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  • 「プロのペダルボー道」第18回

ミヤ(MUCC)のペダルボー道

  • 制作:デジマート 文:村上孝之 写真:星野 俊(アーティスト写真を除く) 図版作成:辻井 知

プロ・ギタリストのエフェクター・ボードをフィーチャーしていく連載「プロのペダルボー道」。今回はロックバンドMUCCのキャリア初のプレイヤー・ブック発売を記念し、ギタリスト・ミヤ氏のペダル・ボードを紹介する。

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L字型に置かれた足下のエフェクト・ボード

2017.12.27 “20TH ANNIVERSARY MUCC 祭「えん7 FINAL」in 武道館” リハ時

 足下のエフェクト・ボードは使用エフェクターを2台に分けてL字型に置いていることがポイント。メイン
のボードを客席から見て横向きに置いていることも特色と言える。

メイン・ボード(大)

(1) FREE THE TONE JB-82S (シグナル・ジャンクション・ボックス)/(2) FREE THE TONE ARC-3 (オーディオ・ルーティング・コントローラー)/(3) EARTHQUAKER DEVICES Organizer(ポリフォニック・オルガン・エミュレーター)/(4) BOSS DM-3(アナログ・ディレイ)/(5) BOSS PS-3(ピッチシフター/ディレイ)/(6) GUYATONE FL-2(フランジャー)/(7) JHS The VCR(ヴォリューム、コーラス、リバーブ)/(8) JHS Muffuletta(ディストーション/ファズ)/(9) JHS Colour Box(コンソール・シミュレーター)/(10) EARTHQUAKER DEVICES Disaster Transport(モジュレーション・ディレイ)/(11) BOSS CE-1(コーラス)/(12) FREE THE TONE PT-2 (パワー・サプライ)/(13) FREE THE TONE PT-1D (パワー・サプライ)/(14) EARTHQUAKER DEVICES Rainbow Machine (ピッチシフター)/(15) DIGITECH Whammy Pedal(ワーミー・ペダル)/(16) MORLEY Bad Horsie (ワウ・ペダル)/(17) SONIC RESEARCH ST-200 (チューナー)

メイン・ボード(小)

(18) TC ELECTRONIC Nova Reverb (デジタル・リバーブ)/(19) BOSS TE-2 (テラ・エコー)/(20) BOSS DM-2W (ディレイ)/(21) EARTHQUAKER DEVICES Disaster Transport SR(モジュレーション・ディレイ&リバーブ)/(22) MXR M108 10Band EQ (グラフィック・イコライザー)/(23) MASF PEDALS Raptio (グリッチ/ホールド・ペダル)/(24) BOSS PS-5 (スーパーシフター)/(25) JHS Red Remote (トグル・スイッチ/ Divided by 13 のスプリング・リバーブON/OFF 用)/(26) NOAH'SARK AC/DC-1 (パワー・サプライ)

 コンパクト・エフェクターはJHS PedalsEarthQuaker DevicesBOSSが多いことが興味深い。

 「JHSは、的を得た機種が多い印象がありますね。コンソール・ボードのヘッドアンプで音を歪ませるという手法がエフェクターでできるColour Box(9)とか、歴代のビッグマフが全部入っているJHS Muffuletta(8)とか。そういう視点の面白さと音の良さを兼ね備えているところがいいなと思う。EarthQuaker DeviceはDisasterTransport(10)というモジュレーション・ディレイが、とにかく最強のお気に入りなんですよ。これでクリーンを弾けば、もう絶対に間違いない(笑)。BOSSは、アナログ・ディレイ以外は飛び道具です。右のボードに入っているTera Echo TE-2(19)も、技(waza)のDM-2W(20)もダブ用です。あとは、1970 年代のCE-1(11)。これは、絶対にはずせないですね。CE-1をシミュレートしたモデルとかもあるけど同じ音は出ないんですよ。だから、ずっと(実機の)CE-1を使っています。L字型の小さいほうのボード内にはリアルタイムでギターの音をダブリングするためのボードで、TC ELECTRONIC Nova Reverb(18)とかが入っています。ダブ用のTE-2(19)とかDM-2W(20)も、こっちのボードですね。」

