Bose S1 Pro+ wireless PA system × 松井祐貴&井草聖二
- 2024/04/25
Composite Acoustics / Guitars
カーボングラファイトよりも、はるかに高い剛性を誇るカーボンファイバーを使用し、革新的なギターを作りたいという発想のもと、元航空宇宙エンジニアを中心に、世界中のギタリストにとってベストなアコースティック・ギターを長年に渡り探求。その結果、革新的なギターの製造に成功したのがこのComposite Acousticsだ。すでにアメリカでは多くのアーティストに愛用されているが、このたび国内での販売が開始された。
Composite Acousticsの大きな特徴として、まずギターにとって重要な湿度管理が不要という点が挙げられる。スペースシャトルや飛行機などにも用いられる、カーボンファイバーを原材料とした1ピース・ネック&ボディ構造で、演奏時や保管時に湿度や温度を気にする必要がない。軽量かつ圧倒的な強度を実現しており、スルーネック構造でありながらネック調整が不要(トラスロッド非搭載)で、スタンドから倒れたとしてもネックが折れることはない。そして従来の木材加工では難しかった、ヒールレス・ジョイントによる高い演奏性も魅力となっている。さらに驚くべきは、そのサウンドだ。独自のブレイシング技術 “IBT(Integrated top bracing technology)” により、カーボン独特の硬いサウンドではなく、ハイエンド・アコースティック・ギターを思わせるナチュラルで豊かな倍音とロング・サステインを実現している。なお、すでにアメリカではブラントリー・ギルバートやクリス・レーン、タイラー・ハバード(フロリダ・ジョージア・ライン)といった人気アーティストに愛用され、また世界的に知られている著名なメタル・バンドのアコースティック・セクションで使用されたことでも話題となっている。おもなラインナップは以下の通り。
「Cargo」は独特なサウンド・ホールの配置が特徴。ショート・スケール(22.75インチ)採用で21フレット仕様、Composite Acousticsのラインナップでは最も可搬性に優れたモデルとなっている。軽量かつコンパクトなサイズからは想像できないほどの、きらびやかで迫力ある音色が魅力だ。そして、ハイ・ポジションもストレスなく演奏できる “no-heel ジョイント”を採用。ピックアップはL.R.バッグスのアクティブ・エレメント・システムを搭載している。カラーは、Blueburst Satin/Redburst Satin/High Gloss Transparent Red/High Gloss Charcoal/High Gloss Transparent Blue/High Gloss Carbonburst/Raw Carbon Fiber Topの7種類。価格は、Blueburst Satin/Redburst Satin/High Gloss Transparent Red/High Gloss Charcoal/High Gloss Transparent Blue/High Gloss Carbonburstが300,000円、Raw Carbon Fiber Topのみ280,000円となる。
「OX」は、CARGOよりもひと回り大きく、下で紹介しているLEGACYやGXよりもひと回りコンパクトなボディ・サイズが特徴。20フレット仕様で、フィンガー・ピッキングからピック弾きまで、Composite Acousticsのラインナップではもっとも幅広いニーズに対応する、バランスに優れたモデルとなっている。そして「Cargo」と同じく “no-heel ジョイント” を採用。ピックアップはL.R.バッグスのステージプロ・エレメントを搭載している。カラーは、Raw Carbon Fiber Top/Carbonburst/Charcoal/Transparent Blue/Transparent Redの4種類を揃える。価格は、Raw Carbon Fiber Topが300,000円、その他のカラーは320,000円。
「GX」は、「OX」と同じく20フレット仕様で、よりナチュラルかつ温かみのある音色が特徴。また、カッタウェイの形状と “no-heelジョイント” が、さらに高い演奏性を実現している。ピックアップ&プリアンプ・システムは、フィッシュマンのプレフィクス・プラスTまたはオーラ。なお、1フレットの幅は1.825インチだが、1.740インチのナロー・ネック・バージョンもラインナップされている。カラーは、High Gloss Carbonburst/Wine Redburstの2種類。価格は420,000円。
「Legacy」は伝統的なドレッドノート・タイプで、「OX」「GX」と同様の20フレット仕様。Composite Acousticsのラインナップでは、もっともパワフルで深みのある音色が魅力となっている。あらゆる音楽ジャンルにおけるアンサンブルでも埋もれることのない、ヌケの良い厚みのあるサウンドが特徴だ。ピックアップ&プリアンプ・システムは、フィッシュマンのプレフィクス・プラスTまたはオーラ。カラーは、High Gloss Carbonburst/Raw Carbon Fiber Topの2種類を揃える。価格は、High Gloss Carbonburstが420,000円、Raw Carbon Fiber Topが340,000円。
なお、これらのレギュラー・ラインナップ以外にも、薄めのボディを持つ「GXi」などが受注生産にて対応可能。そして以下の動画は、レイン・キャッチャーという団体が、雨水を飲み水に変換する装置を設置するためハイチのとある街を訪れた際、そのメンバーでもあるシンガー・ソングライターのチャド・ドリングが、街の人へ音楽を届けようとギターを持って行ったものの、現地の気候が楽器にとってあまりにも過酷な環境であることを知り、それでも音楽を届けようとするチャドがComposite Acousticsと出会うまでのストーリーを描いたものだ。
ハイチのような過酷な環境下でも決して壊れずに、安定したサウンドで音楽を奏でられるComposite Acousticsのギターたち。四季による環境の変化の大きい日本においても、調整やメインテナンスに悩まされることもなく、あらゆるシチュエーションで活躍してくれることだろう。