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  • 【連載】RYOGA NAVI リョウガ・ナビゲーション powered by 島村楽器

軽量ボディ構造とP-90タイプ・ピックアップが生み出す唯一無二のサウンド RYOGA / BUMBLE-F6

RYOGA / BUMBLE-F6

  • 制作:デジマート・マガジン 試奏・楽曲制作:栗山友里 MC:坂本夏樹 取材・文:井戸沼尚也 動画撮影/編集・録音:川村健司

軽量、コンパクトで扱いやすいRYOGA BUMBLEシリーズのBUMBLE-F6は、甘く太いがキレもある独特なサウンドを持つP-90タイプのネック・ピックアップと、エッジの立ったブリッジ・ピックアップとの対比が鮮やかな1本だ。今回は、MCに本連載お馴染みの坂本夏樹氏を、試奏者には坂本氏から多くを学んできたというギタリストの栗山友里氏を迎え、BUMBLE-F6の魅力を紹介しよう。

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サウンド表現の幅を広げるアユース&ハード・メイプル+P-90タイプPU
RYOGA BUMBLE-F6

RYOGA / BUMBLE-F6(カラー:トランスパール・インディゴ)

 BUMBLE-F6は、J-ROCKやJ-POPのサウンドとの相性が抜群に良い、まさに現代のシーンで求められる1本だ。動画のオープニング曲では、歪ませてもクリアな存在感がある本器ならではのサウンドが確認できる。そのサウンドは、大きく分類すれば比較的TL系に近い。しかし、一般的なTLに比べて、やや短いスケール(628mm)やセットネック(ヒールカット・ジョイント)、ヘッドに搭載した樹脂製ボタンの軽量なペグなどを採用することで、TL系ほどエッジが立ちすぎずに楽曲によく馴染む、ありそうでなかった使える音となっている。

 もうひとつ、独自のサウンドに関しては、ボディ・ウイングに採用されたアユース材の影響も見逃せない。この材は、軽量なことで知られるバスウッドよりもさらに軽い、超軽量な材だ。これが独特のエアー感を生み出すが、オール・アユースのボディにしてしまうと、音の芯が失われてしまう。そこでBUMBLE-F6は、ブリッジやピックアップが載るボディの中央部分には硬く芯のあるハード・メイプルを採用し、アユース材で挟み込むようにボディを構成。これにより、“エッジがあるのに、ふくよか”という唯一無二のBUMBLEサウンドを確立している。さらに、このボディ構造によってギター本体の軽量化に成功。ソリッド・ギターでありながら重量はわずか3.1kgしかない。しかも、重い材やパーツを中央部に集中させる設計により、数字以上に軽く感じられる快適性と、立奏時にどんなに動いても身体に寄り添う抜群のバランス感覚を実現している。激しいステージを展開するパフォーマーほど、このギターの魅力に気付くはずだ。

 また、ネック・ポジションに搭載されたP-90タイプ・ピックアップの音の太さは特筆ものだ。普通はこの位置にこれだけ太い音のピックアップを搭載すると、下手をすればブーミーになってしまうが、ハード・メイプルに弦を裏通しする構造による適度な締まりと、アユース材による微かな箱鳴り感を伴う、魅力的なサウンドに仕上がっている。さらに、2ボリューム、1トーンというコントロール構成から、エッジの効いたブリッジ・ピックアップとミックスし、各ボリュームを調整することで、オリジナリティがあって使える音を、簡単に作り出すことができる。

 最後に、魅力的なフィニッシュについても紹介しておこう。本器はトランスパール・インディゴという、パール仕上げのシースルー・フィニッシュだ。ボディ中央部のハード・メイプルに貼られたフレイム・メイプルの美しい杢目が、うっすらと透けて見える。見る角度によっては、ブラックにもブルーにも見え、ステージ映えすること間違いなしだ。

BUMBLEシリーズの中でも、F6の個性を決定付けているネック・ポジションのP-90タイプ・ピックアップ。単体で使用すると太く甘いが、ブリッジ・ピックアップとミックスするとキレの良さを発揮する、マジカルなピックアップだ

間近で見ると、ボディ中央のハード・メイプルに貼られたフレイム・メイプルのゆらめきがよくわかる。所有する喜びを満たす、心憎い仕上げだ

実はサウンドにも影響しているヘッド形状と軽量なペグ。ペグ・ポストからナットへ、まっすぐに弦が伸びていることにも注目してほしい。また、ナットの丁寧な仕上げはRYOGAならではの高い精度を誇る。正確なピッチ、ロー・ポジションの押さえやすさ、豊かなサステインなど、このナットによるところも多い

 サウンド、演奏性、そしてルックスと、すべてにおいて完成度が高いBUMBLE-F6。ギターを始めて間もないプレイヤーから、弾き疲れせず使える音のギターを求めるトップ・プロにまでお勧めできる1本だ。

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YURI & NATSUKI'S TOTAL IMPRESSION

坂本夏樹(以下、夏樹) 今日はBUMBLE-F6を弾いてみて、どんな感想を持ちましたか?

