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  • 【ジャンク・ギターでこいち時間 デジマート出張版】第4回

ジャンク初心者にも最適! 見た目良し、コスパ良しの「Epiphone / SG G-310」を修理する

エレキ・ギター(ジャンク)

ジャンク・ギターの修理をライフワークとする“こいち”による、ジャンク沼誘導連載第四弾。今回は、高いコストパフォーマンスで老若男女問わず人気のブランドEpiphoneの「SG G-310」を修理する。もともとがリーズナブルな価格ゆえか市場に多く流通しており、ジャンクとして販売されていることも多いが、安かろう悪かろうなんてとんでもない! 基礎がしっかりしているからこそ人気があり、かつジャンク修理の入門にもうってつけなギターなのである。

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【注意】
ジャンク・ギターの購入、及び修理の際は、個人の責任において、細心の注意を払って行なってください。当コーナーで示した修理内容や方法はあくまで参考であり、あらゆる人と環境、ギターに適応するものではございません。ジャンク・ギターの購入、修理において万が一の事故が発生した場合も、こいち氏、及びデジマート・マガジン編集部、デジマートで責任を負うことは出来かねますので、何卒ご了承ください。

登場人物

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こいち
ジャンク楽器に目がない。壊れた楽器をパズルや知恵の輪としか見ていない。難題を解いた時の快感が忘れられず、ズルズルと今に至る。

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助手
ブログ「こいち時間」の看板娘兼助手。楽器・機材の耳年増。ハンダづけされた部品を外す時に手伝ってくれたりする。

ジャンク・ギター出土
〜リサイクルショップでEpiphone / SG G-310をゲット

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こいち

本日は調子が良くて、一日でジャンク・ギターを2本回収してきた

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助手

過度な外出と買い占めはやめてください!

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こいち

時事ネタを敏感に取り入れての注意喚起だ……

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助手

ジャンク品を漁った後はどうするんでしたっけ

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こいち

手洗いと除菌シートで手を清潔に保ちましょう

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助手

ヨシ!

Epiphone SG G-310

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こいち

じゃじゃーん、EpiphoneのSGだ

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助手

Gibsonの廉価版に位置するブランドのイメージですけど、失礼ながら今回は普通の個体を持ってきましたね

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こいち

初心者向けの安ギターとか思うでしょ? でもお店で見かけた時のオーラがただ者じゃなかったのよ

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助手

ジャンクの目利きも最終的にはオーラで判断になると

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こいち

一目惚れしちゃった

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助手

それは仕方ない

状態の確認
〜ピックアップなどの欠如やネック折れ修理跡あり!

特徴的なEpiphoneオリジナルのヘッド形状。ロゴには貝調のものが使われている

ペグはニッケル・メッキのしっかりしたものが搭載されている

ボディ側はピックアップ欠品、ピックアップ・セレクターつまみ欠品と不足品多数

ボディ背面はボルトオン・ジョイントのプレートが確認できる

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助手

今回はピックアップ含め、多少パーツが欠品しているくらいのジャンク・ギターですかね

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こいち

このまま音は出るし、ギターとして使う分にはなんら問題はないけど、記事的にフロント・ピックアップくらいは追加したいなと

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助手

1弦が切れているのは地味に悔しい

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こいち

お買い得なジャンク品と思って飛びついても弦代が余計にかかってしまうからな

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助手

ともあれ軽症なジャンク・ギターのようで安心しました

ネック裏にはネック折れの修理跡あり

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こいち

あとはネック折れ(剥がれ)の修理跡があるくらいだな

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助手

やっぱりめちゃくちゃジャンク・ギターじゃないですかー!

