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  • 15W+15Wの大出力アンプ搭載ですぐに高品位サウンドが楽しめる!

柴﨑洋輔(PENGUIN RESEARCH)が弾くCASIO CT-X5000

CASIO / CT-X5000

カシオのハイグレード・キーボード・シリーズに新たなラインナップ、CT-X5000が登場する。PriviaやCELVIANOシリーズで培った音源開発のノウハウを生かしながら、生楽器からシンセ・サウンドまで多彩で高品位な800音色を内蔵。15W+15Wの大出力アンプを搭載し、外部機器に接続しなくても迫力の重低音による臨場感溢れるサウンドが楽しめる。作曲や編曲に必要な機能も充実しており、ライブから音楽制作まで活躍しそうな1台を、PENGUIN RESEARCHのキーボーディスト柴﨑洋輔氏が試奏。サウンドや機能などのインプレッションを語ってくれた。

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CASIO CT-X5000

CASIO CT-X5000 / 価格:オープンプライス(市場予想価格:55,000円前後)

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【Specifications
●鍵盤数:61鍵 ●音源:AiX音源 ●同時発音数:最大64音(一部音色では最大32音) ●音色数:プリセット800音色/ユーザー100音色 ●端子類:ラインアウト(R、L/MONO)、ヘッドホン、マイク・イン(マイク音量ツマミ付き)、オーディオ・イン、ペダル1、ペダル2/エクスプレッション、USBメモリー、USB ●外形寸法:948(W)×384(D)×116(H)mm ●重量:7.0kg
※4月13日(金)発売予定 / 価格:オープンプライス(市場予想価格:55,000円前後)
※同シリーズのCT-X3000も4月13日(金)発売予定 / 価格:オープンプライス(市場予想価格:33,000円前後)

柴﨑が注目したCT-X5000の魅力

創造性に溢れる音色とオールマイティな鍵盤タッチ

 CT-X5000の心臓部には新開発のAiX音源を採用。繊細なアコースティック楽器から音色変化に富んだ最新のエレクトリック・サウンドまで、創造性に溢れる800種類のサウンドをプリセットしている。鍵盤はレイヤーやスプリットにも対応。

柴﨑 音色は実践的で、バンドでも使えそうなサウンドがそろっていますね。ピアノでは豊かな響きの[001 StagePno]は好きな音です。[003 BrtPiano]は高音が抜けてくるサウンドなので、ロック・バンドでも使えそうです。鍵盤はグランド・ピアノのタッチというわけではないんですが、ピアノの音色を弾いても違和感は全く感じません。ベロシティの感度も自分に合っていて弾きやすいですね。オルガン系の音色もバラエティが豊富です。特に[099 AmpOrg1]はパワフルで、ロック系の音楽にも映えると思います。オルガンの場合は鍵盤が重いと弾きづらいんですが、この鍵盤はグリッサンドでも抵抗感なくて弾きやすいんですよ。ピアノもオルガンも両方弾きやすい鍵盤というのはなかなかないです。ストリングスなど生楽器系の音色の弾き心地も良いですね。

多彩な演奏表現を可能にするモジュレーション・ボタン

 ピッチ・ベンド・ホイールの上にはモジュレーション・ボタンが装備されている。ボタンを押すことによって、ビブラートなどのモジュレーションをかけることができるほか、設定によってエフェクトのかかり具合を変えることができる。またサウンドに余韻を加えるサステイン・ボタンやポルタメント効果を与えるボタンも用意されている。

柴﨑 このボタンはすごく気に入りました。ホイール型でモジュレーションをかけるためには上に押し上げ、止めるためにはまた戻すという動作が必要ですよね。しかもライブで熱量が上がっていると、かけ過ぎてしまうこともある。でもボタンだとその動作が簡単だし、確実にほしい効果が得られますね。ボタンの位置もピッチ・ベンドに近くて操作しやすいです。エフェクトのオン/オフもボタン1つで行えるので、例えばボタンを押している間だけオルガンのロータリー・エフェクトをかけるといった設定にすることも可能です。ボタン1つでかなり表現力が広がりそうですね。

機能的に整理されたパネル・レイアウト

 CT-X5000のさまざまな設定はレジストレーションとして登録しておき、ボタン操作で呼び出すことができる。登録できる項目は、音色の選択のほか、レイヤーやスプリットの設定、エフェクト、トランスポーズ、モジュレーション・ボタンやサステイン・ボタン、ポルタメント・ボタンの設定など多岐にわたる。8個のボタン×16バンク分の登録が可能だ。

