ヘッドウェイの桜10周年記念モデル、第一弾としてSAKURA'24&YOZAKURA'24の全8機種が登場
- 2024/03/19
エレキ・ギター(ジャンク)
ジャンク・ギターの修理をライフワークとする“こいち”による、ジャンク沼誘導連載第五弾。今回は、リーズナブルなギターを多数リリースしているPLAYTECHの7弦ギター「PTR7450FR」を取り上げる。発売当時、7弦ギターでありながらその驚異的な安さ(なんと15,800円!)が話題となっていたが、廃番となった現在でもそのインパクトは色褪せない。このたび、こいちセンセーが手に入れた個体は、決してジャンクな状態ではないというが……?
【注意】
ジャンク・ギターの購入、及び修理の際は、個人の責任において、細心の注意を払って行なってください。当コーナーで示した修理内容や方法はあくまで参考であり、あらゆる人と環境、ギターに適応するものではございません。ジャンク・ギターの購入、修理において万が一の事故が発生した場合も、こいち氏、及びデジマート・マガジン編集部、デジマートで責任を負うことは出来かねますので、何卒ご了承ください。
こいち
ジャンク楽器に目がない。壊れた楽器をパズルや知恵の輪としか見ていない。難題を解いた時の快感が忘れられず、ズルズルと今に至る。
助手
ブログ「こいち時間」の看板娘兼助手。楽器・機材の耳年増。ハンダづけされた部品を外す時に手伝ってくれたりする。
このたびめでたく、前回購入していたジャンク・ギター2本のうち、もう1本も登場することになった
最近は出かけることもままならないですしね
このまま外出自粛を続けると、インターネットでジャンク品を探すしかなくなってしまうじゃないか
これを見ている楽器店の方がデジマートにジャンク・ギターを出品してくれるといいですね
ということで、「PLAYTECH」より激安7弦ギターの登場だ
楽器通販サイトの看板娘(?)として大先輩のお姉さんがいるところじゃないですか
避けてはいたけど、時間の問題で出会ってしまったようだな
老舗としての実力、見せてもらいましょう……!(ライバル心)
「多弦の使う用途なんてこういうことでしょ?」と言わんばかりの徹底した見た目ですね
どこまでも尖っていて黒いデザインは男の子心をくすぐるわい
普通にガリもなく、アンプから音も出るようですがどこか壊れているんですか?
もとが激安ギターなので全体的に作りが荒いし、ほとんどジャンク・ギターみたいなものと判断した
不名誉な紹介のしかただ
とりあえず気になるところがたくさんあるので、自分好みに仕立ててみようと思う
こちらは鋭すぎるフレット端です
とりあえず安ギターの使用感の改善として、スポンジヤスリなどでフレットの角を丸めてみた
これだけで演奏のストレスはだいぶ解消されますね
フレットを打っただけで、すり合わせもされていないようだし、模型をいじっている気分になってくる
白髪染めが出てきましたね
このギター、指板だけが黒くなかったし、色合いもチープな感じだったので染めてしまおうかと
プラモデル感覚になってきてるじゃないですか
ほほほ、いつから“ギター”をいじっていると錯覚していた?
