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  • 【ジャンク・ギターでこいち時間 デジマート出張版】第5回

激安7弦ギター「PLAYTECH / PTR7450FR」をレストア&カスタムする

エレキ・ギター(ジャンク)

ジャンク・ギターの修理をライフワークとする“こいち”による、ジャンク沼誘導連載第五弾。今回は、リーズナブルなギターを多数リリースしているPLAYTECHの7弦ギター「PTR7450FR」を取り上げる。発売当時、7弦ギターでありながらその驚異的な安さ(なんと15,800円!)が話題となっていたが、廃番となった現在でもそのインパクトは色褪せない。このたび、こいちセンセーが手に入れた個体は、決してジャンクな状態ではないというが……?

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【注意】
ジャンク・ギターの購入、及び修理の際は、個人の責任において、細心の注意を払って行なってください。当コーナーで示した修理内容や方法はあくまで参考であり、あらゆる人と環境、ギターに適応するものではございません。ジャンク・ギターの購入、修理において万が一の事故が発生した場合も、こいち氏、及びデジマート・マガジン編集部、デジマートで責任を負うことは出来かねますので、何卒ご了承ください。

登場人物

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こいち
ジャンク楽器に目がない。壊れた楽器をパズルや知恵の輪としか見ていない。難題を解いた時の快感が忘れられず、ズルズルと今に至る。

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助手
ブログ「こいち時間」の看板娘兼助手。楽器・機材の耳年増。ハンダづけされた部品を外す時に手伝ってくれたりする。

ジャンク・ギター出土
〜リサイクルショップで買ったPLAYTECH / PTR7450FR

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こいち

このたびめでたく、前回購入していたジャンク・ギター2本のうち、もう1本も登場することになった

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助手

最近は出かけることもままならないですしね

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こいち

このまま外出自粛を続けると、インターネットでジャンク品を探すしかなくなってしまうじゃないか

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助手

これを見ている楽器店の方がデジマートにジャンク・ギターを出品してくれるといいですね

PLAYTECH / PTR7450FR

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こいち

ということで、「PLAYTECH」より激安7弦ギターの登場だ

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助手

楽器通販サイトの看板娘(?)として大先輩のお姉さんがいるところじゃないですか

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こいち

避けてはいたけど、時間の問題で出会ってしまったようだな

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助手

老舗としての実力、見せてもらいましょう……!(ライバル心)

状態の確認
〜故障や不具合はほぼ見つからないが……

ペグが片方に7つ並んだヘッド。ロック・ナットは欠品していた

ブラック・ハードウェアでまとめられたボディ。アームは欠品していた

ボリュートのない薄めのネック。角度付きヘッドは木を継ぎ足して接合しているタイプ

バック・プレートには同社のSTタイプから流用したと思われる、弦通し用の穴があいたものが使われている

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助手

「多弦の使う用途なんてこういうことでしょ?」と言わんばかりの徹底した見た目ですね

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こいち

どこまでも尖っていて黒いデザインは男の子心をくすぐるわい

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助手

普通にガリもなく、アンプから音も出るようですがどこか壊れているんですか?

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こいち

もとが激安ギターなので全体的に作りが荒いし、ほとんどジャンク・ギターみたいなものと判断した

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助手

不名誉な紹介のしかただ

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こいち

とりあえず気になるところがたくさんあるので、自分好みに仕立ててみようと思う

ネックまわりの調整
〜フレットのバリ取りと指板の黒染め、ネック・ポケットをザグる

フレットの角が尖っている状態。フレットの浮きも見受けられる

鋭利だったフレットの角をスポンジヤスリを使って丸めていく

フレットの角を丸めた状態

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助手

こちらは鋭すぎるフレット端です

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こいち

とりあえず安ギターの使用感の改善として、スポンジヤスリなどでフレットの角を丸めてみた

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助手

これだけで演奏のストレスはだいぶ解消されますね

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こいち

フレットを打っただけで、すり合わせもされていないようだし、模型をいじっている気分になってくる

塗装前の下準備として脱脂・洗浄された指板。艶もなくカラカラな状態になった

使用したWAKO'Sのパーツ・クリーナー

指板に白髪染めを塗った状態

ビゲン クリームトーン 7G(白髪染め)

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助手

白髪染めが出てきましたね

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こいち

このギター、指板だけが黒くなかったし、色合いもチープな感じだったので染めてしまおうかと

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助手

プラモデル感覚になってきてるじゃないですか

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こいち

ほほほ、いつから“ギター”をいじっていると錯覚していた?

