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  • 【ジャンク・ギターでこいち時間 デジマート出張版】第7回

見た目、サウンド、パーツすべてが唯一無二の名ベース「Rickenbacker / 4003」を修理する

エレキ・ベース(ジャンク)

ジャンク・ギターの修理をライフワークとする“こいち”による、ジャンク沼誘導連載第七弾。今回は、連載では初のベース「Rickenbacker / 4003」を修理する。リッケンバッカーのベース/ギターは、ルックスやサウンドと同じくパーツや仕様まで唯一無二。そのため本器の修理は難航し……結果的に、オリジナルを生かしたレストアをしつつ、まさかピックアップのリワインドを自力で行なう(!)ことに。“こいち時間”らしいパワープレイをお楽しみください!

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【注意】
ジャンク・ギターの購入、及び修理の際は、個人の責任において、細心の注意を払って行なってください。当コーナーで示した修理内容や方法はあくまで参考であり、あらゆる人と環境、ギターに適応するものではございません。ジャンク・ギターの購入、修理において万が一の事故が発生した場合も、こいち氏、及びデジマート・マガジン編集部、デジマートで責任を負うことは出来かねますので、何卒ご了承ください。

登場人物

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こいち
ジャンク楽器に目がない。壊れた楽器をパズルや知恵の輪としか見ていない。難題を解いた時の快感が忘れられず、ズルズルと今に至る。

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助手
ブログ「こいち時間」の看板娘兼助手。楽器・機材の耳年増。ハンダづけされた部品を外す時に手伝ってくれたりする。

ジャンク・ベース出土
〜例のごとく倉庫に眠っていたRickenbacker / 4003

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こいち

ジャンク・ギターに囲まれているだけの生活は不健全な気がしてきた

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助手

突然、この連載の継続を否定しないでくださいよ

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こいち

馴れ合いの場に風穴をあけるようなニューカマーで換気がしたーい!

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助手

たまにはしっかり調整されたギターにも触れて、感覚をニュートラルに戻すのも大事ですよね

Rickenbacker 4003(Midnight Blue)

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こいち

ということでジャンク・ベース・ギターの登場だ

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助手

ベース・ギターにも囲まれてみたくなったと

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こいち

左様である

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助手

そういえばベース・ギターを連載で扱うのは初めてですね

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こいち

ベースという道具に求められることが、ジャンク楽器のような不安定なものでは満たせないのか、ジャンク・ベース愛好家みたいのは少数なのかなと思いまして

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助手

確かにベーシストって全体的に小綺麗でしっかりした楽器を持っている印象です

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こいち

まるでジャンク・ギターを弄っている人は見すぼらしいみたいな言い方だな……!

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助手

被害妄想すぎる

状態の確認
〜サビだらけのハードウェア・パーツと特殊すぎる仕様

ピックガードは破損し、パーツはバラバラの状態

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こいち

小綺麗じゃなくてすまん

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助手

これはなかなかひどい状態ですね

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こいち

ほとんどのネジは錆びて使い物にならないし、どちらのピックアップも断線している

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助手

ただでさえ専用部品が多いのに、リッケンバッカーは補修部品の供給に厳しいそうですが

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こいち

代理店でも修理で交換した部品は回収、返却の義務があるらしいので、個人レベルでは純正部品の入手は難しいと思う

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助手

ブランド・イメージを守るためとはいえ、壊れて売られた楽器に救いがない

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こいち

楽器の心情的にも(たぶん)まだ戦いたいと思うので、こいち時間的に修理することにします

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助手

センセー……!

2本仕込まれた特徴的なトラスロッド。調整には薄肉なボックス・レンチなどを用意する必要がある

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こいち

ネック調整にも専用の工具が必要と来たもんだ

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助手

リッケンバッカーのネックは“弄るな危険”とも聞きますし、ユーザーが下手に調整できないとも取れますね

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こいち

それなりにストレートが出ているので触れないことにする

ステレオ・アウトプット・システム「RICK-O-SOUND」用のジャックを搭載している。使用するにはステレオ・ケーブルか専用のユニットが必要

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こいち

リック・オー・サウンドを使うには専用のユニット(生産終了品)が必要と来たもんだ

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助手

使わない人にとっては紛らわしいジャックでしかない

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こいち

パソコンのレガシー・ポートみたいで嫌いじゃないぞ

専用パーツの清掃と補修
〜ネジ類は錆取り剤、ピックガードはウレタン・レジン(樹脂)で!

錆取り剤「ネジザウルスリキッド」

ネジ類を錆取り剤に漬けた状態。錆と反応し紫色の液体になる

防錆用に用意した椿油

水洗いしたネジ類を椿油に浸した

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こいち

錆びすぎて交換するしかないネジばかりだけど、前述のとおり入手が難しいものは頑張って再利用するしかないのがつらい

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助手

錆取り剤が紫色に変化するのは効いている感じがしていいですね

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こいち

これだけで買って良かったと思えるくらいワクワクする

割れたピックガードには0.3mmのプラ板で裏打ちした

補修に使用したウレタン・レジン「ホビーキャスト NX 透明」

割れたピックガードにレジンを流し込んだ

硬化後、穴あけしたピックガード

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助手

割れたピックガードを透明のウレタン・レジンで補修します

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こいち

扱いが難しすぎて余っていた液剤を使い切りたかった

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助手

見事に気泡だらけになりましたね

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こいち

しっかり準備して処理しないとこうなるけど、半透明な見た目でいいんじゃない?