この連載は「ジャンク・ギターでこいち時間」ですよ
染めました感は髪でも指板でも一緒ですね
結局チープなままだろうと、エボニー指板風になっていればよいのだ
突然、危険な電動工具での作業が登場しましたね
ここは個人的に譲れずに作業してしまっただけなので、軽く読み飛ばしてほしいな
作る方も塗装前にマスキングのひとつでもしていれば結果的に楽だったと思うんですが
このプロダクトは全体的に弾く人のことを考えられていないので、「ギター」の形になっていれば良かったんだろうね
目的として、弦とボディが離れていると弾きづらいので近づけたかったし、ピックアップのエスカッションは外したかったし、ブリッジは低くしたかった
たった1mmでたくさんの効果がありますね
連載の趣旨からは外れるけど、この作業が一番手っ取り早かった
同じ部品を流用したせいだと思うんだけど、太い弦に対応していないサドルが気になる
これだと弦高も高くなってしまいますし、弦の折れ曲がる頂点の位置も変わってしまいますね
見るからにダラしない音が鳴りそうだ
弦を支える片側がこんなグニャグニャしているようじゃ、7本もの弦は任せたくない
確かにこんな状態の橋(弦)は渡りたくないですね
いかにも形だけコピーしましたみたいなアーム・ユニットなので、動かすことは考えられていない
刃の当たり方がアーム・アップとダウンで変わるのは具合が悪そうですね
ロック・ナットも欠品しているし、動かさないことが吉だと思う
アーム・ユニット高さ調整用のスタッドは低くしたいけど、ボディ側のアンカーは高くしたいので下駄を履かせます
製造される時点で5mm浅く穴あけされていれば良かった話ですよね
何度も言うけど、部品が付いていればOKラインなんだろう
折れたドラム・スティックをアーム・ユニットの下に噛ませました
この連載にふさわしいジャンク、廃材利用ですね
アーム・アップ方向を封印してチューニングの安定度を向上させないと使い物にならなかった
前々回の記事で取り外されたトレモロ・スプリングをここで使わせていただきます
この連載にふさわしいジャンク、廃材利用ですね
スプリングが5本にもなると共振が気になるので、バック・プレートにスポンジを貼り付けてみた
ミュートしたくないときは外せばいいし、普通に便利ですねこれ
エスカッションも外してしまいましたね
10年以上前のギターだから仕方ないけど、古臭く見えるのが嫌だった
このままだとネジ穴が残ったままですが
そういうのは嫌じゃないんだな〜
ピックアップのタップ線が丸見えなのはさすがに良くない
アースに落ちていないとはいえ、裏蓋のアルミシートに触れちゃうのも精神衛生的に嫌ですね
ハンダを外してまで熱収縮チューブを巻きたくないので、絶縁テープを巻いて簡単フィニッシュだ
安ギターのハンダって溶かすと臭いがキツイ場合もありますしね
見てよ……作業も済んだし、蓋を閉めて終わりかと思ったらネジが留められないんだぜ?
組み込んだ人はよく蓋を閉められたと感心します
えーい! ここのネジだけ銀色なのも気になりますし、いくら挑戦しても固定できないので、黒くて長いネジに交換しますね!
もう開けたくない
作業に疲れている
ストラップ・ピンのネジも太くて長いものに交換します
もとの細くて短いネジでこの柔らかいボディ材(ホワイトウッド)にストラップ・ピンを固定するのは無理では……?
残念だけど、ストラップをかけて立って構えることも許してくれないようだ
コスプレにも使えないじゃないですか
「見た目を自分好みに、演奏もできるようにする」という目標は達成された
下手なジャンク・ギターより手間隙かかりましたね
この作業量の多さがすべてを物語っている
ネットのレビューなんかを見ると「安いなりに使える」みたいな意見もありますが
決して入門用や初心者向けギターではないので間違っても初めの1本で買ってはいけません!
厳しい意見だ
挫折を誘発するだけだろうし、予算が許すなら高い楽器のほうがよっぽど初心者向けですよ
立ち位置の難しい製品ですね
未完成のものを売っていると思えば割り切れるし、レストア趣味の人は楽しいと思うぞ
こんなご時世だし、自宅で楽しめる趣味としてギターを始める人が増えたらいいな
調べればたくさん情報も出てくるでしょうし、敷居は下がったでしょうね
自宅で楽しめる趣味として、ジャンク・ギターいじりを始める人も増えたらいいな
初めてのギターが今回みたいなものだったら、そっちに傾倒しちゃうかもしれませんね
ギターを始めたい人はちゃんとギターを買おう!
じゃないとセンセーみたくなっちゃいますよ!