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助手

この連載は「ジャンク・ギターでこいち時間」ですよ

真っ黒になった指板。白髪染めを拭き取り、フレットを磨いた状態

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助手

染めました感は髪でも指板でも一緒ですね

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こいち

結局チープなままだろうと、エボニー指板風になっていればよいのだ

ネック・ポケット。マスキングせずに塗装が乗っており、平面が出ていない

トリマーを使い、ネック・ポケットを1mm切削している

塗装を削り取ったネック・ポケット部

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助手

突然、危険な電動工具での作業が登場しましたね

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こいち

ここは個人的に譲れずに作業してしまっただけなので、軽く読み飛ばしてほしいな

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助手

作る方も塗装前にマスキングのひとつでもしていれば結果的に楽だったと思うんですが

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こいち

このプロダクトは全体的に弾く人のことを考えられていないので、「ギター」の形になっていれば良かったんだろうね

ネック・ポケット部を1mmザグったことにより、ネックがボディに深く入るようになった

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こいち

目的として、弦とボディが離れていると弾きづらいので近づけたかったし、ピックアップのエスカッションは外したかったし、ブリッジは低くしたかった

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助手

たった1mmでたくさんの効果がありますね

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こいち

連載の趣旨からは外れるけど、この作業が一番手っ取り早かった

ブリッジまわりをカスタム
〜ブリッジ・サドルの調整とアーム・ユニットの劇的改造

7弦のサドル部。7弦の太さのゲージでは溝に入らない状態

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こいち

同じ部品を流用したせいだと思うんだけど、太い弦に対応していないサドルが気になる

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助手

これだと弦高も高くなってしまいますし、弦の折れ曲がる頂点の位置も変わってしまいますね

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こいち

見るからにダラしない音が鳴りそうだ

トレモロ・ユニットのアンカー、スタッド部。アンカーはボディに深く沈んでしまっている

アンカーは手で引っ張るだけで簡単に抜けてしまった

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こいち

弦を支える片側がこんなグニャグニャしているようじゃ、7本もの弦は任せたくない

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助手

確かにこんな状態の橋(弦)は渡りたくないですね

アーム・ユニットのナイフ・エッジ部。名前にそぐわず鋭さはない

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こいち

いかにも形だけコピーしましたみたいなアーム・ユニットなので、動かすことは考えられていない

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助手

刃の当たり方がアーム・アップとダウンで変わるのは具合が悪そうですね

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こいち

ロック・ナットも欠品しているし、動かさないことが吉だと思う

アンカーの嵩上げ用に使用する、5mmの厚さに切り出した直径10mmの丸棒

位置の上がったアンカーおよびスタッド

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こいち

アーム・ユニット高さ調整用のスタッドは低くしたいけど、ボディ側のアンカーは高くしたいので下駄を履かせます

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助手

製造される時点で5mm浅く穴あけされていれば良かった話ですよね

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こいち

何度も言うけど、部品が付いていればOKラインなんだろう

7弦サドル部分。弦が入るように棒ヤスリで拡張している

弦を張り、オクターブ調整を済ませた

折れたドラム・スティック

ブリッジをベタ付けするためにドラム・スティックを挟み込んでいる

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こいち

折れたドラム・スティックをアーム・ユニットの下に噛ませました

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助手

この連載にふさわしいジャンク、廃材利用ですね

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こいち

アーム・アップ方向を封印してチューニングの安定度を向上させないと使い物にならなかった

3本だったトレモロ・スプリングを5本に追加。共振を抑えるためにバック・プレートにはスポンジを貼り付けた

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こいち

前々回の記事で取り外されたトレモロ・スプリングをここで使わせていただきます

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助手

この連載にふさわしいジャンク、廃材利用ですね

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こいち

スプリングが5本にもなると共振が気になるので、バック・プレートにスポンジを貼り付けてみた

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助手

ミュートしたくないときは外せばいいし、普通に便利ですねこれ

ピックアップ&配線まわりをレストア
〜エスカッションの排除と配線の改善

ゴムスポンジに両面テープがついたもの

ピックアップに先ほど切り出したスポンジを取り付け

ピックアップをダイレクト・マウントにするため、木ネジに交換

エスカッションを外してダイレクト・マウント仕様に変更

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助手

