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スピーカー探しの旅、名古屋編 Vol.2「やっぱ200万円超えは凄えっす!」

オーディオ機器

名演こそ最高の音で聴きたい!そんなギタリストのためにスタートしたオーディオ機器を調査しまくる本企画。前回は350万円のスーパー神クラスから、15万円のお手頃モデルまで3台を聴き比べたが、今回もまた3台のスピーカーを試してみた。善し悪し以前に、音のキャラクターがまったく違うことに部員たちも思わず驚愕。TAKUちゃんのお財布の運命やいかに!?

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〜 前回までのあらすじ 〜

 名古屋に向かったオーディオ部一行を待ち受けていたのは、めっちゃ良い音のするいろんなスピーカーたちだった! 人生最高レベルの超高音質に打ちのめされ、すでに気絶寸前の部員たち。しかし無情にも、さらなる良音の波が襲いかかろうとしていた……。

▲ 前回の模様はこちらでチェック!

前回聴いたものとはキャラが全然違う!
げに奥深き、スピーカーの世界よ……。

↓ このレコードで試し聴き!

前回に引き続き試聴用の曲は、日本ジャズ・ギターの父=角田孝の名演。TAKUちゃんの持っているオムニバス『Jazz Guitar Forms』に収録されています。ようすけさんが手にするのは、名セッションマン=潮先郁男(g)のいぶし銀なプレイが光る、平岡精二『ザ・キング・オブ・ヴァイブ』

オーディオ界で話題沸騰、ヤマハの新作を聴く!

ようすけ管理人 では今回はこれから(ゴソゴソ……)。はい、ヤマハのNS-5000です。

ズズズズ……。若手スタッフがふたりがかりでデカいスピーカーを運んでくれます。腰痛めないでね~

YAMAHA NS-5000

どん! TAKUちゃんが気になっていた、ヤマハの最新モデルNS-5000。お値段はペアで150万円也

OTAI AUDIO商品ページ

TAKU ヤマハのNS-10MやNS-100、NS-1000Mとかはよく名前を聞くから親しみがあるけど、NS-5000はどんな感じなのか、聴いてみたいです。

── どんなスピーカーなんでしょう?

ようすけ管理人 TAKUさんも言っていたように、オーディオの世界ではヤマハNS-1000Mというのが定番モデルとしてあるんです。発売当時は放送局やレコーディング・スタジオにもたくさん導入されていて、今でも愛好者が非常に多い名器ですね。特に高音の伸びが素晴らしく今でもバリバリ現役なんですが、そんな中で登場したのがこのNS-5000という新しいモデル。基本的にはNS-1000Mの良さを継承しながら、すべてにおいてグレードアップしています。

TAKU 大きさは NS-1000Mとほぼ一緒に見えますね。

ようすけ管理人 ほとんど一緒です。これが相当な話題を呼びまして、大ヒットしてるんですよ。

TAKU 見た目も大分リッチになってる。

ようすけ管理人 ですね(笑)。

── TAKUさんもNS-1000Mはスタジオなどでお馴染みなんですか?

TAKU はい。めちゃくちゃオーディオ・マニアの友達の家にもあったんで音はよく聴いてます。

ようすけ管理人 では、いってみましょう(音楽スタート)。

毎度恒例、ようすけさんの解説コーナー。あれ? TAKUちゃん、まさかですけど眠たくなってません?

レコードをクリーンな状態にして、音楽スタート! 角田さんの名演は何度聴いても飽きないねえ





ええわ〜

急に目が覚めたTAKUちゃんのこの表情。今まで馴染みだったヤマハの音とは一線を画します

── うん、素晴らしい音です。

ようすけ管理人 でもやっぱり、前回聴いたB&Wとは違いますよね?

TAKU 高音の印象は全然違います。定位も全然違うし。

ようすけ管理人 B&Wは車に例えたらF1なんです。でもF1でコンビニ行ったりするのは、ちょっと違うじゃないですか。

TAKU 確かに(笑)。

ようすけ管理人 細かいセッティングもいるし、コストもかかるし。やはり超贅沢品なんですよ。その点、NS-5000はクラウンの本当に良いグレードのやつというか。

TAKU うん、そうですね。コンビニ行けますね。

── NS-1000Mと比べてどうでしょう?

