時にアコギだとうるさいけど、エレキだと足りない時には最高ですね。歌いながら弾く人にオススメしたいギターです。

The Wildkat

完全オリジナル・デザインの小型ホロー・モデル

The Wildkat

ビグスビー製B70ビブラートを搭載。アームを揺らすビブラート効果を出すことはもちろん、サウンドもブライトになる

 1930年代からホロー・ボディのギターを作ってきたエピフォン。本器は長い歴史と実績を誇るエピフォンが作った、完全オリジナル・デザインのモデルだ。小型のボディをくり抜いて作ったセミ・ホロー構造、P-90ピックアップ、ビグスビー・ビブラートといった仕様が生み出すサウンドは、ロックはもちろん、ロカビリー、カントリー、ジャズ、ブルースまでカバーする。2ピックアップのボリュームのほかにマスター・ボリュームも備えており、ピックアップ・セレクターをミックス・ポジションにして各ボリュームでバランスとって音色を作り込み、マスターで最終的な音量を調整してほしい、という意図が感じられる。小型のホロー・ボディのわりには重量があり、ハウリングに強いのも特徴だ。

The Wildkat(Back)

【Specifications】
●ボディ:ラミネイテッド・メイプル ●ネック:マホガニー ●指板:ローズウッド ●フレット:22 ●スケール:628mm ●ピックアップ:アルニコ・クラシック・ハムバッカー(フロント)、アルニコ・クラシック・プラス・ハムバッカー(リア) ●コントロール:ボリューム×2、トーン×2、3ウェイ・トグル・スイッチ ●ブリッジ:ロックトーン・チューン・オー・マティック ●ペグ:グローバー ●カラー:エボニー(写真)、ナチュラル、チェリー、ビンテージ・サンバースト

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Yanagisawa's Impression

“ほかのギターとはちょっと違うぜ”っていう主張を感じます

 これは“個性派キターッ!”って感じですね(笑)。これまでのギターとは、もう生音からして違うというか、鳴り方が独特ですし、見た目の部分でも“ほかのギターとはちょっと違うぜ”っていう主張を感じます。サウンド的にはメロウな音がする印象ですね。これは、バンド・サウンドの中に混ざると特に良い感じになると思います。バンドの音を支えることもできるし、自分が目立つこともできる、そんなギターですね。ポップなバンド・サウンドに合いそうだし、ステージのセンターにいる人に持ってもらいたいです。

Total Impression

リーズナブルなのにめちゃくちゃ使える!
エピフォンすごいなっていうのが率直な感想です!!

 今日は6本のエピフォン・ギターを弾かせていただいたのですが、どれも本当に弾きやすいなと思いました。ネックのサイズ感がちょうど良くて、グリップがすごく手に馴染むのはすべてのモデルに共通していましたね。それから、どれもクリーンがキレイで、とても素直な音がするんです。元の音が素直だから歪ませても良い音がするし、歪みもクリーンも自分の欲しい音がすぐに出てきてくれる、使いやすいギターだという印象ですね。

 僕が特に気に入ったのはSG-Special VEですね。とにかく軽くて弾きやすい。色も可愛いし、音もパワフルで本当に良かったです! しかもお値段もリーズナブルだという……最高ですね。もし自分がこれからギターを始めるタイミングでこのSGを知っていたら、これを買うだろうなと思いました。

 今回試奏を終えて、改めて“エピフォンすごいな!”っていうのが率直な感想です。価格が抑えてあって気軽に手に取れるのに、めちゃくちゃ使えるっていうのが本当にすごい。ぜひ皆さんも、エピフォン・ギターを試してみてください!

レコーディング使用機材

【アンプ】
Marshall / JCM900 4100(ヘッド)
Marshall / JCM900 1960A(キャビネット)
Ex-Pro / DM-X
(アッテネーター)

【エフェクター】
Maxon / ROD880
MXR / micro amp
LINE 6 / DL4
ONE CONTROL / Cracodile Tail Loop

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製品情報

プロフィール

SUPER BEAVER。左から上杉研太(b)、藤原“29才”広明(d)、渋谷龍太(vo)、柳沢亮太(g)

柳沢亮太(やなぎさわ・りょうた)
05年に結成した4人組ロック・バンド、SUPER BEAVERのギタリスト。楽曲の作詞・作曲を手がけるほか、SCANDALへの楽曲提供や、Shout it Outの楽曲プロデュースなどにも参加している。自分と同じ生まれ年である89年製のギブソン製レス・ポール・カスタムをメイン・ギターで使用し、メロディアスなコード・ワークを展開する。バンドの最新作は、10月にリリースされた配信限定シングルの「虹」。

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