断線したオリジナル・ピックアップの修理
〜ルックスを重視して、自前の巻き機でリワインド!?

音の出ない、断線しているであろうピックアップ。フロント(上)とリア(下)

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こいち

このかっこいいピックアップの音が出ないのは残念で仕方ない

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助手

リプレイスメント・ピックアップも他社から少なからずラインナップされているようですが、この見た目は大事ですよね

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こいち

今回はできるだけ破棄しないことを目指したいので、ピックアップはリワインドしたいと思います

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助手

大変な作業が始まった

リア・ピックアップ。巨大なゴム磁石が目をひく

マグネット・ワイヤーをボビンからバラした

ピックアップ・ボビン。中央のイモネジがコールド側の端子となっている

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助手

故障しているとはいえ、バラバラに分解した画像は刺激的すぎます

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こいち

もともと断線しやすいピックアップとは聞いていたけど、ネジを端子代わりにしているし、それがボビンより露出している状態だし、めちゃくちゃデリケートな作りをしている

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助手

コールド側の端子をハンダで温めるとピックアップが復活するという記事も見かけましたが、さらに悪化しそうな感じもしますね

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こいち

もしかしたら巻き途中のマグネット・ワイヤーの皮膜が溶けて、巻き数の少ないタップ状態になっただけかもしれん

フロント・ピックアップの磁極を確認するとS極だった

リア・ピックアップの磁極もS極だった

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助手

フロント・ピックアップとリア・ピックアップはどちらも同磁極で巻き方向も一緒なんですね

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こいち

同じボビンを流用しているし、単純に作りやすかっただけなのかなあ

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助手

ハム・キャンセルが当たり前の時代に生きていると不思議な感覚です

Schatten Designのピックアップ巻き機

オヤイデ電気で購入したマグネット・ワイヤー「UEW 0.06mm 300g(2種)」

高速で回転するボビンにマグネット・ワイヤーを巻きつけている。今回の巻数は5,000回とした

巻き終えたリア・ピックアップ。上面S極、反時計回り巻き、直流抵抗値は4.7kΩとなる

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こいち

ピックアップ巻き機を使って、ピックアップを巻いてみた

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助手

ボビンを回している姿がめちゃくちゃかわいい

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こいち

ちなみにハウリング防止のポッティングはしていません

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助手

巻数も直流抵抗値も物足りませんが、それも含めて次回の課題に回しましょう

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こいち

巻き機だけにな!

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助手

え!?

フロント・ピックアップのゴム磁石を剥がした状態

ゴム磁石を反転させて接着した

磁極は上面N極になった

巻き終えたフロント・ピックアップ。時計回り巻き、直流抵抗値は5.0kΩとなる

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こいち

せっかくなので片方のピックアップは逆巻、逆磁極にしてミックス・ポジションでハム・キャンセルされるようにします

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助手

ゴム磁石が使われているピックアップは珍しいですね

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こいち

今回のモデル、全体を通して古風だよな

コントロールをカスタマイズ
〜実用的なギブソン+JBスタイルへと再配線

コントロール内部。前オーナーにより配線が変更されている模様

コントロール部。通常は手前ふたつがトーン、奥側ふたつがボリュームとなるが、ギブソン・スタイルの配置に変更されている

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こいち

ベース・ギターはフロントとリア・ピックアップのミックス・バランスを調整する人も多いと思うので、使いやすいような回路に変更してみた

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助手

トーン・ツマミを引っ張るとロー・カットされるのもまた古風な仕様ですね

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こいち

今やマイナーになってしまった機能をふんだんに盛り込んだ復刻モデルなんだろね

修理完了!

ヘッド部

ボディ部

完成!

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助手

これは……イラストでよく描かれるベース・ギターだ!

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こいち

オリジナルを知らないまま組み上げてしまったので語ることがない

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助手

わかった口もダメなところも言いづらいですね

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こいち

たぶんこんな感じでユニークな音がするんだよ

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助手

試奏できるメンタルさえあれば楽器屋で本物のリッケンバッカーを体験してくればいいのでは?

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こいち

怖いもん

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助手

だからデジマートばかり見てるんですね〜

過去記事一覧

第4回:ジャンク初心者にも最適! 見た目良し、コスパ良しの「Epiphone / SG G-310」を修理する

koichi#04_main.jpg

第5回:激安7弦ギター「PLAYTECH / PTR7450FR」をレストア&カスタムする

koichi#5_main.jpg

第6回:アルミ・ボディのアンプ内蔵ギター「Tokai / Talbo Jr.(TJR-498)」をレストアする

koichi#06_main.jpg

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