TAKU 特徴的な部分はしっかり継承されてますね。

ようすけ管理人 そうですね。実は開発に8年かかっていて、それくらいNS-1000Mの後継というプレッシャーが大きかったんだと思います。

TAKU 音も素直だし、良い感じです。

190万円+55万円で角田のL-4が鳴り響く!

ようすけ管理人 では、次いきましょうか。TANNOY(タンノイ)っていうブランドで、ひょっとしたら名前は聞いたことがあるかもしれません。創業93年目くらいの由緒正しきブランドです。

TAKU そんなになるんですね。

再びズズズズ……。部屋に入ったときからずっと気になっていた“高級家具レベル”のスピーカーが登場

■ TANNOY KENSINGTON GR

ズガーン! 英国で93年の歴史を持つTANNOY(タンノイ)最高級モデル。見た目がもうヤバい。190万円也

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── 見た目も格調高いっす。

ようすけ管理人 これはTANNOYの中でもGRシリーズ、ゴールデン・リファレンスの略なんですけど、もう絶対にはずせないというモデルです。フロント・パネルの王冠のマークが最高級の証ですね。僕は実際に工場へ行ったこともあるんですけど、めちゃくちゃ丁寧に作ってるんですよ。もうバカかっていうくらい丁寧に作ってる。しかも最終段階では、周波数別にすべてボリューム・チェックをして、やっと出荷されるというほどの手間のかけようでして。

── おいくら万円なんでしょう?

ようすけ管理人 ペアで190万ですね。特徴的なのがTANNOYの代名詞でもある“同軸2way”という構造です。要はウーハーとツイーターが同じ位置に真ん中に付いてるということなんですけどね。

TAKU ウーハーとツイーターが同軸だから、両方の位相がしっかり合うっていうこと?

ようすけ管理人 はい。低域と高域の出る場所が一緒なので、定位感のレベルが全然違うんです。だったらほかのメーカーも全部同軸にすればいいじゃんっていう話なんだけど、構造的な弱点として、ツイーターで高域がピシッと鳴った時にウーハーに影響が出ちゃうんです。利点だけではないんですね。ただ、TANNOYの場合は高域と低域を分ける技術がかなり進んでいるんですよ。

── 同軸の構造でも、両者が干渉しないようになっていると。

ようすけ管理人 はい。TANNOYは小説(「タンノイのエジンバラ」)に登場したり、大英辞典も載っていたり、コーラと言えばコカ・コーラっていうくらいイギリスでは浸透しているんです。

TAKU イギリスでは超有名なんですね。

── 上に乗っかってるのは何ですか?

頭にちょこんと乗ってるこのちっこいのは超高域を担うオプションのツイーター。これだけで55万円だって!

ようすけ管理人 これは後付けのツイーターで、ペアで55万円です。聴こえるか聴こえんかっていうぐらいの帯域を足すことができるんです。高音というか、もはや空気ですよね。

TAKU 10kHz以上くらい?

ようすけ管理人 くらいです。牛丼で言うと紅生姜みたいな……それよりももっと薄いかな。もう本当に隠し味くらいの感じで。

TAKU もともと、ツイーターはあるわけですもんね。

ようすけ管理人 それよりもさらに高域なので、もう気配とか、そういうレベルですね(笑)。そんなんに50万以上も払っていいのかっていう。

TAKU コンビニの前のモスキート音的な。

ようすけ管理人 そうそう、それそれ。でも、付けるともう全然違うんです。

── 両方セットで買うのが定番なんですか?

