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  • 【ジャンク・ギターでこいち時間 デジマート出張版】第9回

高いコスパで人気のPacificaシリーズ「YAMAHA / PAC312II TLR」をレストアする

エレキ・ギター(ジャンク)

Yamaha Pacificaシリーズは、幅広い音作りとコスパの高さが人気のエレキギター。近年ではYouTuberのオススメ・レビューなどの影響で市場の評価は高まるばかりだ。今回登場するジャンク・ギターは、すでに生産完了となっているPacificaの入門モデル「Yamaha / PAC312II TLR」。いつも程度の低いジャンク品を見事によみがえらせる“こいち”だが、今回の程度はいかほどに……?

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【注意】
ジャンク・ギターの購入、及び修理の際は、個人の責任において、細心の注意を払って行なってください。当コーナーで示した修理内容や方法はあくまで参考であり、あらゆる人と環境、ギターに適応するものではございません。ジャンク・ギターの購入、修理において万が一の事故が発生した場合も、こいち氏、及びデジマート・マガジン編集部、デジマートで責任を負うことは出来かねますので、何卒ご了承ください。

登場人物

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こいち
ジャンク楽器に目がない。壊れた楽器をパズルや知恵の輪としか見ていない。難題を解いた時の快感が忘れられず、ズルズルと今に至る。

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助手
ブログ「こいち時間」の看板娘兼助手。楽器・機材の耳年増。ハンダづけされた部品を外す時に手伝ってくれたりする。

ジャンク・ギター出土
〜「イシバシ楽器 デジマート店」でYAMAHA / PAC312IIを購入

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こいち

この連載の記事が更新された時に限って、デジマート上でのジャンク・ギターが増える気がする

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助手

自意識過剰のきらいもありますが、この連載にも効果が出始めましたかね

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こいち

記事の末尾に「ジャンク OR JUNK」で検索された窓が置いてあるのはズルいと思うわけですよ

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助手

あれ怖いですよね~

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こいち

無事に記事が公開された安堵感から勢い余って買っちゃったもん

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助手

!?

デジマート購入ページ。前回記事の更新日に登録されたジャンク・ギター

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こいち

「ジャンク・ギターであふれかえるデジマート」を理想郷として連載を始めたわけだし、実ったものはいただかせてもらう

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助手

循環が狭い

YAMAHA PAC312Ⅱ

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こいち

早速、届きました

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助手

こ、これは最近、プロ・ギタリストがYouTubeで紹介したり、ワイドショーのバンド企画で芸能人に使われたりして注目が集まっているヤマハのパシフィカじゃないですか!

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こいち

現行モデルとは違って、少し古いモデルだし下位グレードに近いギターなので注目度は期待しちゃいかんぞ

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助手

パシフィカ、気になっていたんですよ~

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こいち

ちなみに自分が注目したキッカケは高校生の頃に遡る───

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助手

その話長くなります!?

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こいち

当時、他校の軽音楽部には「演奏もうまくてギブソンのギターも持っているのに、安いヤマハのパシフィカを使うギタリストがいる」と小耳に挟んだことがあってだな

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助手

さも自分が軽音楽部だったみたいな読ませ方をしますね

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こいち

模型部だったわたしはその言葉を深く胸に刻み込んだものだ

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助手

ヨシヨシ

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こいち

それから幾分と時間が経ってしまったけど、やっと触れる機会に恵まれました

状態の確認
〜いつもより状態は良さそうだが……

ヘッド部。ヤマハのエンブレムとパシフィカのロゴがプリントされている

ボディ部。アルダー・ボディの前面にアッシュ材がラミネイトされ、シースルー塗装が施されている

クリーニングや弦の張替えを行わない格安出品のため、汚れやサビはそのままの状態

ボリュームとトーン・ツマミは欠品している。ボディ側も汚れやサビはそのままの状態

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こいち

こんな汚いギターをデジマート上で購入できるとは思わなかった

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助手

動作未確認、メンテナンスを省いたジャンク・ギターということで普段より価格を抑えて出品されているんですね

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こいち

ジャンク・ギターを欲しがる人は、お店側の良かれと思ったメンテナンスや補修で価格が上がるのを良しとしない人が多いと思うので、こういう販売方法はとてもうれしい

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助手

内容的には普通に音も出るし、演奏も支障ないんですね

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こいち

うん、たぶん汚いくらい

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助手

ついにこの連載にも普通のジャンク・ギターが登場して安心しました

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こいち

正直、今までの記事ラインナップがおかしかっただけで、こういう方向性も見せないと体が保ちません!

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助手

センセー……!

ストラップ・ピンはシャーラー製のロック式に交換されていた

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助手

わーい、ストラップ・ピンがロック式に交換されていますね!