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こいち

でも商品説明にはネックのことは一切書かれていなかったぞ。お店側もフロント・ ピックアップ欠品に比べれば些末なことのようだ

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助手

確かにチューニングは問題なくできていますね

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こいち

しっかり接着されているかは怪しいところだけど、全弦1音上げチューニングのストレスを与えても大丈夫そうなので問題ないことにした

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助手

ネックにヒビが入っていたり、折れた形跡があるジャンク・ギターは使えるか不安に思う人も多いと思いますが

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こいち

折れ方にもよるから一概には言えないけど、レギュラー・チューニングができている状態を保てているギターなら臆せず使ってしまうなあ

もともとオープン・タイプのピックアップが搭載されていたが、前オーナーによってカバード・タイプへと交換された。それに伴い、ピックガードの穴が広げられたであろう加工跡が残っている

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こいち

前オーナーが形だけでもエレキ・ギターとして組み上げて売却したみたいな状態だ

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助手

純正ピックアップから金属カバー・タイプのピックアップに交換されていますね

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こいち

当初はパーツ取りとして手に入れたけど、いざ処分する際に良心の呵責にさいなまれて、せめて不要なピックアップをひとつでも付けて放してあげようみたいな気持ちになったのかなあ

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助手

まるで実体験のように語りますね

ピックアップのリプレイスと位相の確認
〜中国製の激安ピックアップに交換!

搭載されていたリア・ピックアップのアースを確認する。測定レンジは「Ω」

白い線が芯線(ホット)、網状のものがシールド線(コールド)

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こいち

まずは、もとのピックアップの状態を確認しよう

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助手

シールド線(コールド)と金属カバーの導通が確認できました

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こいち

1芯シールド線のピックアップだし、安易にホット側とコールド側を入れ替えるのは向いてないということがわかる

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助手

不器用な仕様のピックアップなんですね

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こいち

幸い交換用ピックアップの類は融通の効くタイプが多いので、そちら側から相性を合わせてもらうことにしよう

アナログ・テスターを用いたピックアップの位相チェック。赤い端子を芯線、黒い端 子をシールド線に接続している。測定レンジは「DCV」

ドライバーをピックアップに近づけて発電させている様子

ドライバーを近づけると、テスターの針が0からマイナス方向に振れているのが確認できる

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こいち

続けてもともと付いていたリア・ピックアップの位相チェックだ

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助手

このピックアップはマイナス方向に振れるタイプですね

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こいち

ということで追加するピックアップも同じ方向に振れるタイプのものが好ましいということがわかる

追加するフロント・ピックアップ。AmazonのHomylという出品者(ストア)から購入した、ブレード・タイプのシングル・サイズ・ハムバッカー(商品名は「デュアルレール ハムバッカー ピックアップ」)

特徴的な大きなエスカッションは、ハムバッカー・サイズのピックガード穴の目隠しにもなる

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助手

クセのあるデザインのピックアップを出してきましたね

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こいち

中華激安ピックアップのひとつだ。かわいいだろ

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助手

センセー! このピックアップ、シールド線側をコールドにするとリア・ピックアップと同じくマイナス方向に針が振れますよ!

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こいち

では難しいことは考えずに取り付けてしまおう

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助手

ちなみに実際、ピックアップの位相を合わせないとどうなるんですか?

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こいち

ハーフ・トーン・ポジションにした時に低音のないスッカスカな音になる。迫力がなくなるから、誰でもおかしさには気づくと思う

金属ピックアップ・カバーはベース・プレート上に2点でハンダ付けされている

外された金属ピックアップ・カバーとピックアップ。共振対策は両面テープのみだった

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助手

結局、リア・ピックアップの金属カバーは外してしまうんですね

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こいち

見た目のゴージャス感はジャンク・ギターに不釣り合いという個人的な趣味だ

ピックアップ取付後

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こいち

へんちくりんな見た目になって良い

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助手

かわいいかわいい

“ネック折れ”ジャンク・ギターはネック自体を交換していい?
〜スケールや取り付け位置に注意!

上からショート、ミディアム、ロング・スケールのネック

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助手

ちなみにボルトオン・ギターの強みを生かして、ネック交換は可能なんですか?

