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- 2024/03/22
ギター・マガジン2018年9月号では、キューバをはじめとしたトロピカル・スウィンギンなギター・ミュージックを深掘りしました。キューバと言えば、やっぱりこれ! そう“葉巻”です。歴代のトロピカル・ギタリストたちも、ライブやレコーディングの合間に楽しんでいたことでしょう。ぜひとも味わってみたい……というわけで、今回は都内屈指のシガー・ショップ、La Casa Del Habano by Cigar Clubの店主・小林裕崇さんにお願いして、キューバの音楽に合う葉巻を教えてもらいました!
コイーバ マデューロ 5・セクレトス
2,300円(1本) 長さ:110mm 太さ:15.87mm
まずはウィルソン・ブリアン「第三の男」に合わせるのは、かのフィデル・カストロが60年代に立ち上げたコイーバの人気モデル。コイーバは世界的な葉巻の聖地キューバにおいても最高級に位置するブランドで、80年代まで一般流通しておらず国賓やVIPのみに提供されていたそう。ひと昔前までは幻の逸品だったのだ。
小林 この曲には、コイーバのマデューロ5・セクレトスを選んでみました。コイーバにはいくつか種類があって、その中のマデューロというラインの5年熟成のものです。葉巻の外側に巻いてある葉っぱを“ラッパー”と呼ぶんですが、マデューロとはその色の種類のことなんですよ。ほかの4本より色が濃いですよね? ラッパーの色というのは葉巻を楽しむひとつの要素でもあって、マデューロを好む方も多いです。味も見た目どおり濃く、甘みも強いんですが、暑い場所にはぴったりだと思いますよ。アクがなく上品でプレミアムな感じですよね。
パンチ コロネーション
1,600円(1本) 長さ:129mm 太さ:16.67mm
楽園感たっぷりのセネン・スアレス「ソイ・カンペシーノ」。この曲には、パンチというブランドの携帯用チューブ(筒状の缶)に入っているものをセレクトしてくれた。チューブの中にはシダー片という杉のごく薄い板が入っており、水分を吸ったり吐いたりして品質を保ってくれるそう。
小林 パンチといって、これもキューバ葉巻の中では人気のブランドですね。すごく甘みがハッキリしているブランドで、コイーバの甘みがハチミツだとしたら、これは黒糖のようなイメージです。ウイスキーやラムがお好きな方には、よくオススメしたりします。トロピカルな雰囲気には合うと思いますよ。このコロネーションは“ペティコロナ”と呼ばれる、少し小さいサイズのもので、チューブと呼ばれる筒状の缶に入って販売さています。私のイメージでは、チューブのものは味もサイズも入門しやすいのかなと思いますね。
グアンタナメラ ミニ・シガリロ
1,500円(20本) 長さ:78mm 太さ:7.6mm
パッケージにギター(5弦?)が描かれているこちらは、キューバの有名曲「グアンタナメラ」をブランド名に冠した一品。ミニ・シガリロと呼ばれる小さいサイズのもので、より気軽に葉巻を楽しめるのが人気だ。フアニート・マルケスの軽快なギター・ソロが始まったら、軽めのお酒と一緒に合わせて気分を盛り上げよう。
小林 リズミカルな感じの曲だったので、グアンタナメラのミニ・シガリロを選びました。カットせずにすぐ吸えるというカジュアルさが人気ですね。クセがなくて吸いやすい味なのと、煙も少ないので、こういうものがキューバ葉巻に入門するきっかけになればうれしいです。ちなみに、葉巻というのは燃焼温度が味に大きく関係してまして、熱くなりすぎると辛く感じてしまうんですよ。こういう小さい葉巻は一気に吸うと温度が上がりすぎてしまうので、優しく吸うのがコツです。モヒートやラム酒のソーダ割りなどに合わせて、気軽に楽しんでみて下さい。
ラモン・アロネス スモール・クラブ・コロナス
1,300(1本) 長さ:110mm 太さ:16.67mm
マヌエル・ガルバンが活動初期に参加していた5人組コーラス・グループ=ロス・サフィーロスの1曲。夕方の海岸沿いやバーでしっとりと聴きたいムードの本曲には、ラモン・アロネスからこちらをチョイス。地域限定品にも選ばれることが多いという、マニア受けする一品とのこと。
