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キーボード購入ガイド2019【ステージ・ピアノ編】

Stage Piano

  • 制作:デジマート 企画・編集:キーボード・マガジン 取材・文:井手朋子(森山公稀・野村太一)、キーボード・マガジン編集部(カメダタク) 撮影:星野俊(製品写真を除く)

キーボード購入ガイド2019第2弾はオススメのステージ・ピアノ5機種を特集! 前回と同様に森山公稀(odol)、カメダタク(オワリカラ)、野村太一(Yellow Studs)の3名のレビューを紹介します。

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NORD Nord Piano 4

ピアノのサウンド/演奏性を徹底追求しステージ・キーボード機能も強化した最新機種

NORD Nord Piano4 ノード社ピアノ・シリーズの第4世代モデル。ピアノ・セクションの最大同時発音数が120ボイスへと大幅に拡大している。定評あるハンマー・アクション鍵盤を搭載、専用のピアノ・フィルターが新たに装備され、より豊かな表現が可能になった。シームレス・トランジションをはじめ、パフォーマンスを向上させる。

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価格:オープン・プライス(市場予想価格:345,000円)
問)ヤマハお客様コミュニケーションセンター
シンセサイザー・デジタル楽器ご相談窓口 0570-015-808(つながらない場合は053-460-1666)

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カメダタク(オワリカラ)meets NORD Nord Piano 4

カメダタク(オワリカラ)meets NORD Nord Piano 4

 ピアノは弾いていてかなり気持ちがいいですね。鍵盤のタッチがすごく良くて、ずっと触っていたくなります。バンドで鳴らす時に、“ピアノの見せ場を多くして”と要求したくなりそう(笑)。R&Bなどの音楽に合うエレピの音色も好みです。ピアノ専用のフィルターが用意されていて、現場でEQを簡単に調整できるのもいいですね。サンプル・セクションも充実していて、メロトロンの音は気に入りました。ノードのサウンド・ライブラリーから、さまざまな音色を自由にダウンロードして使えるのも嬉しい。ノード独特の音のポジショニングがあり、それが曲に説得力を持たせてくれます。アンサンブルに何か物足りなさを感じている人はぜひ手にしてほしいです。

フェイバリット・ポイントはここ!

1. 独自のバーチャル・ハンマー・アクション・テクノロジーとトリプル・センサー・キーボードにより、グランド・ピアノのような演奏性を実現。滑らかな連打を可能にしている

2. ピアノ、サンプル・セクションとも最大同時発音数が拡大。音色切り替え時に音が途切れないシームレス・トランジションやスプリット・ポイント・クロスフェード機能も追加された

3. クラシックなコンパクト・エフェクターをモデルにした多彩なエフェクトを内蔵。ピアノ、サンプル・セクションともに使用可能だ。またリバーブのブライト・モードも新装備する

  1. 演奏性の良い鍵盤タッチ
     タッチの弾力具合のようなものがちょうど良いですね。思い切り押し込まなくても音が鳴ってくれるので、軽やかに演奏できます。触り心地もすごくいいので、毎日弾きたくなります。

  2. 厚みと広がりのあるサウンド
     音に厚みと広がりがあり、アンサンブルの中のいい位置で鳴ってくれると思います。音色切り替えはキーボーディストが一番気を使う場面なので、音切れがしないのはすごくいいですね。

  3. 即戦力のエフェクト
     2系統のエフェクトでは、例えばワウをフィルターっぽく使うなど、シンセ的な面白いこともできます。即戦力感があって、現場でのリクエストなどにもすぐに対応できそうです。
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KAWAI MP11SE

ピアノらしさを徹底的に追求したステージ・ピアノMPシリーズの最高峰モデル

KAWAI MP11SE 同社の最高峰フルコンサート・グランドShigeru Kawai SK-EXからの新音色を含む、40音色を内蔵したステージ・ピアノ。新開発の3本ペダルやグランド・ピアノと同等の支点距離を確保した木製鍵盤、調律師さながらの調整が可能なバーチャルテクニシャン機能を採用し、ピアノとしてのクオリティを徹底的に追求している。

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価格:295,000円
問)河合楽器製作所 053-457-1311

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森山公稀(odol)meets KAWAI MP11SE

森山公稀(odol)meets KAWAI MP11SE

 ピアノ・メーカーらしく、ピアノの音はどこにも負けないという気概を感じさせる素晴らしさです。しかも音色をカスタマイズできるバーチャルテクニシャン機能やEQを使えばさまざまな設定ができるので、どんなシーンにも対応できますね。自分独自のピアノ・サウンドも作り出せます。新たに内蔵されたSK Concert Grandという音色は本当に生ピアノを弾いているよう。ソフト音源だとときどき気になるペダルのノイズやハンマー音も、わざとらしくなくて自然です。標準でグランド・ピアノと同じ3本ペダルが付いていますし、ボタン類はすべて表に出ていて余計なものが省かれているので、選択肢が少ない分シンプル操作でクラシック出身の人にも使いやすいと思います。

フェイバリット・ポイントはここ!

