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  • "夢の空間"を実現した自宅スタジオに大接近!

アコースティックエンジニアリングが手がけた"ドラムが叩ける"プライベート・スタジオ Vol.05

アコースティックエンジニアリング

“自宅で思いきり音を出したい!”、“いつでも楽器を鳴らせる環境を手に入れたい!”……自分のスタジオを持ちたい願望は、楽器を演奏する人ならば誰もが思うこと。そんな“マイ・スタジオ”の夢を実現してくれるのが、プロ用のスタジオやライヴ・ハウスの防音/音響工事も行う、アコースティックエンジニアリングだ。ここでは同社が手がけた”ドラムが叩ける”プライベート・スタジオにフォーカス! 今回はプロ・ドラマーとして幅広く活躍する榎本吉高さんの自宅スタジオを紹介。施工から時間が経過し、スタジオを通して変わったというドラムへの考え方についてじっくりと語ってもらった。

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CASE:5 三重県 榎本吉高さん宅スタジオ

故郷である三重県にて、"Roll Up Drum School"を主宰する榎本さん。プロフィールはページ下を参照

レコーディングができるので、そこでまた学ぶことができる

●スタジオが完成して約4年ほど経つそうですが、前回取材時と部屋の中を比べると、ドラム・セットが2台になりましたね。

榎本 最初は自分の練習&レコーディング用スタジオとして使っていたんですよ。だから(前回の取材時は)ドカーンと大きい自分のセットがあったんです。自宅スタジオを持ったら“これがやりたかったんだ!”みたいな感じで(笑)。他にもこのドラムにはこのヘッドを張ると合うなあとか、1日中やっていたりして。そういうことは(プライベート・スタジオ)がないとできないですからね。

●レコーディングやライブの現場で楽器を試すのとは、やはり違った印象でしたか?

榎本 そうですね。現場で使っていた印象とはまったく違ったりして、“あ、このドラムはこういう音がするんだ”って気づかされたり、新たな発見があったんです。だから自分用として使っていた当時はひたすら音作りや練習でした。で、約4年経ってこのスタジオの使い方が大きく変わったのはレッスンですね。ここにドラムを習いに来る人が段々と増えていったんです。それでドラム・セットを2つ置くようにしたんですよ。東京に住んでいた頃は、専門学校で教えていたんですけど、1クラス5〜10人に対して、セットは1つだけだったりして。生徒がセットに触れるのは1時間の授業の中で5〜10分くらいなんですよ。しかも、習いたいことはみんなバラバラで、無理矢理カリキュラム作ってやっていましたけど、そういう中で上達するのは難しいし、習いに来る人も目的はありますし、そういうこともあって、このスタジオでのレッスンは、グループではなくマンツーマンで1時間みっちり叩いてもらっているんです。

●スタジオ内の設備という点では、スピーカーも後から取りつけたそうですね。

榎本 “この曲をやりたい、このアーティストをマスターしたい”って生徒もいて、バンド・スコアやCDを持って来たりするので、“聴くため”の設備も整えようと思ったんです。その場で採譜したりとか、“この曲はこう叩いているのでは”とか教えて、最終的には音源をスピーカーで鳴らしながら生徒に叩いてもらって。そうすればその曲が叩けたときの達成感はありますし、喜んで帰ってもらえますし、逆に叩けずにヘコんで帰っていく生徒もいますし(笑)。それ以外にも、生徒から「自分のCDが出来上がったから聴いてください」って持って来ることもあって、それを流して曲のアレンジやアプローチについて僕なりの考えを生徒に話したりもしています。今は“スピーカーで音楽を聴く”という感覚がない生徒も多いので、大音量のスピーカーで聴かせて、その自主制作のCDのマスタリングについて、「お前はこれで良いの? スネアがパスパスだよ」とか話すんですよ。イヤフォンだけで聴いているとわからなかったりしますからね。だからただドラムのレッスンに使うだけでなく、音源の話も生徒とするようになりましたね。

●そしてここでは、音を“聴く”だけでなく“録る”こともできますね。

榎本 レコーディングがここでできるのはすごく良いですね。マイクのセッティングも自分できるので、そういうところでまた学ぶことができて、新たな発見があると、また1日中いろいろと試してみたり(笑)。ドラムのマイキングは難しいですから。