 ミヤの使用エフェクターはすべて自己チョイスで、テクニシャンに薦められたものを無思慮に使ったりすることはないそうだ。

エフェクト・ラック上に置かれたボード

(27) FREE THE TONE JB-21(シグナル・ジャンクション・ボックス)/(28) FREE THE TONE ARC-3(オーディオ・ルーティング・コントローラー)/(29) FREE THE TONE ARC-53M(オーディオ・ルーティング・コントローラー)/(30) Leqtique ProVoost(ブースター)/(31) VEMURAM Jan Ray (オーバードライブ)/(32) EARTHQUAKER DEVICES The Warden(オプティカル・コンプレッサー)/(33) VEMURAM Rage e(オーバードライブ)/(34) JHS Charlie Brown V4(オーバードライブ)/(35) JHS The VCR (ボリューム、コーラス、リバーブ)/(36) SONIC RESEARCH ST-200 (チューナー)/(37) KORG Pitchblack Custom(チューナー)/(38) FREE THE TONE PT-1D(パワー・サプライ)

 エフェクト・ラック上に置かれたボードは、ライブ時にクリーン・トーンで使用しているDividedby 13用のもの。オプティカル・コンプレッサーEarthQuaker Devices The Warden(32)、オーバードライブはクランチ・トーン用のVEMRAM Rage e(33)、JanRay(31)、JHS Charlie Brown V4(34)、コーラス/リバーブJHS The VCR(35)などをセット。数台のオーバードライブを使い分けているのはトーン・ニュアンスにこだわりを持つミヤならではと言える。

エフェクト・ラック内

(39) SHURE UR4D+ (ワイヤレス・レシーバー)/(40) ONE CONTROL A/B Box (A/B ボックス)/(41) FURMAN PL-PLUS DMC J (パワー・コンディショナー)/(42) DRAWMER Dual Gate DS201 (ノイズ・ゲート)/(43) BOSS SE-70 (マルチ・エフェクター)/(44) BOSS PRO SE-70 (マルチ・エフェクター)/(45) YAMAHA SPX990 (マルチ・エフェクター)/(46) FREE THE TONE ARC-53M(オーディオ・ルーティング・コントローラー)/(47) FREE THE TONE Flight Time FT-1Y (デジタル・ディレイ)/(48) BOSS OC-3 (スーパー・オクターバー)/(49) KEMPER RACK(プロファイリング・アンプ・シミュレーター)/(50) OLD NEVE 3415X (マイク・プリアンプ)/(51) KEMPER HEAD WHITE (プロファイリング・アンプ・シミュレーター)

 エフェクト・ラック内ではKemper Profiling Amplifier(49)が最大のポイント。現在のミヤはライブ時のドライブ・トーンはKemperを使用していて、彼が所有しているメサ・ブギーのプロファイリング・サウンドを使っている。ほかにはマルチエフェクターBOSS SE70(43、44)/YAMAHA SPX900(45)、Kemperの音を増幅してPAに送るマイク・プリアンプOLD NEVE 3415X(50)などが収納されている。

 ラック内のボードにセットされているのはオクターバーBOSS OC-3(48)、デジタル・ディレイFREE THE TONE FT-1Y(47)など。

 1Uラックにはワイヤレス・レシーバーSHURE UR4D+(49)があり、その手前にONE CONTROL A/B Box(40)を配置。サブのKemper Profiling Amplifier(51)もスタンバイされている。

1Uラックの上に設置されたワイヤレス・レシーバーの手前に設置されたONE CONTROL A/B Box

ミヤ's SYSTEM接続図

システム図

メンバー個々にスポットを当てた
MUCC初のプレイヤー・ブック登場!

 フォーク、ロック、ヘヴィネス、エレクトロ......など、さまざまな要素を自身の音楽性に取り込んで進化してきた4人組ロックバンド、MUCCの初となるプレイヤーズ・ブックが発売!

 パーソナル・コーナーでは、メンバー個々が、自身のパートや楽器、演奏について語り尽くし、所有する楽器はほぼ全網羅で紹介しています。

 さらに『ギター・マガジン』、『ベース・マガジン』、『リズム&ドラム・マガジン』の過去インタビュー、「ハイデ」のバンドスコアなど、彼らのプレイヤーとしてのこだわり、バンド・サウンドの魅力が凝縮された、ファン必携の一冊です。

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プロフィール

ミヤ(MUCC)
ロック・バンド、MUCCのギタリスト。逹瑯(vo)、ミヤを中心に97年に結成。歌謡調のメロディやヘヴィなサウンドを混ぜた独自のサウンドで国内はもちろん海外でも大きな人気を得る。近年はシンセを取り入れた斬新な音世界にも足を踏み入れ、常に新しい音を求めている。ヘヴィなサウンドからエフェクトによる百花繚乱の音色を生み出すミヤのプレイはもはやバンドの軸だ。

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