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HISTORYのフラッグシップ・ギター“HGシリーズ”を宮脇俊郎が徹底試奏!

HISTORY HG-SE/FM、HG-TE/FM

設立25周年を記念し、ラインナップをフルモデル・チェンジしたHISTORY。25周年を締めくくるにふさわしいフラッグシップ・ギターがHG-SE/FMとHG-TE/FMだ。この2本の魅力を“教則界のカリスマ”ギタリスト宮脇俊郎氏が、試奏とインプレッションとともに紹介する。

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HISTORY HG-SE/FM、HG-TE/FMを宮脇俊郎が徹底試奏!

 HISTORYは、2019年というブランドにとって記念すべき年の締めくくりに、レギュラー・ラインのフラッグシップとなる“HGシリーズ”を発表した(ギター2本、ベース2本)。このHGシリーズは、すでに発売されているビンテージ系のHSシリーズ、CZシリーズとは趣が異なり、現代における弾きやすさを追求したモダンなラインナップだ。トップには天然杢のフレイム・メイプルをあしらい、ハイエンド・モデルらしい美しさを持つギターである(型番の最後のFMは、フレイム・メイプルを表する)。

太く甘い中音域を生かす2ハムバッカー仕様
HG-SE/FM

HISTORY HG-SE/FM

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 ややスリムで抱えやすいディンキー・スタイルのボディ・シェイプを持った、いわゆるSTタイプのモデル。ボディはアフリカン・マホガニー・バック、4mm厚のフレイム・メイプル・トップを採用。マホ・ボディらしい、甘く、太く、粘りのあるサウンドを持っている。同時に、ヘリテイジ・ウッド・ハードメイプルのネックと硬質なグラナディロの指板が、音の輪郭をぼやけさせない。天然杢の美しさを際立たせるため、木地着色した後にラッカーで仕上げ、素材の持つ美しさを際立たせており、ゴールド・パーツと相まったゴージャスさはフラッグシップ・モデルにふさわしい。

 2ハムバッカーでありながらオート・コイルタップの5Wayレバー・スイッチにより、フロント、フロント・タップ(内側のコイル)、フロント・タップ(内側のコイル)とリア・タップ(内側のコイル)のミックス、リア・タップ(内側のコイル)、リアと多彩なサウンドメイクが可能。加えて、5Wayレバー・スイッチの位置に関わらず、瞬時にダイレクト配線(トーンとボリュームの回路を介さずに出力する配線)のリア・ハムバッカーで呼び出せるミニ・スイッチを搭載。タップしたミックス・トーンでバッキング、ソロではパワフルなリアを選択するといったことが、手元で一瞬で行なえる実践的な仕様だ。

 2点支持のブリッジ、ロック式ペグにより、アーミングの滑らかさ、安定感は抜群だ。サークル・フレッティング・システムを採用し、ピッチも非常に良い。特筆すべきはナット、そしてフレットのエッジの精緻な仕上げで、熟練の職人の手による見事な仕事は、このモデルの弾きやすさに大きく貢献している。

多彩なサウンドメイクを実現する5WAY式レバー・スイッチの隣には、ピックアップ・ポジションにかかわらずリア・ピックアップへのダイレクト配線を可能とするミニ・スイッチが並んでいる

滑らかで手触りの良いフレットのエンド処理

エルボーとウェストにコンター加工が施されたスリムなオリジナル形状

Miyawaki's impression

 想像以上に音が太いですね。これ、ボディ・バックにマホガニーを持ってきたのが正解なんじゃないでしょうか。アッシュやアルダーではなく、マホガニーならではの太さだと感じました。これでジャズ系も問題なくいけますよ。トップのメイプルの厚さが変わっていたら、もっと音が硬くなっていたと思うんです。ちょうどいい厚さなんでしょうね。それから、このタップした音も弱々しくなくて良いし、一瞬でリア・ハムバッカーに切り替えられるミニ・スイッチも効果的です。大人のためのロック・ギターという印象ですね。

チェンバー加工で軽量化。エアー感あるサウンドが特徴
HG-TE/FM

HISTORY HG-TE/FM

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 いわゆるTLタイプだが、エルボー部分とウエスト部分にコンター加工が施され、スリムで抱えやすくなっているオリジナル・デザインのモデルだ。

 こちらもHG-SE/FM同様、ボディ材にはアフリカン・マホガニー・バック、フレイム・メイプル・トップを採用している。本器の最大の特徴は、ボディにチェンバー加工を施している点だ。これにより、ボディの軽量化に成功。また、サウンド面でも明らかなエアー感を獲得している。一方では重量のあるブリッジを採用していること、さらに本器もネックにはヘリテイジ・ウッド・ハードメイプル材を、指板には硬質なグラナディロ材を使用していることも相まって、サステインは失われておらず、音には腰がある。