栗山友里(以下、栗山) まず驚いたのが、これ、本当に軽いですよね! それから、軽いだけじゃなくバランスが良いのでびっくりしました。立って弾く時に、動いてもギターが身体からズレないんです。私はライブではかなり動く方なので、ぜひライブで使ってみたくなりました!

夏樹 確かに、バランスがいいから3.1kgという数字以上に軽く感じますし、フィット感もすごく良いですよね。サウンド面については、いかがでしたか?

栗山 めちゃくちゃかっこいい音がしますね。実は私、普段はP-90を搭載したビンテージのギターを使っているんですが、BUMBLE-F6のオリジナルP-90タイプはそのギターより音が太いです。

夏樹 そうなんですよ。しかもF6の音は、太いのにスピード感があるという……これは、考え抜かれた構造と材の選択が効いているなと思いますね。

栗山 あとは、音色が多彩ですよね。

夏樹 ネック・ピックアップとブリッジ・ピックアップの音色の対比がはっきりしているし、2ボリュームというコントロールを活かすといろいろな音が作れます。例えば、片方のボリュームを絞り、片方を全開にしておけば、ピックアップを切り替えるだけで、エフェクターをオン/オフしたような音もこれ1本でできますからね。

栗山 その多彩さが、本当にありがたくて……エフェクターって結構重いじゃないですか? 女性ギタリストにとっては移動の時にツラいところなんですけど、このギターならエフェクターを1個減らせるなぁと感じました。

夏樹 なるほど! それは面白い視点ですね。ほかに何か気付いたことはありましたか?

栗山 色がすごく綺麗です! 角度によって、見え方が変わりますよね?

夏樹 暗いとブラックに見えるんですけど、光が当たるとすごく綺麗なブルーに見えますね。

栗山 そこは、テンションが上がるポイントです。あとは、ヘッドの蜂のインレイも、すごく可愛いと思いました。

夏樹 それも大事なポイントですね。見た目が気に入ったギターだとたくさん弾きたくなるし、そうすると自然とうまくなっていくので、見た目もとても大事だと思います。

栗山 初心者の方や女性にも、お勧めできると思います!

夏樹 僕自身もレコーディングやライブの現場でBUMBLEをガンガン使っているので、上級者やベテランの方にも安心してお勧めできます。皆さん、店頭で見かけたら、ぜひ手に取って試してみてください!

RYOGA NAVI バックナンバー

シングル&ハムバッカーのコンビネーションで幅広いトーンが楽しめる
RYOGA / HORNET-G3

歪みとの相性も抜群! 極上のロック・サウンドが得られる
RYOGA / SKATER-T3V

クリーン良し、歪み良しのオールマイティな本格セミアコ
RYOGA / EMPRESS-G2

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製品情報

RYOGA / BUMBLE-F6

価格:¥203,148 (税込)

【スペック】
●ボディ:アユース/ハード・メイプル/アユース(3P) ●ネック:ハード・メイプル(3P) ●指板:ローズウッド ●スケール:628mm ●フレット:22 ●ピックアップ:RYOGA RN-1(フロント)、RYOGA RT-1/b(リア) ●コントロール:2ボリューム、1トーン、3ウェイ・トグル・スイッチ ●ブリッジ:GOTOH GTC-201 ●ペグ:GOTOH SG301-P4N ●カラー:TPI(トランスパール・インディゴ)、TPB(トランスパール・ブルー)
【問い合わせ】
島村楽器商品開発事業部 TEL:03-3613-4160 https://www.ryogaguitars.com/
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プロフィール

栗山友里(YURI)
1995年、佐賀県唐津市出身。2007年、同じ小学校に通う同級生5人でバンド「たんこぶちん」を結成。2013年、シングル『ドレミFUN LIFE』でメジャー・デビュー。以後シングル7枚、アルバム6枚、ライブDVD1枚をリリース。今年2月の「TANCOBUCHIN TOUR 2019 "We are the TANCOBUCHIN !!!!!!"」をもってバンドは活動休止中。2017年、同郷のシンガー・ソングライター カノエラナの『鉄壁スカート』(アルバム『カノエ暴走。』収録)参加をきっかけにギタリストとしての活動もスタート。現在はガールズ・ロック・バンドЯeaL(リアル)にサポート・メンバーとして参加。さらに活動の場を拡げている。

坂本夏樹(さかもと・なつき)
チリヌルヲワカ、She Her Her Hers、Over The Topでのバンド活動を経て、スタジオ・ミュージシャン、プロデューサーとして、Creepy Nuts、DE DE MOUSE、HOME MADE 家族、たんこぶちん、酸欠少女さユり、新山詩織など、数多のライブ、レコーディングに参加。

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