柴﨑 ボタンがたくさんあるので一見複雑そうですけど、機能的に整理されて配置されていて操作性は良いと思います。頻繁に使いたい機能がボタンとして表に出ているので、逆に使いやすいんじゃないでしょうか。レジストレーションの機能はライブで重宝しそうです。一瞬にしてサウンドや設定を切り換えられるので便利です。8個×16バンク分あるので、1曲分を1バンクにまとめておけば1ステージ全部をまかなえそうですね。こうしたレジストレーションや録音したフレーズをループ再生するフレーズ・パッドなど、演奏に直結するボタンは中央のディスプレイ下にレイアウトされているので、ライブでも迷うことはないでしょう。

Shibazaki’s total impression
楽器自体が鳴っているようなナチュラルなサウンドが大きな魅力

 僕はこれまでスピーカーが搭載されているキーボードを弾いたことはあまりなかったんですが、弾いた音がナチュラルにスピーカーから鳴ってくれるのには驚きました。アコースティックのピアノのように、楽器自体が鳴っているという印象なのが大きな魅力です。弾いていてとても気持ちが良いので、ついついずっと弾き続けてしまいそうですね。いろいろな配線をしなくても音が出せるし、外にも持ち出しやすい。電源を入れてすぐに音が鳴るというのはやはりいいですね。ボリュームを上げるとかなりの迫力なので、ステージ上でのモニター・スピーカーとしても十分に使えそうです。モニターの音を手元で調整できるのも嬉しいですね。
 僕は普段曲のスケッチをするときにはパソコンを使うことが多いんですが、パソコンを起動してソフトを立ち上げてというプロセスが必要なので、けっこう時間がかかるんですよね。でもこのCT-X5000ならばすぐに作業が始められます。MIDIレコーダーや自動伴奏といったツールも用意されているので、パッと閃いたことをすぐに形にして残すことができますよね。鍵盤で弾いた演奏を細かくエディットできたり、リズムを自分で作ったり編集したりできるので、操作を覚えてしまえばかなりのクオリティまで持って行けそうです。
 あらかじめ録音しておいた短いフレーズをループ再生してくれるフレーズ・パッドはライブで重宝しそうですね。手では弾けないようなフレーズを流しておいて別のフレーズを弾くといった、トリッキーなプレイができそうです。
 これだけの機能が詰まっていて約7kgですから、気軽に持ち運べますよね。しかもスピーカーまで搭載されているわけですから、ストリートでも活躍しそうです。マイク入力もあるし、オーディオ・ファイルの再生にも対応しているので、バッキングのオケを流しながら弾き語りをするといったこともこれ1台でできてしまいます。

キーボード・マガジン 2018年4月号 SPRING 発売中!

 本記事は、リットーミュージック刊『キーボード・マガジン 2018年4月号 SPRING』の特集記事を転載したものです。
 通巻400号記念となる今号のキーボード・マガジン特集は、“キーボードのこれから”。現在のシーンの真ん中で創作を続けるミュージシャンたちに、彼らが実際に体感している変化についてさまざまな角度から聞いています。また、本誌がともに歩んだキーボードと音楽の歴史を総括しました。そして付録CDにはキーボーディストが制作する400号記念ジングルも収録していますので、ぜひ記事で併せてお楽しみください!

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製品情報

CASIO / CT-X5000

価格:オープン

【スペック】
●鍵盤数:61鍵 ●音源:AiX音源 ●同時発音数:最大64音(一部音色では最大32音) ●音色数:プリセット800音色/ユーザー100音色 ●端子類:ラインアウト(R、L/MONO)、ヘッドホン、マイク・イン(マイク音量ツマミ付き)、オーディオ・イン、ペダル1、ペダル2/エクスプレッション、USBメモリー、USB ●外形寸法:948(W)×384(D)×116(H)mm ●重量:7.0kg
【問い合わせ】
カシオ計算機 お客様相談室 TEL:03-5334-4909 https://casio.jp/emi/products/ctx5000/
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プロフィール

柴﨑洋輔
2015年に結成された5人組バンド、PENGUIN RESEARCHのキーボーディスト。6歳のころからエレクトーンを始め、高校卒業後にさまざまなライブ・サポート、レコーディングに参加し、キーボーディストとしての活動を開始した。2018年1月には最新EP「近日公開第二章」をリリース。佐香智久のカバー・ミニアルバム『キミの耳にラブソングを』(3月21日発売予定)には編曲として参加している。

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