小林 一番静かな曲だったのでラモン・アロネスという、けっこう“通好み”のブランドから選びました。これはラモン・アロネスで一番小さいサイズですね。エキゾチックでちょっとスパイシーな香りだから好き嫌いが分かれるんですけど、ハマる人はすごくハマりますよ。小さいけど吸いごたえも満足感があって、男らしい味だと思います。ラモン・アロネスのなかで一番大きい“ジガンテス”というものがあるんですけど、このスモール・クラブ・コロナスは一時期“スモール・ジガンテス”なんてアダ名がつくくらい、小さいけど実力派なんです。
パルタガス セリー・クラブ
1,400円(10本) 長さ:96.5mm 太さ:8.8mm
最後は60年代デスカルガの王様、チューチョ・バルデース(p)と盟友エミリオ・カルロス・モラレスの大名演で締めくくろう。たたみかけるソロ・ワークで踊りまくりたいこちらには、パルタガスというブランドのシガリロをセレクトしてくれた。パルタガスのなかでは比較的新しく登場したというセリー・シリーズの1本だ。
小林 この曲には、パルタガスというブランドのシガリロを合わせました。いわゆる普通の葉巻サイズの“オリジナル”というシリーズに比べると、吸いやすいですね。と言っても、味がすごくハッキリしていて野性味のある男性的な葉巻なんですよ。パッケージのデザインも赤に金で情熱的な感じですしね。よくペッパーやレザーに例えて表現されたりもします。キューバのビールって軽くてスッキリしてて、後味がちょっと甘いんですけど、そういうものに合わせてもいいんじゃないでしょうか。シガリロだから気軽に楽しんでほしいですね。
葉巻ってどう吸うの? ってことで手順を簡単におさらい!
今回はキューバ葉巻の中でも“トロピカル”という言葉から連想して、やや濃くて甘めのものを中心に選びました。気になるものがあったらぜひ試してみて下さい。葉巻と言うと、どうしてもバーのイメージがありますけど、昼間にお茶を飲みながらというのもアリですし、今の時期だったら外でバーベキューをしながら吸うのも美味しいですし、まわりに迷惑がかからない範囲で自由に楽しむものだと思います。当店のメニューにもマテ茶や紅茶がありますしね。また、高価なイメージがあるかもしれませんが、1本2,000円以下でも選択肢がいろいろありますし、30分から1時間くらいは楽しめるので、決してそんな高いものじゃないんです。知識があるなしに関係なく、その日の気分で“今日は吸ってみようかな”とか、そのくらいの感覚で楽しんでもらえたらうれしいですね。
La Casa Del Habano by Cigar Club
〒106-0041 東京都港区麻布台2-3-9
※最寄り駅は大江戸線・赤羽橋、日比谷線神谷
町
TEL:03-3583-7130
http://www.cigarclub.co.jp/
営業時間 11:00~21:00(土曜のみ18時まで/日曜定休)
本記事は、リットーミュージック刊『ギター・マガジン 2018年9月号』の特集記事を転載したものです。今号では、カリブ/南米産のギター・インストを“トロピカル・スウィンギン”と称し、キューバを筆頭に60〜70年代のカリブ/南米で活躍したギタリストたち、プレイ・スタイル、サウンドを大特集。世界中の国々で異なるサウンド/スタイルで表出した“トロピカル・スウィンギン”を、多角的に再検証するスペシャルな内容になっています。ぜひチェックしてみてください!
ギター・マガジン 2018年9月号の特集『トロピカル・スウィンギン! 楽園のギタリストたちVOL.2 キューバ発=>ブラジル行き』の“完全連動コンピレーションCD”が登場! 特集で紹介した未CD化、ネット音源もほとんどない名手たちのプレイを思いきってコンパイル。ウィルソン・ブリアン、セネン・スアレス、フアニート・マルケス、エミリオ・カルロス・モラレス、マヌエル・ガルバンといった、キューバ編に登場する名手たちの曲も収録しているので、本誌と合わせてぜひ楽しんでください。