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- 2024/03/22
IK Multimedia / iRig Stomp I/O
iRig Stomp I/Oは、AmpliTubeなどのソフトウェア/アプリのペダル・ボード・コントローラーとして、4つのフット・スイッチと1つのエクスプレッション・ペダルを備えたオーディオ/MIDIインターフェースだ。MacやPCを接続できるだけでなく、筐体上部にiOS端末を配置するスペースを備え、iPadなどを直接接続することが可能。そうすると、まるで大型ディスプレイを備えたマルチ・エフェクト/システムのようになり、自宅はもちろん、セッションやライブ・レコーディング環境などで使用するためにデザインされていることがわかる。
デザインから製造までがイタリアで行なわれているとのことで、インターフェース自体の美しさやシンプルな設計が心地良い。初めて使う場合でも直感的に操作でき、なおかつ本体も非常に堅牢な作り/デザインで、安心してステージやレコーディングに持ち出せるクオリティが備わっている。AmpliTube(iOS/Mac/PC)やVocaLive(iOS)にシームレスに対応することで、シチュエーションを問わずに安定したサウンドを持ち出すことができるのがポイントだ。Lightning接続したiPhoneやiPadは給電しながらの使用が可能なので、余計なケーブル/アクセサリーも不要(Lightning接続ケーブル、USB接続ケーブルが付属)。
最新のマルチ・エフェクト・アンプ・モデリングと聞くと操作が複雑そうなイメージがあるが、その心配はない。iPhone、iPad、Mac/PC版のAmpliTubeでは、エフェクター/アンプともに実機同様の画面表示で直感的に操作でき、搭載されたエフェクトはすべてアナログ・ペダルの雰囲気を模している。また、ハードで操作する際にもiRig Stomp I/O本体に用意された2つのダイヤルを操作するだけで任意のコントロールが操作可能だ。ソフトウェアに抵抗のある人でもマルチ・エフェクター感覚で使えるのがうれしい。
用意された4つのフット・スイッチは任意のプリセットを呼び出すことはもちろん、ライブ・モードではあらかじめアサイン(選択)したエフェクトをリアルタイムでオン/オフすることもできる。このあたりもアナログ・エフェクター同様に操作が可能ということになる。さらにエクスプレッション・ペダルにワウなどをアサインすることで、リアルタイムに操作できるのもポイント。
使い勝手の良いルーパー機能にも注目したい。4つのループのオーバー・ダビングが可能で、足下でアンドゥ(やり直し)やトラックの設定ができるだけでなく、各ループの音量の調整や、トラックごとに異なる音色で録音できたりと、非常に便利な機能を備えている。ループの長さは最初に録音するループ1によって決定され、その時にメトロノームをオンにするとスタート/ストップのタイミングが拍の頭にそろうので、1小節、2小節、4小節など、自由な長さでループを重ねていくことが可能。
今回はギターでのレビューだったが、ベーシスト、そしてボーカリスト用のエフェクトとしてもぜひ注目してほしい。シンプルなスタンド・アローンMIDIフット・コントローラーとしても使用でき、外部MIDI搭載のエフェクトやレコーダーなどの機器をコントロールすることも可能だ。もちろん、iRig Stomp I/Oと外部エフェクトを同時に使用しても良い結果が得られるだろう。
ギター関連のプラグイン・アプリでは老舗とも言えるIK Multimediaならではの高いサウンド・クオリティをシンプルにコントロールでき、かつ10万円相当のアプリまで提供されながら、本体の価格はその半額以下となる。これからの機材選びにおいて、ぜひそのサウンドと使い勝手をチェックしておいてほしい1台だ。
価格:オープン
村田善行(むらた・よしゆき)
ある時は楽器店に勤務し、またある時は楽器メーカーに勤務している。その傍らデジマートや専門誌にてライター業や製品デモンストレーションを行なう職業不明のファズマニア。国産〜海外製、ビンテージ〜ニュー・モデルを問わず、ギター、エフェクト、アンプに関する圧倒的な知識と経験に基づいた楽器・機材レビューの的確さは当代随一との評価が高い。覆面ネームにて機材の試奏レポ/製品レビュー多数。
【使用機材】
使用ギター:Gibson Custom Shop / Les Paul Standard