エスカッションも外してしまいましたね

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こいち

10年以上前のギターだから仕方ないけど、古臭く見えるのが嫌だった

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助手

このままだとネジ穴が残ったままですが

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こいち

そういうのは嫌じゃないんだな〜

コントロール・キャビティ。ボリューム、トーン、ピックアップ・セレクターの構成

ピックアップのタップ線がテープから飛び出ている

ピックアップのタップ線に絶縁テープを巻き直した状態

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こいち

ピックアップのタップ線が丸見えなのはさすがに良くない

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助手

アースに落ちていないとはいえ、裏蓋のアルミシートに触れちゃうのも精神衛生的に嫌ですね

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こいち

ハンダを外してまで熱収縮チューブを巻きたくないので、絶縁テープを巻いて簡単フィニッシュだ

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助手

安ギターのハンダって溶かすと臭いがキツイ場合もありますしね

フロント・ピックアップのケーブルが邪魔をして、キャビティの蓋を留められない

ケーブルにはネジ山の跡が付いてしまっている

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こいち

見てよ……作業も済んだし、蓋を閉めて終わりかと思ったらネジが留められないんだぜ?

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助手

組み込んだ人はよく蓋を閉められたと感心します

もともと付いていたネジ(左)と交換するネジ(右)

蓋を固定できるようになった

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助手

えーい! ここのネジだけ銀色なのも気になりますし、いくら挑戦しても固定できないので、黒くて長いネジに交換しますね!

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こいち

もう開けたくない

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助手

作業に疲れている

交換する太くて長いネジ(左)と付属のネジ(右)

取り付け後

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こいち

ストラップ・ピンのネジも太くて長いものに交換します

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助手

もとの細くて短いネジでこの柔らかいボディ材(ホワイトウッド)にストラップ・ピンを固定するのは無理では……?

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こいち

残念だけど、ストラップをかけて立って構えることも許してくれないようだ

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助手

コスプレにも使えないじゃないですか

修理完了!

施工後のボディ

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こいち

「見た目を自分好みに、演奏もできるようにする」という目標は達成された

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助手

下手なジャンク・ギターより手間隙かかりましたね

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こいち

この作業量の多さがすべてを物語っている

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助手

ネットのレビューなんかを見ると「安いなりに使える」みたいな意見もありますが

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こいち

決して入門用や初心者向けギターではないので間違っても初めの1本で買ってはいけません!

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助手

厳しい意見だ

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こいち

挫折を誘発するだけだろうし、予算が許すなら高い楽器のほうがよっぽど初心者向けですよ

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助手

立ち位置の難しい製品ですね

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こいち

未完成のものを売っていると思えば割り切れるし、レストア趣味の人は楽しいと思うぞ

できあがり!

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こいち

こんなご時世だし、自宅で楽しめる趣味としてギターを始める人が増えたらいいな

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助手

調べればたくさん情報も出てくるでしょうし、敷居は下がったでしょうね

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こいち

自宅で楽しめる趣味として、ジャンク・ギターいじりを始める人も増えたらいいな

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助手

初めてのギターが今回みたいなものだったら、そっちに傾倒しちゃうかもしれませんね

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こいち

ギターを始めたい人はちゃんとギターを買おう!

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助手

じゃないとセンセーみたくなっちゃいますよ!

過去記事一覧

第2回:ハイセンスな名ギター「Danelectro / 59-DC Daddy-O-Yellow」を修理する

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第3回:'90sフュージョン・シーンを彩ったシンセ・ギター「CASIO / PG-300」を修理する

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第4回:ジャンク初心者にも最適! 見た目良し、コスパ良しの「Epiphone / SG G-310」を修理する

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