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PLBストラップピン meets 中村和彦[9mm Parabellum Bullet]

PLB/ストラップピン

創業以来、約80年に渡って金属加工技術の研鑽を積んできたニッセーが送り出したのは、独自の精密加工技術を生かした“ハズレないストラップピン”。パーフェクト・ロック・ボルト(PLB)と名付けられたそのネジには、工業メーカーならではの精巧な加工技術が施され、あなたの愛器を守ってくれるのだ。今回はバンド・シーンの雄、9mm Parabellum Bulletの一員として、激しいライブ・パフォーマンスとともに唸る低音を轟かせる中村和彦が、この楽器界注目のアイテムをチェックする。

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What is PERFECT LOCK BOLT(PLB)

PLBストラップピン。12月より島村楽器にて独占販売中

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工作機メーカーならではの精密加工技術で
愛器の落下事故を防ぐ画期的なアイテム

 ネジには普通、同じ間隔で1種類の溝が彫られているものだ。だが、このパーフェクト・ロック・ボルトはわけが違う。

 1本のネジに大小2種類の溝を彫るという、工作機メーカーならではの精密加工技術を用いることで、ネジとナットで固定する仕組みのロックピンに発生してしまう、“ナットの緩み”による楽器の落下事故を防いでくれるのだ。右の拡大写真を見てほしい。ネジ山の頂点にさらに小さな溝が見えるだろう。ここがポイントだ!

 それではPLBの仕組みを説明しよう。溝が大きなネジ山(❶)に合う“大きな雌ネジナット()”と、溝が小さなネジ山(❷)に合う“小さな雌ネジナット()”がそれぞれかみ合う。Aはネジ山を回転する速度が速く、Bは遅い。一般的にナットの緩みはネジの付け根から発生するので、ABの順でナットを締結すると、回転の速いAの緩みを、回転の遅いBが止めることになる。そのため、結果的にAの回転をBがブロックすることで、緩まないのだ。

PLBストラップピンを装着した様子。ガッツリと固定されているのがわかるだろう

 これに関して、(株)ニッセーでは今春、国立大学法人東京農工大学大学院の博士号論文を同社社長が執筆。夏には英国ケンブリッジ大学で開かれた国際塑性加工学会で世界に向けて発表も行なった。これだけ画期的なアイディアが、楽器界のアイテムに起用されたことが喜ばしい。

Kazuhiko's Impression

"ネジの緩み"がすべての元凶

 ストラップピンに求めるのは、取りはずしが楽なのと、頑丈でタフであるというところ。あとはベース本体に金属的なものが加わるという、見た目へのちょっとしたこだわりでしょうか。ロック式のピンはずっと、デビューしたときぐらいから使っています。別に意図的に破壊しているわけじゃないんですが(笑)、何年かに一度、壊れてしまうんですよね。その中でも、いろんな壊れ方があるんですよ。例えば、この間のライブ・ツアーのときは、止めているボディ側のボルトが折れちゃったんです。それはもう単純に寿命だったと思うんですが、他には、ネジが緩むことによって、ストラップ自体を掴んでいるナットとワッシャーに隙間ができてしまうときがありますね。そうすると、振り回したときに、一定の方向に、1点に力がかかってしまって、ストラップの穴が広がってブチッと切れてしまうんです。ネジがしっかりと締まってストラップ穴をちゃんと面で押さえつけて圧着している状態だったら、1方向に、1点には力がかからないので問題はないですよね。当然のことですが、ネジが緩むのは良くない。楽器を落としてしまうのは誰もが嫌なことじゃないですか。僕もリハーサルのときでも、どんなときでも、ベースを弾く前はかならずネジを締めるクセがつきましたからね。

橋や鉄塔に用いられる工業用のPLB。異なる溝を回る2つのナットが噛み合って固定される

日本らしい技術力の高さに感激

 このPLBストラップピンを使ってみて思ったのは、特に違和感もなく、普通の感覚で自然に演奏できる、ということ。もともと僕が使っていたものよりも軸の長さが大きかったので、演奏の邪魔になってしまうかと思ったんですが、意外と全然そんなことはなくて。なおかつ、耐久性もあるようですし、これからもライブでたくさん使ってみたくなりましたね。

 溝の種類がふたつあるなど、構造の点については素晴らしいのひと言ですよね。流石に、工業製品を製作してきただけあるというか。楽器屋さんではないわけじゃないですか。技術メーカーならではのノウハウに、すごいなと感動しています。そのような構造の緻密さに、ワクワクさせるような、男心をくすぐってくれるところがありますよね。技術力の高さに、日本の会社らしさを感じるし、優れているなって感じます。すごいところに目をつけたなと思うと同時に、ちゃんと実用的なのも良いと思います。

 デザイン・ワッシャーがあるのもいいですね(下記写真)。表舞台に立つ人たちは、やっぱり見た目のところをすごく大事にしているので、そういった面でのバリエーションがあるのはうれしいです。僕のベースのハードウェアはブラック・パーツなので、そこで色を揃えられたら良さが倍増するなと思いました。でも、それは欲を言えばですかね(笑)。充分すぎるほどに良いアイテムだと感じました。

“ウルフマンB.R.S”とのコラボレートが実現したデザイン・ワッシャー(¥9,800/税抜き)は、チェーンなどに通すことでネックレスとしても使用可能! 絶賛予約受け付け中、問い合わせはニッセーPLB事業部(☎0554-26-5100/perfectlockbolt@nisseiweb.co.jp)まで。100個限定(!!)での生産となるため、早めにチェックだ!



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製品情報

プロフィール

中村和彦[9mm Parabellum Bullet]
1984年4月24日生まれ、宮城県仙台市出身。2004年に結成された4人組ロック・バンド、9mm Parabellum Bulletのベーシストで、激しく暴れ回るライブ・パフォーマンスを行なう。同バンドは2007年にデビュー。歌謡曲的旋律と激しいロック・サウンドが話題となり、バンド・シーンで活躍し続けている。

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