GENZLER / ACOUSTIC ARRAY MINI
GENZBENZでの長年のギター／ベース・アンプ製作の技術をもとに、NYブルックリンで立ち上がったブランドGENZLER（ゲンツラー）より、世界初のアコースティックアレイを取り入れたエレアコ用コンボ・アンプACOUSTIC ARRAY MINIが登場した。そこでここでは普段から現場によってはエレアコ用アンプを持ち込んでモニターやPAとして活用しているというシンガー／ソングライターのエバラ健太に試奏してもらった。
GENZLER（ゲンツラー）ACOUSTIC ARRAY MINIは従来のキャビネットの常識を覆す世界初のアレイシステムの要素をとり入れたエレアコ用コンボ・アンプだ。低音用の8インチ・ウーファーと高音用の4つのドーム状ツイーター・アレイを同軸上に配置したスピーカー構造が特徴で、豊かな厚みのある中高音域をカバーしながら、ギターの細やかな輪郭や息づかいまでも表現できるようになっている。マイク入力とインスト入力それぞれにコントロールが設けられており、マイク1本とギターによる弾き語りも本機1台でまかなうことができる。マイク入力は2バンドEQ、インスト入力は3バンドEQや、コントゥアー機能の他、調節する周波数帯域を200Hz〜5kHzで選べるMID フリークエンシーも装備。楽器や現場に応じたさまざまな設定も可能。内蔵エフェクトはコーラスとリバーブで、マイク入力にはリバーブのみ。各入力でエフェクトのかかり具合いを調節することができ、リバーブ・タイムとコーラス・レイトも用意。リアパネルにはヘッドフォン・アウトとAUXインの他、ダイレクト・アウトを備え、外部アンプやPAに直接送ることもできるようになっている。
ACOUSTIC ARRAY MINI
【Specifications】●フロント・パネル：マイク・チャンネル（XLR）—プリアンプ・ボリューム、EQ（ロー、ハイ）、リバーブ／インスト・チャンネル（フォーン）—、プリアンプ・ボリューム、フェイズ・スイッチ、コントゥアー・シェイプ、EQ（ロー、ミッド・ゲイン、ミッド・フリークエンシー、ハイ）、エフェクト（リバーブ、コーラス）／マスター・セクションーリバーブ・タイム、コーラス・レート、マスター・ボリューム ●バック・パネル：ACスイッチ、ヘッドフォンアウト、AUXインプット、XLRダイレクト・アウトプット、グランドリフト切り替えスイッチ、スピーカー・アウトプット ●外形寸法：368mm（H）×367mm（W）×305mm（D） ●重量：9.5kg
ギター本来の音をしっかりと聴く人に届けるという、その基本がよくできているアンプだと思います。
すごくナチュラルな音ですね。試しにEQは全部フラットにして、エフェクトもかけずに出してみたんですけど、その状態でいい音のするアンプって少ないんですよ。たいていはEQをいろいろと調節して、まずはフラットな状態を作ってから音作りを始めるんですけど、このアンプはEQがフラットの状態でいい音がします。アンプによっては強く弾いたところと弱く弾いたところの差が極端なものもあるんですけど、これはそういうところがなくて弾きやすいですね。それと音がボワッとまとまって出てしまうと、どうしても演奏のコントロールが難しいんですけど、高音域と低音域がいい意味で混ざっていないというか、各帯域が聴きとりやすいです。つまみの効きは滑らかで、特にミッドの効きがリアルです。リバーブは透き通る感じ。アコギのリバーブって、低音がたまりやすくて、リバーブのEQで低音をカットすることが多いんですけど、これは美味しい音域にかかっていて、その必要は感じられないですね。このアンプをお勧めするならギター本来の音をナチュラルに出したい人。ギター本来の音をしっかりと聴く人に届けるという、その基本がよくできているアンプだと思います。
価格：オープン
エバラ健太
1983年東京都出身。9歳の頃よりギターに触れ始め、大学卒業後にアンジェラ・アキのオープニングアクトに抜擢されたのを機にプロとしての音楽活動をスタート。シンガー／ソングライターとして演奏を続ける他、さまざまなアーティストのアレンジやCMなどの楽曲制作などを手がける。2015年にモーリス・フィンガーピッキングデイ・コンテストに出場し、最優秀賞を獲得。アコースティック・ギター教室も主宰。