1. グランド・ピアノの鍵盤の仕組みとタッチを徹底的に解析した木製鍵盤を搭載。鍵盤ごとに3つのセンサーが付けられており、同音連打やレガートも思いどおりに弾くことができる。

2. GLOBALセクションのEQボタンを押すと、各帯域のゲインに加え、中域の帯域幅や中心周波数も調整することができる。ディスプレイを見ながらの直感的な操作が可能

3. 前モデルで採用されていたサイドの木製パネルから、黒一色の重厚感あるデザインに変更。ピアノらしいフォルムを邪魔しないようコントローラー類もすっきりと配置されている

  1. 弾き心地抜群の木製鍵盤
     ステージ・ピアノでここまでのタッチを再現しているのには驚きました。ゆっくり押し込むと音が鳴らなかったり、鍵盤の奥で弾いても手前で弾いても変わらない点はピアノそのもの。

  2. 操作性に優れたEQ
     ピアノに特化した楽器でありながら、ディスプレイ上でソフトのように細かくEQが設定できるのは便利。僕は会場ごとによくEQを変えるので、パパッとできるのは嬉しいです。

  3. 現代的で洗練されたデザイン
     テンションが上がる、ピアノらしいスタイリッシュなデザインです。パネルはフラットでスペース的にも余裕があるので、小型シンセを置いて使ったらさらに幅が広がりそう。
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STUDIOLOGIC Numa Compact 2x

オルガン&シンセ・エンジンを新たに搭載。ドローバーも備えたスピーカー内蔵モデル

STUDIOLOGIC Numa Compact 2x イタリアの鍵盤製作メーカー、ファタールが手がけるブランド、スタジオロジックによる最新ステージ・ピアノ。従来の高品位なピアノやエレピなどを収録する音源に、オルガンとシンセサイザーのエンジンが追加され、シンセのエディットにも使える9本のドローバーを装備する。従来のモデル同様スピーカーも内蔵する可搬性に優れた1台。

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価格:92,500円
問)銀座十字屋ディリゲント事業部03-6264-7820

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野村太一(Yellow Studs)meets STUDIOLOGIC Numa Compact 2x

野村太一(Yellow Studs)meets STUDIOLOGIC Numa Compact 2x

 スタジオロジック社のステージ・ピアノは今回初めて弾きましたが、オルガン音色のクオリティの高さには驚きました。オルガン・サウンドに定評のあるNuma Organ譲りのトーンホイール・オルガン・モデリングのサウンド・エンジンを採用していると聞いて納得です。スタイリッシュなフォルムに合わせて液晶は小さめですが、デザインがシンプルだからかとても見やすい。88鍵モデルで、スピーカーまで内蔵されているにもかかわらず重さは7.1kgと軽量なので、スタジオやライブハウスへの持ち運びにはもってこいですね。本番前の楽屋での練習などにも重宝すると思います。奥行きもコンパクトなので、制作用のマスター・キーボードとしても最適です。

フェイバリット・ポイントはここ!

1. プログラム可能な9つのスライダーをドローバーとして使用し、オルガンのサウンド・メイキングが可能。MIDIコントローラーとして外部の音源をコントロールすることもできる

2. 高音質の内蔵スピーカーを搭載。自分の演奏を鳴らすことはもちろん、USB経由で接続したPCやタブレットなどのデバイスの音声も一緒に出力することも可能となっている

3. エフェクトはFX1(ドライブ、コーラスなど計4種)とFX2(ロータリー、ディレイなど計4種)の2系統が装備され、ピアノ音色用のストリングス・レゾナンスも搭載されている

  1. 新装備された9本のドローバー
     ドローバーが装備されましたが、これがあるのとないのとでは全然違います。好みの音の明るさや太さにすぐに調整できるし、プレイ中でもリアルタイムに操作できますよね。