ようすけ管理人 一緒に買う人はやっぱり少ないです。そんなんで変わるのか?って思いますからね。だからまずスピーカーだけを買ってもらって、音色を熟知してもらってから、あとでご自宅に持ち込んで視聴したりします。それで“こんな風なんです。じゃあ失礼します”って持って帰ろうとすると、“ちょっとちょっと! 待って! 置いてって”みたいな展開になったりとか(笑)。

── はははは(笑)。わかるかも。

TAKU “聴いちゃうとアカン”シリーズですよね(笑)。

ようすけ管理人 そうそう。

TAKU 僕もビンテージ・ギター屋とか近づかんようにしてますもん。って言いながら、こないだマグナトーンのアンプが魅力的すぎてついつい買ってしまった……。

ようすけ管理人 というわけで、いってみますか(音をかける)。

── おお~。

鳴らした瞬間、部屋の空気が一変!何と優雅な音色よ……。TAKUちゃんも思わずとろけてます

TAKU ライド・シンバルの高域とか、ブラシのヘッドの擦れるような音とか、臨場感が凄い。ギターも良く鳴ってますね。中域が特に気持ちいいです。

注目の後付けツイーターをチェック。あるとないとでは本当に音が違いました。一度聴いたらはずせないかも

── 今までのとキャラが全っ然違いますね。木の温もり感があって、ジャズ・ギターを聴くなら、僕はこれが一番好きです。

ようすけ管理人 うっすらお気づきかもしれないんですけどスピーカーって解像度が高ければ良いっていうものでもないんですよ。このモデルも木の温かみなどが加わることで原音にちょっと個性がついてるんですけど、TAKUさんのようなプロのレコーディング現場のモニターとはまた別の世界で、聴いている人が気持ちよければそれで良しというか。こういうものを“解像度が低くいし、音も柔らかくなり過ぎててダメでしょ”と言う人もいれば、“解像度が高すぎるやつは聴いていて疲れる”という人もいるわけで、ある意味オーディオ的な考え方ではありますね。

ようすけさんの解説コーナー。工場にも行ったみたいでアツく語ってます。何か不思議な立ち方になってるし

TAKU なるほど。とにかくジャズ・ギターへの相性は抜群ですよね。

ようすけ管理人 気持ちよく鳴ってましたね。うん。

TAKU ちなみにギター・アンプって、4kHzくらいまでしか出ないらしいんですよ。

ようすけ管理人 へ~そうなんですか。

TAKU 僕もいろいろ実験してみたことあるんですけど、アナライザーとかを使っても4k以上はホンマに出ないですね。でも、このスピーカーでこれだけ中域がクッと出てると、箱モノ・ギターのパコパコーっていう鳴りとか、ピッキングのアタック感が凄く出るなって思いました。

── 角田さんの愛器ギブソンL-4とすごく相性が良かったです。あと、オプションのツイーターがあるとなしとでは、全然音が違いますね。

ようすけ管理人 クラシカル方向のスピーカーではありますから、やっぱりその時代の音がしますよね。B.B.キングか誰かが“その時代の音楽にはその時代の楽器が合う”みたいなことを言ってましたけど、確かにそうなのかもしれない。

── 少なくとも、ブルーノ・マーズとかを聴くスピーカーじゃないですね。

TAKU これでは聴きたくないなあ(笑)。

ディスクユニオンが手がけるビギナーにもぴったりの良音

ようすけ管理人 じゃあ恒例の安価なやつも紹介しましょうか。よっこいしょっと。

はい通ります~。モンスター・クラスのあとは、現実的に手に入れられそうな価格のものを聴いてみるよ

── なんか出てきた!

■ ZU OMEN BOOKSHELF MKII WN

シャキーン。ディスクユニオンが手がけるZUというブランド。ペアで25万200円なり。見た目もカッコいい

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ようすけ管理人 これはZUといって、ディスクユニオン直輸入のブランドなんです。ディスクユニオン御茶ノ水店に生島さんという名物店長がいまして、彼はすごくジャズに詳しいんですけど、一度レコードの視聴会をしたんですね。その時に持って来たのがこれで、すごくライトに聴けるし良いなと。若い人に対して安心してオススメできるものだと思います。原音の忠実性は置いておいて、気持ちよく鳴らしたい人にはとても良いでしょうね。聴いてみましょう(音楽スタート)。

TAKU ちょっと音が派手なのかな? いや、地味なのか?