 フロント・ピックアップはボディ直付けのハムバッカーだが、ミニ・スイッチでタップもできる。その場合、外側のコイルが生きる。この音も、いかにもタップして痩せましたといった類の音ではなく、しっかり使えるタップ・サウンドになっている点がうれしい。

 サークル・フレッティング・システムを搭載していること、ナットやフレット周りの精緻な仕上げはHG-SE/FMと同様だ。ゴージャスなルックスにふさわしい、豊かな響きを持ったギターである。

コントロール部分。ミニ・スイッチによりフロントのコイルタップ(外側生かし)が可能

ペグにはMGTタイプのロック式を採用。エボニー材を使用したペグ・ボタンが高級感を醸し出している

チェンバー加工の様子。細く長い空洞部を多数設け、極端に低域が削れたり音の立ち上がりが遅れることがないように計算して加工されている

Miyawaki's impression

 表にきれいな杢目が出ているギターって、経験上、重い印象があるんですよ。でも手にしてみたらチェンバー加工のおかげですごく軽かったんです。そこが、まず驚いた点ですね。サウンドに関してはボディ・バックのマホガニーとチェンバー加工が効いていると思います。適度な甘さがあって、高音弦を使ったカッティングをしても耳が痛くならない。でも、音の芯の部分はヘリテイジ・ウッド・ハードメイプルのネックが確保している。そんな感じですね。それから、個人的に大好きなのは、コンター加工されている点です。美しい杢が綺麗に見えるよう、トップを曲げて貼ってあるんですね。見た目もいいですし、弾きやすいです。これは、個人的にかなり好きなタイプのギターですね。

総評

 2本に共通して良かったのは、ボディ・バックにマホガニーを採用している点ですね。アタックを出そうと思えばパーンと出るんですけど、アタックをちょっと控えめにしたときの、中域の柔らかい感じがすごく良かったです。あとは2本ともタップが使える! おまけのタップではなく、音色の選択肢としてちゃんと使えるタップになっていますね。例えば、ジャム・セッションに行くときに、このどちらかのギターを持っていけば、アンプに直結でも良い音が出せるんじゃないですか? 余計なものは要らないですよ。

 これだけの仕様だったら、40万円オーバーでもおかしくないと思います。それでこの価格なら、コストパフォーマンスは良いと思いますよ。フレットの処理が丁寧で、とても弾きやすかったのも好印象です。この2本は、どちらもフラッグシップ・モデルの名にふさわしい、良いギターだと思います!

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製品情報

HISTORY / HG-SE/FM

価格:¥328,000 (税込)

【発売日】
2019/11/23
【スペック】
●スケール:648mm/22F●ボディ:フレイム・メイプル2P(トップ)、マホガニー2P(バック)●ネック:ヘリテイジ・ウッド・ハード・メイプル1P●指板:グラナディーロ●フレット:ジェスカー(サークル・フレッティング・システム)●ピックアップ:オリジナル・ビンテージ・ハムバッカー(フロント&リア)●ブリッジ:ゴトー510TS-FE1●カラー:NBK
【問い合わせ】
島村楽器商品開発事業部 TEL:03-3613-4160 https://history.gt/index.html
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HISTORY / HG-TE/FM

価格:¥317,000 (税込)

【発売日】
2019/11/23
【スペック】
●スケール:648mm/22F●ボディ:フレイム・メイプル2P(トップ)、マホガニー2P(バック)●ネック:ヘリテイジ・ウッド・ハード・メイプル1P●指板:グラナディーロ●フレット:ジェスカー(サークル・フレッティング・システム)●ピックアップ:オリジナル・ビンテージ・ハムバッカー(フロント)、オリジナル・ビンテージ・シングル・タイプ-T(リア)●ブリッジ:ゴトーGTC-201●カラー:NBK
【問い合わせ】
島村楽器商品開発事業部 TEL:03-3613-4160 https://history.gt/index.html
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プロフィール

宮脇俊郎(みやわき・としろう)
1965年生まれ。兵庫県出身。ビートルズで音楽に目覚め、ギターを手にする。東京学芸大学卒業後にギタリストとしての活動をスタートし、1999年より自ら主宰するギター・スクールを立ち上げる。これまでに多数のギター教則本&DVDのほかに「ポピュラー・ピアノ入門」、「なるほどベース理論ゼミナール」など、ギター以外の教則本も制作。近年は台湾、中国北京・蘇州・上海でライブ&セミナー、デモ演奏を開催するなど海外の活動にも力を入れている。2017年7月より、世田谷区下北沢にギター教室を移転。エレキ・ギター、アコースティック・ギター、ベース、音楽理論、ピアノ弾き語りなどのレッスンを実施中。2018年からはオンライン・レッスン「宮脇俊郎オンラインアドリブ塾」を開講している。

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