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  • 【ジャンク・ギターでこいち時間 デジマート出張版】第2回

ハイセンスな名ギター「Danelectro / 59-DC Daddy-O-Yellow」を修理する

エレキ・ギター(ジャンク)

ジャンク・ギターの修理をライフワークとする“こいち”による、ジャンク沼誘導連載第二弾。今回は、初回の反省を生かして“比較的軽症”を条件に探した結果、ジミー・ペイジやシド・バレットも愛した名器の後継モデル、Danelectro 59-DC(美品)を発見。ジャンク初心者にも手を出しやすい、汚れのクリーニング方法をご紹介!と思いきや、意外なところに落とし穴が……。

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【注意】
ジャンク・ギターの購入、及び修理の際は、個人の責任において、細心の注意を払って行なってください。当コーナーで示した修理内容や方法はあくまで参考であり、あらゆる人と環境、ギターに適応するものではございません。ジャンク・ギターの購入、修理において万が一の事故が発生した場合も、こいち氏、及びデジマート・マガジン編集部、デジマートで責任を負うことは出来かねますので、何卒ご了承ください。

登場人物

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こいち
ジャンク楽器に目がない。壊れた楽器をパズルや知恵の輪としか見ていない。難題を解いた時の快感が忘れられず、ズルズルと今に至る。

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助手
ブログ「こいち時間」の看板娘兼助手。楽器・機材の耳年増。ハンダづけされた部品を外す時に手伝ってくれたりする。

ジャンク・ギター出土
〜「イシバシ楽器U-BOX MEGA STORE」でDanelectro / 59-DCを発見

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助手

前回の教訓を生かしてほどよい症状のジャンクを探しに楽器の聖地、御茶ノ水へ巡回しに来ました!

東京・御茶ノ水にある、イシバシ楽器U-BOX MEGA STORE

タイミングにもよるが、ジャンク品はこの店頭に並べられる

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助手

御茶ノ水駅からリットーミュージックへ向かう道中、必ず立ち寄るお店ですね

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こいち

ここは中古買取して手に負えない(割りに合わない)と判断したジャンク・ギターを店頭で投げ売りしている感じなので、御茶ノ水に来た際はぜひチェックすべき観光スポットだ

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助手

こいち時間」に登場した楽器・機材は数知れず……

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こいち

しみじみ

このヘッドとロゴは……

Danelectro 59-DCのジャンク品、6,600円也!

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助手

こ、これは……!

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こいち

ダンエレの59-DCだ。ボディ材をメゾナイトという……

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助手

買ってきます!

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こいち

早いよ。でも一品物のジャンク楽器の購入には大事なことでもある

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助手

女々しく細かく店員に症状なんて聞いてられませんよ!

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こいち

必要かどうかじゃない!

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助手

買ってから考える!

状態の確認
〜汚れているだけの掘り出し物!と思いきや

“ジャンク”と銘打たれている割には美品に見える

他社製ソフト・ケースのオマケ付き

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助手

優しい店員さんがフェンダージャパンのソフト・ケースを付けてくれました

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こいち

裸で持ち帰らなくちゃいけないお店もあるから、勢いで買うと大変な目にあうぞ

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助手

ある時はドラムのタムをスイカのように持ち帰り……

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こいち

ある時はギターをプチプチで簡易包装されて持ち帰ったものだ

ヘッド部分にはくすみや打痕などが見受けられる

ボディも良く見てみると、ステッカー跡などが多く、全体的にベタベタしている

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こいち

あらためて見るといいなーこのギター。手頃な値段のセカンド・ギター的なポジションだし、かわいいし、普通にうらやましい

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助手

なかなかの目利きでしょう!

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こいち

ざっと症状を確認するとガリもなく、ネックの反りもなく、ただただ汚いだけっぽいな

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助手

え、このベタベタするガムテープの粘着物を綺麗にするだけで終わるんですか!?

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こいち

個人的にはパンチが弱いけど、ジャンク弄り界隈の裾野を広げるためには仕方あるまい(しょんぼり)

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助手

センセー的にはハズレだけど、ジャンク沼への触りとしてはアタリということですね!

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こいち

ギャンブルの取っ掛かりに成功体験は必要だしね。でかしたぞー(棒読み)

コントロール・ツマミなどの位置がズレないようにガムテープが貼ってあったであろう跡

ジョイント部のストラップ・ピン付近。ストラップが外れないようにガムテープが貼られていたようだ

エンド・ピン周辺も同様にガムテープ跡がべったり

ボディ・バックはステッカーが貼られていたようで、パンダ焼けのような状態

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こいち

ストラップ・ピンからノブに至るまでガムテープでの固定跡があることから、前のオーナーは相当激しい演奏をする人だったということがわかる

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助手

その割に塗装やペグなどへのダメージが少ないのが救いですね

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こいち

ギターを投げたりはしてない人だったということがわかる

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助手

だんだん考察が雑になってきてます

1弦のペグ・ポストには切れた弦が残ったまま

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助手

例えばこちら、1弦が切れてもペグ・ポストからは外さず、そのまま新しい弦を張っているようですが

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こいち

ライブ中に弦が切れて急いで交換する必要があったのかなあ

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助手

普通だ〜

ダンエレクトロのギターの特徴でもあるブリッジ。金属製のプレートのネジ部分を良く見てみると……

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こいち

あ、ブリッジに亀裂が入ってる

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助手

ええ!?