榎本さんのプライベート・スタジオ“Art Sound Studio”の面積は約7畳。09年の取材時と変わったのはドラム・セットが2つになったこと、スピーカーを配置したことの2点。ドラムの配置はもともと対面式にしていたが、どんなふうに手足が動いているか観察する生徒さんのために今の形になったという

こちらは09年に撮影した“Art Sound Studio”の様子。この当時は練習や音作りを目的にスタジオを活用していたということで、ドラム・セットは1台のみ。もちろん自主練習用としてもスタジオを活用しているそうで、取材当時は“体力維持”を中心としたメニューに取り組んでいると語っていた

スタジオのおかげで自分自身のプレイが進化していると思う

●このスタジオを通じて、榎本さん自身のドラミングに変化はありましたか?

榎本 このスタジオができてからはすごく脱力するようになったんですよ。東京にいた頃はしっかりと叩く方で、ドラム・ソロやった後は、腕がパンパンになって次の曲どうしようとかあったんですけど、最近はそれがないし、汗もあまりかかなくなって。ここで練習していくうちに培われていったんでしょうね。毎日嫌になるくらい叩いていますから(笑)。それからドラミングが変わったと言えば、ヒール・ダウンを使うようになったんですよ。これまでは現場などで、自分が踏んだバス・ドラムがこんなにも大きく鳴っているということにあまり気づいていなくて。ここでそいうことに気づかされて、バラードの曲なんかはヒール・ダウンでいいだろうってなりました。そういうプレイの改善はすごくあって、自分で言うのも変ですけど、スタジオのおかげでプレイが進化していると思うんです。それは難しいフレーズができるようになったとか、速く叩けるようになったとかではなく、もっと奥深いところ……ですね。ライブなんかでもメンバーに「前みたいにガッツンくる感じでなくて、包み込むような感じになった」とか言われますし。まあそれは、スタジオができたことや、結婚して子どもが産まれたこととか、そういうサイクルがうまく噛み合っているんでしょうね。

●今後新たな“スタジオ活用法”のヴィジョンはあったりするんですか?

榎本 ここが生徒同士、ミュージシャン同士の交流ができる場所になると良いかなって思っています。“ドラマーの集う場”みたいな感じですね。私自身で言うと、このスタジオでやりたいことは、やはり月日が経つと変わっていくので、臨機応変に対応できるスタジオがベストなんだと思います。

新たにスピーカーを設置するなど聴くためのアイテムが充実

PA&REC機器。8トラックのMTRでドラムがレコーディングできる

壁にかけてあった生徒からの“寄せ書きヘッド”。写真左が榎本さんが東京を離れるときに専門学校の生徒からプレゼントされたもの、右がドラム・スクール開講1周年の際に生徒からプレゼントされたもの

Art Sound Studioは、既存のコンクリート造の車庫の上に木造で増築

※本記事はリズム&ドラム・マガジン2013年9月号の記事を転載したものです。

アコースティックエンジニアリングとは?

 株式会社アコースティックエンジニアリングは、音楽家・音楽制作者のための防音・音響設計コンサルティングおよび防音工事を行う建築設計事務所。1978年に創業して以来、一貫して「For Your Better Music Life」という理念のもと、音楽家および音楽を愛する人達へより良い音響空間を共に創り続け、携わった物件の数は2,000件を超えている。現在も時代の要請に答えながら、コスト・パフォーマンスとデザイン性に優れ、「遮音性能」、「室内音響」、「空調設備」、「電源環境」、「居住性」というスタジオの性能を兼ね備えた、新しいスタイルのスタジオを提案し続けている。

株式会社アコースティックエンジニアリング

【問い合わせ】
TEL:03-3239-1871
Mail:info@acoustic-eng.co.jp
住所:東京都千代田区九段北2-3-6九段北二丁目ビル

HP:http://www.acoustic-eng.co.jp

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株式会社アコースティック・エンジニアリング TEL:03-3239-1871 http://www.acoustic-eng.co.jp
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プロフィール

榎本吉高
えのもとよしかた●13歳でドラムを始める。19歳のときに米PITに進学、帰国後の24歳の頃に上京。是方博邦、松岡直也、Tina、和田アキラ、永井敏巳などと共演を果たし、自身の教則DVDも発表。現在は故郷、三重の自宅スタジオ“Art Sound Studio Roll Up Drum School”にて後進の指導にも当たっている

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