Bacchus 30周年記念スプリングキャンペーン
- 2024/03/22
E-Ⅱ / CR-5 MS
E-Ⅱは日米共同プロデュースでESP USAが企画、開発を行ない、日本で製作されているESPのブランドですが、そのE-Ⅱからブランド初となるマルチ・スケールを採用したベースが日本限定でリリースされました。
ベーシストの間でも徐々に浸透しつつあるマルチ・スケールの最大のメリットは、低音弦側を長く、高音弦側を短いスケールにすることで、弦ごとにバラつきがちな弦のテンション感を揃えられることにあります。特にロー・ダウン・チューニングでも低音弦のテンションを維持しハリのある低音が得られるので、近年特にヘヴィ&ラウド系のベーシストの間でニーズが高まっていますね。
CR-5 MSは新たにデザインされたオリジナル・シェイプを採用しており、マルチ・スケールとのデザイン・マッチングも良く、近未来感のある洗練されたデザインに仕上げられています。ボディはトップに杢目の美しいハワイアン・コア、バックに軽量なスワンプ・アッシュを採用しており、持ってみると軽量で楽器全体の重量バランスが良く、ボディは自然に体にフィットし、デザイン性だけでなく演奏性も重視されていることがよくわかります。ネックはハード・メイプル、指板はパーフェロー(ボリビアン・ローズウッド)で、ネック・シェイプは低音弦側が太く、高音弦側が細い非対称のシェイプに仕上げられていて、マルチ・スケールのベースを演奏する際のフォームに最適なシェイプだと感じました。指板の最終フレットからボディにかけてはスロープ状に仕上げられておりスラップでも違和感がなく、テクニカルなプレイにも的確に対応できるでしょう。厚みのあるヘッドは剛性感がありサステインや音色にも良い影響を与えていそうです。CR-5 MSは低音弦側が36インチ、高音弦側が33インチとなっていますが、低音弦のロー・ポジションが遠いとは感じませんし、高音弦のハイ・ポジションも狭すぎず、全ポジションに渡ってバランスの良いスケール感です。
ピックアップはEMG45J、プリアンプはESPのシナモンを搭載しており、とてもロー・ノイズでクリアなサウンドです。レギュラー・スケールよりも長い低音弦の、ストレートでダブつかない低音の特徴が存分に発揮されています。癖がないサウンドですが無色透明ではなく、トーン・ウッドを採用したボディと卓越した製作技術の上に成り立つ楽器本来の鳴りも生かされており、高音弦でメロディを弾いても有機的な音色が楽しめます。EQの効きも自然で幅広く、アンサンブル内でも使い勝手が良さそうです。
CR-5 MSは音色、演奏性、デザイン、どれをとってもマルチ・スケールのメリットが最大限に生かされた楽器でした。ですが、それ以上に純粋に楽器としてのクオリティが高いこともハッキリと明記しておきましょう。ヘヴィ&ラウド系のベーシストだけでなく、幅広いジャンルのベーシストにオススメできる、21世紀のリアルな今を具現化している楽器だと感じました。日本製ならではのクオリティの高さとこの仕様にして、手ごろな価格に抑えられているのも嬉しいですね。
価格:¥330,000 (税別)