── これも温かい雰囲気があって、気持ちいいですね。同じような価格帯でも前回のB&Wのキレキレな感じとは全然違います。

TAKU こもってるような抜けが良いような、不思議な感じですね。丸いけど、ちょっとドンシャリっぽくもある……?

ようすけ管理人 そうですね。温かいけど、アグレッシブなダイレクト感があります。これはペアで30万くらいなんですけど、B&Wみたいに緻密なセッティングをしなくても、部屋にドカンと置いてポンと鳴らしても良い感じになると思いますよ。

TAKU 見た目もいいですしね。

── 僕みたいに知識のない素人が手っ取り早く良い音を楽しみたいなら、これが合ってるかもしれませんね。

ようすけ管理人 B&Wは定位がズレると“ズレてますよ”っていうことを正確に伝えてくれるのでね。

TAKU なるほど。セッティングがシビアなんだ。

ようすけ管理人 “ちゃんと鳴らしてくれ”っていう主張が強いんです(笑)。

“おお~~” 予想通り、めっちゃ良いっす。特に今回みたいなジャズ・ギターだったら、激オススメかも

── セッティングが必要となると、敷居が高く感じちゃいます。

ようすけ管理人 といっても、コンクリート・ブロックをホームセンターで買ってきて、上にゴムを敷いて、リスニング・ポイントを決めて距離を測るっていうだけで、もう全然違いますよ。ほかの要素もありますけど、やっぱりスピーカーが一番大事で、スピーカーがダメだったらすべてがダメになりますから。ちなみに“お店で聴くと音が良い”という風に皆さん誤解しているんですけど、実はそうじゃないんです。これだけまわりにスピーカーが置いてあるので、共振しちゃうんですよ。お客さんの自宅のほうが全然良い音だっていうことが数えきれないくらいありました。半分以上そうじゃないかな? スピーカーがこれだけ置いてあるから音が混じっちゃうんですよ

TAKU 反射もしますしね。

ようすけ管理人 ですね。だから“オーディオ・ショップで聴くと良い音に思えるから”と言われるんですけど、そんなことなくて。あまりよくないこともたくさんありますから(笑)。

── 素朴な疑問なんですが、スピーカーを置くときに角度はつけたほうがいいんですか?

ようすけ管理人 それはスピーカーの指向性によりますね。さっきのZUだったら平行で良いだろうし、B&Wは距離を計ってビシッと合わせたほうがいいし。

── マーシャルとJCでは向きを変えたくなるのと一緒ですかね。僕は常々、ギター周辺機材とオーディオの親和性の高さを常々感じていて。やっぱりギタリストってほかの楽器弾きと比べても、パーツの組み合わせやアンプの構造なんかに一番うるさい人種だと思うんですよ。

TAKU 確かに16歳の子が歪みペダルを試して“こっちのほうがちょっとチューブっぽいかな~?”みたいに語るのが普通の世界だからね(笑)。だから、こういうスピーカーの世界もすごくおもしろがれると思います。

ようすけ管理人 実際、どんなスピーカーでもみなさん10年間くらいは同じもので聴き続けると思うんですよ。

TAKU そう考えると、やっぱり良いものを真剣に選びたいなって思います。ではまた次回!

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 本記事は、リットーミュージック刊『ギター・マガジン 2018年7月号』の特集記事を転載したものです。本号の表紙巻頭は全106ページに渡るダンス・グルーヴ・ギター大特集! チャカ・カーン、ドナ・サマー、マイケル・ジャクソンら、ディスコ・ギターを彩ったカッティング職人たちの物語を、ぜひ手にとってチェックしてください!

SHOP DATA

OTAI AUDIO/OTAIRECORD
〒481-0032 愛知県北名古屋市弥勒寺西1丁目127番地
TEL 0568-21-2700
Web https://www.otaiweb.com/audio.htm

はるばる来ました、名古屋の名店OTAI AUDIO! 記念にパシャリ。2階はOTAIRECORDっていうDJ機器のショップだよ

広い店内の一部。通販も充実してるんで、OTAI AUDIOのサイトも見てみてね~

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