- 製品レビュー
- 2020/10/14 12:00
- フェンダーの新たなるスタンダード“アメリカン・プロフェッショナルⅡ”シリーズが誕生！
Fender / AMERICAN PROFESSIONAL Ⅱ PRECISION BASS & JAZZ BASS
Fender / AMERICAN PROFESSIONAL Ⅱ
音楽は時代を経るごとに変化するもので、それと同時に、エレクトリック・ベースの原点であるフェンダー・ベースもブラッシュアップを繰り返してきた。この度、そのフェンダーの新たな“顔”となるべく、“アメリカン・プロフェッショナルⅡ”シリーズが発表された。伝統と革新が共存するアメリカン・プロフェッショナルⅡのプレシジョン・ベースとジャズ・ベースを紹介しよう。
演奏性をより高め、サウンドもよりモダンに
“アメリカン・プロフェッショナルⅡ”はその名のとおり、2017年にスタートした“アメリカン・プロフェッショナル”の後継となるシリーズだ。その快適な演奏性と各モデルの特徴を出しながらも扱いやすいサウンドで好評を得た前シリーズを、プロ・ミュージシャンたちの声を反映してさらにブラッシュアップ。ネック塗装とエッジ処理などを見直して演奏性を高め、ピックアップにも改良を加えてサウンドの向上も図り、フェンダーが見据える“今”を再定義したプロダクトとなった。ベースのラインナップは、大きくプレシジョン・ベースとジャズ・ベースに分かれている。
American Professional Ⅱ Precision Bass（Mercury）
American Professional Ⅱ Precision Bass（Mercury）
American Professional Ⅱ Jazz Bass（Mystic Surf Green）
American Professional Ⅱ Jazz Bass（Mystic Surf Green）
今回ブラッシュアップされたポイントとしては、ネック周りの仕上げ、ジョイント部分の加工、そしてピックアップが大きい。
ネックの形状は“アメリカン・プロフェッショナル”シリーズと同じく、プレべが“1963 C”、ジャズベが“Slim C”だが、よりなめらかな“スーパー・ナチュラル”サテン仕上げを採用。また、指板のエッジを丸みのある加工に仕上げることで、特に横移動の演奏性が格段に向上している。さらに、ヒールがカットされた5点止めボルト・オン・ジョイントは、ハイ・ポジションでの運指にもストレスがない。
プレシジョン・ベースのネック・グリップは、やや厚めの“1963 C”。ナット幅は41.3mm。ネックはさらさらとした手触りの“スーパー・ナチュラル”サテン・フィニッシュが採用されており、スムーズなグリップ感を得られる
ジャズ・ベースのナット幅は38.1mm。“Slim C”のネック・シェイプにより握り込みのしやすさが向上している。こちらも“スーパー・ナチュラル”サテン・フィニッシュ。濃いめの色合いもリッチで優美な印象だ
プレシジョン・ベース、ジャズ・ベースともに、指板のエッジ部分は丁寧なロールオフ仕上げとなっており、より高い演奏性を獲得。9.5インチRの指板、ナロー・トール・フレットといった現代的な仕様を持っている
ボディとネックはプレートを介した5点止めのボルト・オン・ジョイントにより接合。特筆すべきはヒール部分に施された新デザインのカットで、これによりハイ・ポジションへのアクセスがしやすくなっている
ピックアップは先代の“V-Mod”が進化した”V-Mod II”ピックアップを採用し、、プレべは中低域の存在感が豊かな実のあるロー・サウンドを、ジャズベはタイトで抜けの良いトーンを実現している。
プレシジョン・ベースのピックアップ。先代のV-Modスプリット・シングルコイルが進化し、中低域の存在感が豊かな実のあるロー・サウンドを実現している
ジャズ・ベースのピックアップは、進化したV-Mod IIシングルコイル・ピックアップが2基。よりタイトで抜けの良いトーンを生み出してくれる
そのほか、表通しでも裏通しでも弦を張ることができる重厚なハイマス・ヴィンテージ・ブリッジ、軽量なオープン・ギア・タイプのペグなど、前シリーズから引き継いだスペックも演奏性を高めてくれる。
ブリッジは前シリーズ同様に、重厚なハイマス・ヴィンテージを採用。厚いプレートは弦の振動を確実にボディに伝えてくれる。また、写真では弦を裏通しで張っているが、表通しも選択可能だ
ペグも前シリーズに引き続き、軽量なオープン・ギア・タイプを搭載。ペグ・ポストは下部に向かって細くなっているので、自然と弦を下方向に巻いていくことができる
AMERICAN PROFESSIONAL Ⅱ PRECISION BASS