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こいち

パーツ交換でカスタマイズされたギターが手に入るのはセカンド・オーナー以降の醍醐味だ

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助手

ただ肝心のロックする側が付いていません

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こいち

「シャーラーのロック・ピンあるある!」とジャンク愛好家から共感の声が聞こえる

~ボディのメンテナンス。ノブの取付

ピックアップはSSH配列、PUセレクター、1ボリューム、1トーン構成

アッセンブリー部

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助手

そういえばラージ・ピックガード・タイプのパシフィカなんですね

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こいち

もともとエントリー・モデルで展開されていたギターのヘッド形状をパシフィカ・タイプに変更することで、後追いでパシフィカと名乗るようなったモデルっぽいな

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助手

これはこれでスマートなSTタイプって感じの良いデザインですね

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こいち

このシリーズ、目新しいことを無理に狙ってないバランスで好きなのよ

欠品していたノブ部分はドーム型のものを取り付けた

用意されたドーム型のノブ

こちらはSTタイプのノブ(参考)

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こいち

本来、欠品していたノブはSTタイプのものが載っていたはずだけど、個人的にこのギターはオリジナリティある良いプロダクトだと思うので、何の関係もないノブを選ばせていただきます

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助手

欠品していて都合が良かったんですね

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こいち

あえてストラトキャスターに寄せる必要はないと思った

~ネックのクリーニング~指板の打痕の修復

使い込まれたネック

多用されたポジションのフレットは極端に減っている

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助手

フレットが減っているジャンク・ギターはどうしたら良いんでしょうか

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こいち

今回みたくボルト・オン・ネックのギターだったら、程度の良いジャンク・ネックに付け替えるのが簡単で安上がりだと思うんだけど、自分はこの状態のまま気にせず使ってしまいます

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助手

鉛筆や消しゴムを最後まで使い切るタイプじゃないですか

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こいち

弦も切れるまで使う

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助手

節約術のように見えて失うものが多そうですね

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こいち

弦交換が一向にうまくならん

ヘッドはポリッシュで汚れを落としたあとにワックスで仕上げている。ポリッシュとワックスはKEN SMITHのものを使用

ピカール金属磨きを用いて磨いたペグ・ワッシャー(左)

こちらもピカールで磨いたフレット。指板はマスキングせずにそのままウエスで磨いている

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こいち

ネック周りは毎度ながらざっくりとクリーニングしてみました

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助手

連載を重ねて語ることがなくなっている

指板にはどこかにぶつけてできた打痕

打痕部分に濡らした布を置き、スチーム・アイロンを当てている状態

打痕を修復した指板

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助手

マンネリ化を感じたのか、普段やらないような指板の打痕修理に手を出していますね

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こいち

不注意でついたキズすら残しておきたいけど、記事内容の変化もつけたかった

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助手

やる気のなさが施工後の少しだけ残った打痕に出ていますよ

弦を張った状態。ナットにかかる弦にほぼ角度がついていない

ほかのジャンク・ギターから取り外されてストックされていたストリング・リテイナー

4、3弦に追加されたストリング・リテイナー

ストリング・リテイナー取付後の状態。4、3弦に角度がついてビビリが解消された

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こいち

もともと付いているペグ・ポストがやけに高くて、張った弦に角度がつけられず必要なテンション感を得られない

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助手

特に4弦と3弦の開放は暴れ散らかしてますね

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こいち

上位機種にはしっかりペグ・ポストの低いロック・ペグが使われているし、そもそも初期フラグシップ・モデルはロック・ナットだったのでこの問題には無縁だったのかも

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助手

そのまま形だけ流用され、ある日突然「パシフィカと名乗れ」と言われた下位機種には具合が悪かったんですね

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こいち

ということで問題を解決するため、4弦と3弦にストリング・リテイナーを追加してみた

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助手

めちゃくちゃペグ・ポストとリテイナーの距離が近いですね

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こいち

現行のパシフィカを確認したらロック・ペグだろうと今回と同じ位置にリテイナーが追加されていたので、例え不格好に感じてもここが落としどころなんだろう

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助手

不具合を追加部品で解決する感じ、ヤマハっぽいですね

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こいち

同じ答えにたどり着いてしまったようだ

修理完了!

完成

ヘッド部

ボディ部

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こいち

見向きもされないような半端なグレードのギターかもしれないけど、出会えて大変有意義でした

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助手

動作確認やメンテナンスを省いたジャンク出品はこれからも増えて欲しいですね

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こいち

これって前オーナーのギターの使い方を一番純度高く感じられる販売形態なのでは?

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助手

その考えはちょっと気持ち悪いですね

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こいち

末尾の検索窓に感謝

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助手

出品する方が気を使っちゃうでしょ!

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こいち

今回も素晴らしいジャンク・ギターを探しにページをスクロールだ!

過去記事一覧

第6回:アルミ・ボディのアンプ内蔵ギター「Tokai / Talbo Jr.(TJR-498)」をレストアする

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第7回:見た目、サウンド、パーツすべてが唯一無二の名ベース「Rickenbacker / 4003」を修理する

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