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こいち

交換用のパーツがたくさん出ている古典的なギターならまだしも、こういう壊れたら代替部品を探すのも苦労するモデルには致命的な問題だぞ

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助手

えええ……

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こいち

お店側もしっかり状態を確認したうえで「直しても仕方がない」とジャンク販売にしたんだろうね

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助手

……ということは

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こいち

奇しくもまた重い症状を引いてしまったようだ

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助手

お買い得なジャンク・ギターを手に入れたと浮かれていたのに……(しょんぼり)

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こいち

悲観することはないよ。当初は「ギターを綺麗に掃除するだけのつまんない個体を持ってきやがって」とテンションが上がらなかったくらいだが

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助手

散々に言いよる

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こいち

こうなってくるとジャンク・パーツの在庫も生きるし、対処方法を考えたりするのが楽しくなってくる。でかしたぞー!

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助手

ムキー!

ボディのクリーニング
〜ステッカーやガムテープの跡を掃除する

HOWARD(ハワード)のオレンジオイル

ステッカーやテープの残存粘着物は、オレンジオイルを塗って除去していく

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こいち

とりあえずステッカー、ガムテープ跡の掃除は頼んだよ

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助手

助手使いが荒い

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こいち

個人的にはめちゃくちゃやりたくない作業の筆頭になる。だってアンプに繋げば音は出るし、このまま遊べるもの

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助手

記事上、仕方ないとしても良い経験になりますね

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こいち

シール剥がし用にオレンジオイルを塗って数分放置します

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助手

垂れてしまったり塗りづらいところには、オイルを塗ったあと患部に食品用ラップフィルムを被せるなどしてください

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こいち

一応、ボディ・サイドは塗装ではなく建築用の壁紙シートみたいなものなので、オイルが浸透しないよう気をつけること

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助手

このギターのカッタウェイの内側部分はすでに剥がれちゃってますね

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こいち

時間が経ったダンエレの末路だ。気になるような人は所有することにそもそも向いていないと思う

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助手

厳しい

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こいち

ちなみに塗られている塗料によっては相性が悪いこともあるので、大事な楽器はピックガードやネック・プレートの内側の塗装面でパッチテストしてください

〜1時間後〜

オレンジオイルを塗って放置していると、汚れが滲み、浮いてくる

ヘラでなぞっていくと汚れがみるみるうちに取れていく

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助手

数分待つ予定が、けっこうな時間をTVゲームに費やしてしまったわけですが

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こいち

基本的に待てない性分なので、塗装や接着の時にもこれを生かしたいと思いました

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助手

知見を得ている

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こいち

ほーら、みるみる粘着物が落ちていくぞ〜!

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助手

確かに数分だけ放置するより作業性が良いのが悔しいですね

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こいち

カチカチに固まった頑固な接着剤も簡単に取れる〜!

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助手

傷心している身にこのノリはキツイ

清掃に使ったもの。左からHOWARDのオレンジオイル、SIT Stringsのオレンジオイル、ピカール液(研磨剤)、WAKO'Sのスーパージャンボ(パーツ・クリーナー)

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こいち

大まかにオレンジオイルで接着剤を除去したら、ピカールなどの研磨剤で残った汚れも取りつつ、最後は表面の油分を取るため、パーツ・クリーナーでサラサラした触り心地にしています

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助手

繰り返しになりますが、大事なギターは目立たないところでパッチテストを行なってください

清掃後のボディ。見違えるようにキレイになった!

ボディ・バックもご覧のとおり

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助手

店員さんが途中までステッカーを剥がしてくれていたおかげで、苦手な作業も大変スムーズでした

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こいち

前オーナーとギターのドラマを想像するのが楽しいし、貼ってあるステッカーはそのままでも良かったんだけどね……

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助手

剥がさないですよねそれ

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こいち

うん、愛着が湧いちゃう。知らないバンドのステッカーが貼ってあっても剥がさない

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助手

知らないアーティストのサインは?

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こいち

それは落書きなので消します

59-DCを分解する際の注意
〜独自構造により破損の可能性あり!