アメリカン・プロフェッショナルⅡのプレシジョン・ベースは、使用材は、ボディにアルダー、ネックにメイプル、指板はメイプルもしくはローズウッド（カラーによって変わる）というオーソドックスなもの。4弦プレシジョン・ベースのカラーは、3カラー・サンバースト／オリンピック・ホワイトはメイプル指板もしくはローズウッド指板、ブラック／マイアミ・ブルーはメイプル指板のみ、マーキュリー／ミスティック・サーフ・グリーン／ダーク・ナイトはローズウッド指板のみとなる。
American Professional Ⅱ Precision Bass（3-Color Sunburst）
American Professional Ⅱ Precision Bass（3-Color Sunburst）
American Professional Ⅱ Precision Bass（Black）
American Professional Ⅱ Precision Bass（Olympic White）
American Professional Ⅱ Precision Bass（Olympic White）
American Professional Ⅱ Precision Bass（Miami Blue）
American Professional Ⅱ Precision Bass（Mercury）
American Professional Ⅱ Precision Bass（Mystic Surf Green）
American Professional Ⅱ Precision Bass（Dark Night）
AMERICAN PROFESSIONAL Ⅱ JAZZ BASS
アメリカン・プロフェッショナルⅡのジャズ・ベースは、使用材は、ボディにアルダー、ネックにメイプル、指板はメイプルもしくはローズウッド（カラーによって変わる）が基本となるが、ローステッド・パインをボディに採用したモデルがラインナップされているのがポイント（右利き用の4弦モデルと5弦モデルのフレッテッド）。パイン材は独特な音の温かさを持ち、甘く伸びやかなトーンが特徴だ。木目のパターンがはっきりしているため、見た目も美しい楽器に仕上がっている。。4弦ジャズ・ベースのカラーは、3カラー・サンバースト／オリンピック・ホワイトはメイプル指板もしくはローズウッド指板、ブラック／マイアミ・ブルー／マーキュリーはローズウッド指板、ミスティック・サーフ・グリーン／ダーク・ナイト／ローステッド・パインはメイプル指板となる。
American Professional Ⅱ Jazz Bass（3-Color Sunburst）
American Professional Ⅱ Jazz Bass（3-Color Sunburst）
American Professional Ⅱ Jazz Bass（Mystic Surf Green）
American Professional Ⅱ Jazz Bass（Olympic White）
American Professional Ⅱ Jazz Bass（Olympic White）
American Professional Ⅱ Jazz Bass（Dark Night）
American Professional Ⅱ Jazz Bass（Black）
American Professional Ⅱ Jazz Bass（Miami Blue）
American Professional Ⅱ Jazz Bass（Mercury）
American Professional Ⅱ Jazz Bass（Roasted Pine）
2021年発売予定のモデル
アメリカン・プロフェッショナルⅡのプレシジョン・ベースには5弦モデルとレフティ・モデルが、ジャズ・ベースには5弦モデルとレフティ・モデルに加えてフレットレス・モデルも用意されている。これら5弦モデル、レフティ・モデル、フレットレス・モデルは2021年発売予定だ。
American Professional Ⅱ Precision Bass V（Dark Night）
American Professional Ⅱ Precision Bass Left-Hand（Olympic White）
American Professional Ⅱ Jazz Bass V（Mystic Surf Green）
American Professional Ⅱ Jazz Bass Fretless（3-Color Sunburst）
『ベース・マガジン 2020年11月号』でも、アメリカン・プロフェッショナルⅡの特集記事を掲載中。あきらかにあきら（THE ORAL CIGARETTES）と新井和輝（King Gnu）の対談、井上幹（WONK）、上杉研太（SUPER BEAVER）による試奏をとおして、フェンダーの魅力を再確認し、アメリカン・プロフェッショナルⅡに迫っています！ 同号ではそのほか“歪んだベース・サウンド”を追求する“歪みベーシストという生き方”という大特集を実施しています。ぜひチェックしてみてください！