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こいち

このギターはミディアム・スケールだから、合うネックを探すのが大変だと思うぞ

ショート・スケールのネックを取り付けてみた

正しいスケール位置にショート・スケール・ネックを置くと、フロント・ピックアップまでネック・エンドが食い込んでしまう

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こいち

例えばショート・スケールのネックを取り付けようとすると、ボディにネックを深く入れる必要があるし

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助手

ふむふむ(かわいいかわいい)

ロング・スケールのネックを取り付けた状態

一方で、ロング・スケール・ネックを正しい位置に置いてみると、ネック・ポケットに隙間ができてしまう

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こいち

ロング・スケールのネックを取り付けようとするとネック・ポケットの外に出てしまうこともある

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助手

なるほど、せめて同型のモデルから持ってくる必要があるんですね!(かわいいかわいい

ネック・プレートも汎用タイプと異なる小さいサイズのものが使われている

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こいち

本来、セットネック仕様だったギター・デザインをボルトオン仕様に落とし込んでいるので、ネックに限らずネック・プレートも特殊なものが使われている

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助手

かわいいかわいい

ブリッジやパーツなどを最終調整
〜細部に宿る“Epiphone SG”ならではの個性

欠品していたピックアップ・セレクター・ノブの取付

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助手

ジャンク・パーツから見繕った適当なノブを取り付けちゃいますね

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こいち

こういう汎用パーツで済む部分は作業が楽で良い

ペグを固定するナットの増し締め

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こいち

弦を張る前に、緩んできがちなペグのナットは締め直しておこう

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助手

弦交換の際には毎回チェックしたい部分ですね

Epiphone Lock Tone Systemのブリッジとテイルピース

板バネが埋め込まれており、部品の脱落防止に一役買っている

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助手

さっきのペグ然り、ブリッジとテイルピース然り、入門用ギターとして括るには失礼なくらいしっかりしたものが付いていますね

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こいち

細かいところだけど、振動に関わるパーツの手を抜かないのは素晴らしいプロダクトだと思う

ギター本体を傾けてもブリッジとテイルピースが脱落することはない

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こいち

弦を外した状態でテイルピースが外れないのすごくない!?

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助手

すごい……!

Gibson SG Special(右)と並べてみた。ご覧の通り、ブリッジ位置やピックガードなどが異なる

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こいち

本家SGと並べてみるとわかるんだけど、似せる気がない

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助手

ネックの仕込みが深いからか、ブリッジとテイルピースはお尻に寄っているんですね

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こいち

SGの弱点だったヘッド落ち対策にも一役買ってる感じで良いわね

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助手

よく見たらピックガードも小振りになっている

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こいち

ブリッジを外さなくてもピックガードを外せるのはとても嬉しいポイントだ

修理完了!

作業完了

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こいち

単にコストダウンされたコピー・モデルではなく、安くて強い「Epiphone SG」というギターを作ろうとしていて大変良かった

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助手

憧れのアーティストのコスプレはしたいものですし、見た目が似てるだけの廉価版を求めるユーザーも多いかもしれませんが

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こいち

比べるものが上にあるという劣等感はさぞ苦しいと思うので、そういう人はお金を貯めてドンズバ・モデルを買いましょう

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助手

ドンズバ・モデルっって久しぶりに聞きましたよ

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こいち

俺が一番お前の価値を理解しているみたいな気持ちにさせてくれる良い出会いであった

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助手

そういうジャンク・ギターにチョロすぎますね〜

過去記事一覧

第1回:昭和の通販ギター「Tomson / SPLENDOR SERIES」を修理する

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第2回:ハイセンスな名ギター「Danelectro / 59-DC Daddy-O-Yellow」を修理する

koichi#2_main.jpg

第3回:'90sフュージョン・シーンを彩ったシンセ・ギター「CASIO / PG-300」を修理する

koichi#3_main.jpg

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