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沖田ギター工房【2018ギター工房放浪記。】

沖田ギター工房

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この道40年のベテランによる独自のネック工法“沖田式”

 京成千葉線みどり台駅から徒歩5分、JR総武本線の西千葉駅から徒歩13分の住宅街に位置する、沖田ギター工房の本店。ギター製作とリペアのキャリア40年を誇る沖田正和氏は、まさにリペア界の草分け的存在だ。特にネック折れや角度調整などに関しては“沖田式”と呼ばれる工法で高く評価され、楽器店はもちろん有名メーカーによる外注リペアも手がけている。近年ではオリジナル・モデルの製作に集中しているという正和氏に話を聞いた。

「長年、リペアを主としてやってきていましたが、最初はクラシック・ギターの製作家のもとで修業していたんですよ。もともと製作家を目指していたのもあって、リペアをしながらも製作はずっと続けていました。これまで多くの楽器の内部を見たり計測したりしてきましたが、最近はトップが薄くなってきているんです。“すぐ鳴る楽器”というニーズに合わせていくとそうなるのは仕方ないのかもしれないけど、僕の求める音とは違う。もっと音に厚みがあって、ギターそのものの良さがあるものがあればなと、そういう動機でオリジナル・モデルを作っていますね。それは僕の勝手な思い込みじゃなく、長い間お付き合いしてきたお客さんの声でもあるんです。あとは、100年持ちこたえる楽器を作りたいというのもあります」

 オリジナル・ギターのラインナップは、ドレッドノート・スタイルのDOM、OM、スモール・ボディのLOM、クラシックの4種類で、材やスケール、指板の幅などはオーダー時に指定できる。黒猫をモチーフにしたヘッド・ロゴもかわいい。ギター製作を極めた名人のような風格を備える正和氏だが、まだまだ完成とは思っていないようだ。

「音というのは人によって感じ方が違うので、本当に難しい。どんな演奏者がどんな曲を弾くのか、それによって違うので、これがいいだなんて簡単には言えないけど、ただ“もっとこういう音が欲しい”という人には応えたいなって。先が短いのに(笑)、まだまだやってみたいことがいっぱいあります。だから、僕ひとりぐらいは売れる売れないとかは心配しないで、どんどん作ろうと。年間10~12本作れればいいほうですが、計算的なことはわりと度外視(笑)。そういう意気込みでやってますね」

 リペアに関しては、ともに長年一緒に仕事をしてきた実弟の康生氏がリーダーを務め、正和氏の息子さんと娘さんもリペアマンとして活躍中だ。以前は建築関係の会社に勤めていたという息子の渉吾氏に聞く。

「手伝っていたらおもしろくなったので、そのまま続けている感じです。物心がつく頃には工房はあったんですけど、ギターはまったく弾いていませんでした(笑)。今も弾くより直すほうが好きです。もともと知識がなかったので、ここでやりながら覚えていったのですが、先入観がないのは逆に良かったと思います」

 定評ある沖田式に関しても、確実に継承されているようだ。

「大がかりな修理は、やっぱりネック折れが多いですね。ダボを打っている工房が多いと思いますが、沖田式はそうではなく、突板を何枚か貼り重ねて補強するというやり方です。それは色味のこともあって、塗装がうまいスタッフがいるので、全部はがさずに部分的な塗装で自然につなげられるというのも売りになっていて。耐久性はもちろんですが、仕上がりもきれいなので喜んでもらっています。なので、打痕とかキズ消しの依頼も多いですね」

 来店の際、特に渋谷店に関しては電話予約をするのがベター。見積もりは無料なので、弾き心地やサウンドに関して、あるいはルックス面など気軽に相談できる。

「不具合に気づかずに弾いているお客さんも多くて、特にネックの反りが多いですね。木工製品は調整が絶対に必要なので、何かおかしいなと思ったら点検に出していただければ。あと個人的には、現状は時間との折り合いがありますけど、オリジナルのエレキも作ってみたいですね」

Shop Data

沖田ギター工房

【本店】
〒263-0041
千葉県千葉市稲毛区黒砂台1-2-6
043-241-4855
【渋谷店】
〒150-0011
東京都渋谷区東1-2-23 MA東ビル2F
03-6805-1877
http://ogs.guitars/

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製品情報

OKITA GUITAR / ギター

【問い合わせ】
沖田ギター工房 TEL:043-241-4855 http://ogs.guitars/
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