  2. 演奏の場を広げる内蔵スピーカー
     楽屋や移動中など、スピーカーを設置できない環境で音を出したいことがよくあるので、そういう時に重宝しそう。出音もしっかりしていてライブにも対応できるクオリティです。

  3. 使いやすい2系統のエフェクト
     エフェクトは2系統用意されていて、種類を選んでツマミで調整するだけ。とても分かりやすいです。Numa Compact 2xは、エフェクトに限らず操作がシンプルなのがいいですね。
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KORG D1

グランド・ピアノのタッチを再現し、ライブに必須の音色も内蔵した超コンパクト・モデル

KORG D1 最先端のテクノロジーでグランド・ピアノの響きを再現し、高品位なピアノ・タッチのRH3鍵盤を採用しながら、最小奥行きサイズ約26センチという超スリム化を実現したステージ・ピアノ。ピアノ音色を含む、キーボーディスト必須の音色を30種類搭載する。MIDI IN/OUT端子なども装備し、自宅での制作などにも適した1台となっている。

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価格:コルグお客様相談窓口0570-666-569

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カメダタク meets KORG D1

カメダタク meets KORG D1

 シンプルで低価格な製品ですが、鍵盤がとてもしっかりしています。ピアノ音色はバンドの中でも使えるはっきりした音でいいですね。リバーブなどのエフェクトも付いているので、簡単な調整もできます。ピアノ以外のステージに必要な音色も内蔵していて、個人的にオルガン音色が好みでした。ピアノ・タッチ鍵盤のキーボードは持ち運ぶのが大変ですが、これだけコンパクトだったら楽ですよね。ロック・バンドのステージでは、キーボーディストのスペースが狭いことも多いですが、これならもう1つシンセを追加しても余裕がありそうです。見た目がすっきりしてるので、カフェなどに置く楽器としても良いですし、自宅用としても場所を取らずに使えますよね。

フェイバリット・ポイントはここ!

1. 同社の定評あるリアル・ウェイテッド・ハンマー・アクション3(RH3)鍵盤を搭載。タッチの強さによって音の出方を5段階に設定できるタッチ・コントロール機能も装備している

2. 内蔵された30種類の音色は、10つのボタンで切り替える(10×3バンク)。また、音色ボタンを2つ同時に押すことで音色のレイヤーが瞬時に可能となっている

3. 持ち運びやすいコンパクトな専用ダンパー・ペダルのほか、ピアノ弾きには欠かせない譜面立て、自宅での練習に最適なヘッドフォンなどが標準で付属されている

  1. しっかりしたピアノ・タッチ
     タッチがしっかりしていて、鍵盤自体の触り心地もいいので、一度弾くとハマる人は多いんじゃないでしょうか。この鍵盤で弾くことで、ピアノの音が重厚に感じられます。

  2. 簡単操作のレイヤー機能
     音色がレイヤーできると演奏の幅はかなり広がります。レイヤーするのも簡単ですし、元に戻りたい場合は片方の音色ボタンを押すだけという操作性はステージでは有り難いですね。

  3. コンパクトなダンパー・ペダル
     見た目からは意外だったんですが、とても踏みやすいです。通常のダンパー・ペダルは踏んでいるうちに奥に動いちゃうんですが、これはそれがない。軽くて持ち運びにも便利です。
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YAMAHA CP4 STAGE

高品位なピアノ系音色と木製鍵盤を搭載し表情豊かな演奏を実現するステージ・ピアノ

YAMAHA CP4 STAGE 同社のフルコンサート・グランドのフラッグシップ・モデルCFXをはじめとした高品位なピアノ音色、時代ごとの特徴を反映させたビンテージ・エレクトリック・ピアノを中心に、厳選した433音色を内蔵。グランド・ピアノのタッチを忠実に再現した木製象牙調のNW-GH鍵盤も装備し、弾き心地を徹底的に追求している。

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価格:185,000円
問)ヤマハお客様コミュニケーションセンター
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野村太一 meets CP4 STAGE

野村太一 meets CP4 STAGE

 鍵盤の戻りが最高ですね。はじけ飛ぶ感じというか、感情をぶつけるにはベストな楽器だと思います。17.5kgという重さでそれほど大きくないですし、ライブに持って行って弾き語りをするにはもってこいじゃないでしょうか。ピアノはフラッグシップ・モデルのCFXをサンプリングした音色が気に入りました。ライブの時はハイがかき消されるのでEQで高域を上げますが、この音色は特に調整しなくてもフラットでいけますね。完成されていて、誰が聴いても心地良い音です。エレピは強く弾いても割れるような歪みが出ない優しい印象です。ただ、本体パネルのスライダーでEQが簡単に調整できるし、エフェクトもそろっているので、好みの音がすぐに作れます。

フェイバリット・ポイントはここ!

