Bose S1 Pro+ wireless PA system × 松井祐貴&井草聖二
- 2024/04/25
Blackstar / Unity 30
Blackstarからベース・アンプの新シリーズ「UNITY」がリリースされました。出力やスピーカー・サイズが異なる5種類のコンボ・タイプのアンプとアクティブ・キャビネット1種類の全6種類で、自宅練習から大きなステージまであらゆる環境に対応できるラインナップです。今回紹介するのは、最もコンパクトな「UNITY 30」。Blackstarとしては初めての本格的なベース・アンプとなりますので、その実力はとても気になるところですね。
フロント・グリルの左上にBlackstarのシンボルマークだけが掲げられたシンプルなデザインと、コントロール・パネルをアンプの上部に配置するレイアウトはUNITYシリーズ共通です。UNITY 30はその名の通り30Wの出力で、エミネンス製のカスタム・デザインの8インチ・スピーカー1基を搭載するバスレフ構造のコンボ・アンプ。大きな特徴はクラシック/モダン/オーバードライブの3種類のボイス(アンプ・キャラクター)を切り替えられ、コーラスとコンプのエフェクトを備えている点ですね。コントロール・ノブは左からゲイン、ロー、ミッド、ミッド・フリーケンシー、ハイ、マスターで、その下部にパッド・スイッチ、ボイス切り替えスイッチ、コーラス、コンプの各スイッチが並びます。ミドルだけが周波数可変のセミ・パラメトリック・イコライザーとなっている3バンドEQもUNITYシリーズ共通の仕様です。
ボイスをクラシックにして音を出してみると、往年の大型真空管ベース・アンプのような太さと抜けの良さを併せ持った音色です。ミドルのフリーケンシーは帯域幅が広い(Q値が小さい)のか変化はゆるやかな印象で、3バンドEQは劇的に音色を変化させるよりもアンプのキャラクターを保ったまま補正的に活用するのがオススメ。モダンに切り替えると音色は劇的に変化し、タイトな低域とシャープな高域が特徴の現代的な音色です。3バンドEQの効果はクラシックのときとは印象が異なり、モダンではアグレッシブな音作りが可能になるのがおもしろいですね。オーバードライブではいかにもアンプを歪ませたようなリアルなトーンで、どちらかと言えばクラシック・モード寄りの音色かつ適度な歪み具合なので、アンサンブルでも馴染ませやすく実用性の高い音色だと感じました。どのボイスもキャラクターが明確で音作りの中枢となるでしょう。
次にエフェクトをチェックしてみます。コーラスの設定はオン/オフの切り替えのみですが、効果がハッキリとしていて、音程感を損なうほどでもなく、ほどよい掛かり具合です。コンプはゲインによって効果の深さが変わりますが、総じて音色が若干ソリッドになりつつ明確なコンプ感が得られます。コーラス、コンプとも操作がシンプルなだけに効果もわかりやすく誰でも簡単に扱えるでしょう。
バック・パネルに目を向けてみると、XLRライン・アウト端子や外部入力端子など、自宅練習や宅録環境では不可欠な外部接続機能が充実しています。特に注目なのがキャビ・リンク端子です。ここに先述の増設用アクティブ・キャビネットU250ACTを接続すれば、本機で作った音色をそのまま音量だけを大きくすることができるのです。8インチ・スピーカー単発で30W出力の本機だけでは得られない重低音も手に入れることができるでしょう。まさに自宅から大きなステージまで、さまざまな環境で活用できるベース・アンプと言えますね。
価格:¥34,500 (税別)