6種類のプリアンプ・モデルを装備する
簡単操作のミニ・アンプ！

　小型から大型アンプまで、幅広いラインナップを手がけるBlackstarアンプ。特徴的な「ISFコントロール」を備えたそのラインナップは、ジャンルを問わずに幅広いユーザーに受け入れられている。ISFコントロールというのは「従来のアンプのボイシングを一歩前進させた特許取得済みのコントロール」で、このシンプルなツマミを可変させるだけでUKサウンドからUSサウンドへとアンプのキャラクターを自由に変えられ、ベース、ミドル、トレブルといった一般的なEQコントロールに匹敵する幅広いサウンドメイクが可能だ。

　そのBlackstarが研究開発に7年もの歳月をかけたというID:COREシリーズは、コンパクトでありながら豊富なエフェクト類を装備。シンプルで直感的な音作りができる点が魅力だが、気に入ったサウンドをプログラムできるという多様性に富んでいる。今回はID:CORE STEREO 10 V2を紹介しよう。

Blackstar / ID:CORE STEREO 10 V2

　入力段から見てみよう。まずは基本となるボイス・コントロールで、Clean Warm、Clean Bright、Crunch、Super Crunch、OD 1、OD 2という6種類のプリアンプ・モデルから好みのサウンドを選択する。その後ゲインとボリュームを調整し、ISFコントロールで全体の雰囲気を決定。これだけで狙ったサウンドが手に入るだろう。さらにスタジオ・クオリティのエフェクトが3系統用意されており、モジュレーション、ディレイ、リバーブの各系統から選択したエフェクト効果を組みわせて使用することができる（例：エンベロープ・フィルターとアナログ・ディレイ、ホール・リバーブを同時使用）。また、それらの設定を保存することも可能だ。

豊富な端子類と専用ソフトウェアへの対応で
細かいエディットや拡張性にも優れたモデル

　ID:CORE STEREO 10 V2には、ヘッドフォンを使って静かな練習やレコーディングに活用できるスピーカー・エミュレーテッド・アウト端子を装備。エミュレーテッド・アウトはスピーカー・シミュレーションを通過した信号なので、ヘッドフォンでも迫力のあるギターサウンドが楽しめる。MP3などをつなぐライン・インプット端子も装備されているので、ギター単体での練習／演奏はもちろん、外部音源を接続しセッションなども可能だ。さらに、ID:CORE STEREO 10 V2は「ステレオ」の名に恥じない「スーパー・ワイド・ステレオ方式」を採用している。ギター・サウンドはもちろん、MP3／ライン・イン端子に接続した音源も広がりのあるサウンドで再生可能できるのがうれしい。加えて、REC時に活躍するUSB端子も装備。ギターとID:COREを接続し、ID:COREのUSB端子とパソコンを接続するだけで録音準備は終了する。

　Blackstarのホームページから無料でダウンロードできるソフトウェア「Blackstar INSIDER」へアクセスすれば、さらに機能は拡張する。INSIDERソフトウェアとID:COREを連動させれば、ID:CORE STEREO 10 V2の本体だけでは操作できない細かなEQの設定や、エフェクトのエディットと保存も行なえる。さらにオンライン・コミュニティが用意されており、インターネット経由で参加者が作成した自作パッチの共有やアップロードも行なえてしまうのだ。

　小型練習アンプとしてのクオリティはもちろんだが、それ以上の拡張性／機能が用意されているID:CORE STEREO 10 V2は、デスクトップ・アンプ以上の存在感を持った、長く付き合える究極のエントリー・アンプだと言えるだろう。