1. 高域と低域で鍵盤の重さを変え、グランド・ピアノの演奏感を再現した無垢材のNW-GH鍵盤を搭載。象牙調の表面は適度な吸湿性があり、滑りにくい作りになっている

2. ダイナミック・レンジの広さに定評のある最高級モデルCFX、バンドにも最適なCFⅢS、温かく深みのあるS6をサンプリングし、各15種類ずつバリエーションを内蔵している

3. フロント・パネルには必要最小限のボタンが、合理的かつシンプルにレイアウトされている。EQはLOW MID、HIGH MIDを含む計5つのスライダーでコントロール可能

  1. 手に馴染む鍵盤タッチ
     鍵盤の跳ね返りが絶妙で、指と一体化しやすく、弾けば弾くほど手に馴染みます。指先に伝わる感覚や押し込む感触が、まるでグランド・ピアノを弾いているかのようです。

  2. 45種類の高品位ピアノ音色
     どの音色も、サステイン・ペダルを踏んでいなくても高音を弾いた時の響きが自然で豊か。カテゴリー分けによって、何のピアノをもとにしているのがか分かるのもいいですね。

  3. ライブでの操作性も良いパネル
     一連の操作がとにかくシンプルに行えるので、弾いていてストレスがありません。EQも手元のスライダーで細かく変えられるので、ライブでちょっと調整したい場合に便利ですね。
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キーボード・マガジン 2019年 WINTER 発売中!

 本記事は、リットーミュージック刊『キーボード・マガジン 2019年 WINTER』の記事を転載したものです。誌面では森山公稀、カメダタク、野村太一へのインタビュー記事も掲載、各人のキーボード選びのポイントも紹介していますので、参考にしてみてください。

 また本号では、YMO結成40周年記念企画 Vol.2「楽器で巡るYMOサウンド」と題して、YMOのアルバムで使用された楽器・機材を徹底検証。関係者の証言とともに当時の制作現場の様子に迫り、そのサウンドの裏側を掘り下げます。ぜひ手に取ってチェックしてください!

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製品情報

NORD / Nord Piano 4

価格:オープン

【問い合わせ】
ヤマハお客様コミュニケーションセンター シンセサイザー・デジタル楽器ご相談窓口 TEL:0570-015-808(つながらない場合は053-460-1666)
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STUDIOLOGIC / Numa Compact 2x

価格:オープン

【問い合わせ】
銀座十字屋ディリゲント事業部 TEL:03-6264-7820
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YAMAHA / CP4 STAGE

価格:オープン

【問い合わせ】
ヤマハお客様コミュニケーションセンター シンセサイザー・デジタル楽器ご相談窓口 TEL:0570-015-808(つながらない場合は053-460-1666)
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プロフィール

『往来するもの』UK.PROJECT:UKCD-1172

森山公稀(odol)
中学校の同級生だったミゾベリョウ(vo、g)らと2014年にodolを結成。翌年1stアルバム『odol』をリリース。キーボードと全楽曲の作曲を担当し、舞台や映像作品の劇伴、他アーティストへの楽曲提供も行なっている。東京藝術大学を今春卒業予定。2018年10月に3rdアルバム『往来するもの』を発表。

『OWARIKARA BEST OF CULT 2010-2018 〜オワリカラの世界〜』 徳間ジャパン:TKCA-74741(初回限定盤/CD+DVD)/TKCA-74742(通常盤/CD)

カメダタク(オワリカラ)
4人組ロック・バンド、オワリカラでキーボードを担当。2018年12月、結成10周年記念となるベスト・アルバム『OWARIKARA BEST OF CULT 2010-2018 〜オワリカラの世界〜』をリリース。また、オワリカラとして参加した大槻ケンヂのソロ・アルバム『アウトサイダー・アート』も同日発売された。

『Yellow Studs THE BEST』TOTS-0011(初回限定盤)/TOTS-0012(通常盤)

野村太一(Yellow Studs)
2003年に結成した5人組ロック・バンドYellow Studsのボーカル&キーボード。バンドの全楽曲の作詞作曲を手掛けるほか、CMへの楽曲提供も行う。無所属のインディーズ・バンドでありながらこれまでに9枚のアルバムを発表2018年11月に新曲2曲を含む2枚組ベスト『Yellow Studs THE BEST』を発売。

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