ピックガード・アッセンブリーを外して裏返した状態。ジャック付近には、金属プレートの“爪”のようなものが

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こいち

分解・清掃中に面白かったのがピックガードとジャック、ボディの取付部分で、シールドの抜き差しに対してピックガードが変形しないように、金属プレートが良い仕事をしていたこと

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助手

端っこのネジ1本で留まっているかと思ったら、金属の爪をボディにスライドして固定するような形になっているんですね

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こいち

ホロウ・ボディという特徴をそのまま利用しているのが大変スマートで賢い

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助手

最初はピックガードの外し方がわからず金属の爪を曲げてしまったそうですが

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こいち

自分の賢さが及ばなかった部分でもある。だってピックガードの他の部分は両面テープで留まってるんだよ……? そういう設計の気持ちに合わせるじゃん

指板のクリーニング
〜ローズウッド指板の掃除法

ボディから取り外した状態のネック

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こいち

フレットの減りから見てもそこまで弾かれたギターでもないみたい

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助手

ライブのメインで使うには不満もあったんでしょうね

フレットと指板の清掃。まずは番手の細かいスチールウールでフレットと指板を磨く

続いてサビやくすみを除去するため、金属研磨剤でフレットを磨く

ローズ材を保護・保湿するため、最後は指板をオレンジオイルで磨く

指板の掃除終了。こちらも見違えるようにキレイに

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こいち

フレットのくすみと指板の汚れは前回と同じく、番手の細かいスチールウールで指板ごと掃除した後に、ピカールで研磨してオレンジオイルで仕上げてみた

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助手

基本的にローズ指板で安価なギターだったらこの流れが多いですね

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こいち

作業量と達成感のバランスがちょうど良くて好きなのだ

ブリッジの修理
〜ではなく、まさかの削り出し

破損したブリッジ・プレート部

プレートを裏から。ちなみに木製のサドルはネジ1本で固定されている

破損部分を近くで見るとパックリ割れてしまっているのがわかる

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こいち

この破損部分を店頭で気づいてパスした猛者はいるのだろうか?

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助手

こんなのかわいさ余って勢いで買っちゃいますよ

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こいち

購入を煽った手前のフォローでもないけど、これは自分でも自信ないわ

装着されていたブリッジ・プレートを横から見ると曲がっていることがわかるだろう

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助手

よく見たら、くたびれたレス・ポールのブリッジみたく、ボディ方向に変形もしてますね

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こいち

もともと細かく調整できるようなブリッジでもないけど、指板のアールに合わせると6弦と1弦の弦高は下げづらいだろうなあ

アルミ板(3mm厚)。ホームセンターなどで販売されている、カット済みのもの

マスキングテープをアルミ板に貼り、その上に製図する。そして糸鋸やドリルで加工していく(※作業の際は充分に気をつけてください)

ブリッジ・プレート完成。繰り返すが、金属を加工する際は充分に注意して作業してほしい

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こいち

ということで多少の責任も感じるので作ってみた

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助手

割愛されすぎて置いていかれました

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こいち

現物から寸法をトレースして、ホームセンターで買ってきたアルミ板を加工しました

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助手

金属加工は敷居が高い気もします

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こいち

エレキ・ギターに使われる木材に比べて、とりわけ加工が難しいほど硬いわけでもなく、なんなら一番柔らかくて加工性が良いまであるので気軽に挑戦してほしい

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助手

ともあれ、ありがとうございます……!

もともとマウントされていたアルミ製ナットと、自作したアルミ製ブリッジ・プレート

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こいち

御託は置いといて、もともと付いているアルミ製ナットにアルミ製ブリッジ・プレートを組み合わせたかった

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助手

まるでこれが本来の姿かのような統一感ですね

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こいち

ジャンク・ギター弄りは人によってさまざまな対処があると思うし、他社製のリプレイスメント・パーツでガッチガチに「改造しました」感を出すのも悪くないけど、「こいち時間」的にはこれが正解かなと

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助手

ギター本体に加工を施すのは最後の手段と

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こいち

自分自身がジャンク・ギターだったら「こいちさんに買われて良かった」と思うような施工を心がけたいものだ

組み上げて修理完了!

新品の弦に張り替えた

自作のブリッジ部に注目してみても、驚くほど違和感がない

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こいち

臆病さもあるので普段より少し細いゲージの弦を張ってみました

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助手

チューニングも問題なさそうですね

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こいち

またしばらくTVゲームでもして様子を見てみるか

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助手

こらこら

完成!

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助手

良かれと思って買ってきたジャンク・ギターが重症とは、前回の二の舞でしたね

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こいち

まさかブリッジ・プレートを作る羽目になるとは思わなかったよ

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助手

でも手が加わると愛着もひとしおですね

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こいち

こうなると思い出補正でジャンク・ギターが増えていく一方なので気をつけるんだぞ!

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助手

説得力がすごい

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こいち

(ゴソゴソ)

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助手

……?

こいち所有の59-DC。改造された個体がジャンク品として転がっていることも多く、それを見るのもジャンク漁りの醍醐味

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こいち

ちなみにこれは自分が過去に手に入れたジャンクのダンエレだ

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助手

同じの持ってるんかい

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こいち

購入価格が同じくらいで少し違う! ピックアップは最初からディマジオのスーパー・ディストーションが載っていたし、ブリッジもワンランク上のものに交換されている状態だった。こっちのほうがお得感が勝る

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助手

め、めんどくさ〜!

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