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  • 旅先で本格的なギターを弾きたい!そんな夢を叶える、旅をコンセプトにしたアコギ。

Travel Guitar OF410N meets 富永寛之

Journey Instruments

近年“旅先でもギターを弾きたい”というプレイヤーの要望にこたえるモデルが登場していますが、またひとつ、その選択肢を豊かにするギターが日本に上陸。ネックとボディを分解することで持ち運びを可能にしたジャーニー・インストゥルメンツのトラベル・ギター“OF410N”です。そこでさっそく、ギタリスト、富永寛之にこのOF410Nを試してもらいました。

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 できれば旅先に本格的なギターを持って行きたい、ギター好きならば、必ず1度は思ったことがあるはず。そんな願いを叶えてくれるのが、今回紹介するジャーニー・インストゥルメンツのトラベル・ギターだ。
 ジャーニー・インストゥルメンツはテキサス州オースティンにあり、2011年にサプライチェーンのマネジメント会社を経営していたロブ・ベイリーによって設立された。当時、毎日のようにギターを弾いていたロブは、仕事で出張が多かったため、楽に持ち運べるギターが欲しくなり、自ら製作することを思いつく。そして彼は、折りたたみ式のギターを会社の仲間と協力して開発。特許を取り、2013年のNAMMショーで発表した。今回、そんなジャーニーのトラベル・ギターが、ついに日本でも発売された。

Travel Guitar OF410N

 今回紹介するOF410Nは、00サイズをさらに小さくしたボディ形状で、リンダ・マンザーが開発した左右非対称のボディ・シェイプ“The Wedge”の使用許諾を取得し、採用。小ぶりながら豊かな音量と良好なフィット感を実現する。最大の特徴は、ネックとボディを簡単にとりはずせる点。ネックとボディの接合は簡単で、ネックをジョイント部分の所定の位置にしっかりと差し込み、ボディ裏に配置されたツマミを締め込んでいくだけ。またツマミをしっかりゆるめることで、ネックとボディをはずすことが可能だ。なんと弦を張ったままでもとりはずしができる。付属の専用バックパックにも、弦を張ったまま収納可能でストレス・フリーだ。バックにはPCが入る便利なポケットもつく。

OF410N

【Specifications】●ボディ・トップ:シトカ・スプルース単板 ●ボディ・サイド&バック:プレミアム・グレード・アフリカン・
マホガニー(積層) ●ネック:アフリカン・マホガニー(カーボンファイバー入り) ●指板:オバンコール ●ブリッジ:オバンコール ●ナット・サドル:牛骨 ●ピックアップ:オリジナル3点式ピエゾ

 ボディ・トップにはシトカ・スプルースの単板が使われ、Xブレイシングという本格的な作り。サイド&バックはアフリカン・マホガニー。ネックも同材で、カーボンファイバーで補強されている。さらにトラスロッドも入っているため、ネックを調整することも可能だ。14フレット・ジョイントの指板&ブリッジにはオバンコールが使われ、スケールは24.5インチ(622.3mm)を採用。求めやすい価格ながらナット&イントネーション・サドルは牛骨で、音質への配慮が感じられる。さらにオリジナルの3点式ピエゾ・ピックアップが組み込まれているためライブにも対応でき、トラベル・ギターという枠を超えたモデルに仕上がっている。

TOMINAGA'S COMMENT

 最初に持った印象として、しっかりしていると感じました。ネックとボディをジョイントする組み立て方も簡単でわかりやすく、時間をかけずに組み立てて演奏できると思います。それから、ネック裏のツマミをまわすことで、ネックとボディがジョイントされていきますが、ツマミの締め込み具合で弦高や音質、テンションが変化していく点も面白いですね。それにサステインも変わります。
 音質は、生音の段階から少しだけエレアコっぽい響き方で、これは好みがわかれるかもしれませんが、真ん中から上の狭いレンジでバランス良くまとまっているので、コントロールしやすいと思います。それから複雑なコードを弾いても低音域が鳴り過ぎないので、コード・トーンが濁らず出てくれます。音の立ち上がりも速いですね。
 エレクトリックで弾くと、良い意味で生音の印象とほぼ変わらず、ライブでも使いやすいと思います。音が生音とエレクトリックで大きく変化してしまうと、僕の場合は音楽のイメージが変わってしまうため、変化しない方が好きですね。それからエフェクター乗りも良さそうで、空間系はもちろん、ディストーションやワウなどもアグレッシブに使ってみたいですね。
 弾き心地はネックが薄いため、普段エレクトリック・ギターや僕みたいにウクレレを弾く人が持ち替えても違和感がなく、すごくオススメです。また左右非対称のボディですが、体とのフィット感もいい。
 何よりも専用バックに入れることで、ほとんどの飛行機で機内持ち込みできることが嬉しいですね。不思議と専用のバックに入れて持ち歩く方が、ギターのみを持つよりも軽く感じます。旅行やツアーに、ぜひ持ち歩きたいですね。

専用のバックパック。14インチのラップトップPCも一緒に入れることができる。

富永が背負うとこのように。

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製品情報

Journey Instruments / Travel Guitar OF410N

価格:¥105,000 (税別)

【スペック】
●ボディ・トップ:シトカ・スプルース単板 ●ボディ・サイド&バック:プレミアム・グレード・アフリカン・ マホガニー(積層) ●ネック:アフリカン・マホガニー(カーボンファイバー入り) ●指板:オバンコール ●ブリッジ:オバンコール ●ナット・サドル:牛骨 ●ピックアップ:オリジナル3点式ピエゾ
【問い合わせ】
Journey Guitars Japan https://www.journeyguitarsjp.com
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プロフィール

富永寛之(Hiroyuki Tominaga)
1972年、兵庫県明石市生まれ。ギター、ウクレレ演奏家。バンバンバザールなどを経て、現在はブルームーンカルテットを中心にさまざまなバンドで活躍。 ジャンルにとらわれない自由な演奏スタイルと即興性には定評がある。 ライブツアー、レコーディング、アレンジ、プロデューサー、とフレキシブルに活動し、全国を飛びまわる。

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