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Landscapeエンドーサーのふたりが検証!国産ブランドの本格派“Landscape”の品性

Landscape / SA-101、SE-01N、SWB-Maestro

  • 制作:デジマート・マガジン 取材&文:山本彦太郎 撮影:星野俊 動画撮影&編集:熊谷和樹 録音:嵩井翔平

伝統を踏まえたオーガニックな楽器製作を行なうLandscape。本ブランドを代表するSA-101、SE-01N、SWB-Maestroの実力を探るべく、名ジャズ・プレイヤー、布川俊樹(g)と納浩一(b)を招いた。今回ふたりのスペシャル・セッションに加え、ブランド・プロデューサーである大和俊夫を交えたトーク・セッション動画も公開!

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Landscape Special Session
布川俊樹 × 納浩一

What's Landscape?
〜高品質楽器への飽くなき探求〜

  日本のギター製造の草分けのひとつであったマツモク工業に在籍し、国内楽器メーカーで設計やデザイン、リペアを手がけた俊夫氏が1996年に創立したのが、Landscapeブランドを擁するクエスト・インターナショナルだ。創業時は別のブランドを中心に、低価格かつモダンなソリッド・ギター/ベースを展開していたが、のちに“MD Guitars”という新たなブランドを設立。アルミ・ボディのMD-USAシリーズ、セミ・ホロー・ボディのMD-SSなど意欲的なモデルも登場した。また、松原正樹氏とのコラボレーションによるMD-Premier G1など、ハイエンド・モデルを軸としたラインナップへと移行していく。この“より本格派へ”という流れの背景には“ただ楽器を世に出して売るだけではいけない。プロ・ミュージシャンのリクエストにも応える、価値ある楽器を作りたい”という大和氏の考えがあった。その理念の具現化、大和氏の“quest=探求”の新たな“landscape=風景”となったのが、1999年頃に発足したLandscapeだ。

 Landscapeの最初の一歩は、大和氏が前職で手がけていたエレクトリック・アップライト・ベースの再構築。可搬性や利便性を持ちつつ、オーガニックなサウンドを実現するため、大和氏はピアノやバイオリンなど古典楽器の研究を重ね、シトカ・スプルースを始めとした木材の選定、それに合わせたサーキット開発などを経てSWBシリーズを生み出すことになる。同シリーズは、エントリー・モデルのSWB-STDを始め、SWB-Artist、SWB-Master、SWB-Gambaなどをラインナップ。SWB-Masterは納浩一(b)からのアドバイスを受け、SWB-Maestroという新機種への開発につながった。こうした助言を柔軟に生かせる自社製造ならではのフットワークの軽さも同ブランドの強みだろう。また、伝統的なバイオリンの工法を取り入れたフルアコのAR-101シリーズ、アコースティック・ベースのARB-204FL、セミアコのSA-101などが“伝統を踏まえたオーガニックな楽器製造”というランドスケープの理念を表わす一方、松原氏の意志を受け継いだホロー・チェンバー・モデル、SE-01Nもラインナップし、プロのシビアな要望にも応える。国産楽器の確かな価値を、今一度訴えかけるブランドだ。

SA-101
伝統の真髄を現代的にアレンジしたセミアコ・モデル

Landscape / SA-101、

 単板のシトカ・スプルース・トップ、メイプル・サイド&バック、シトカ・スプルースのセンター・ブロックというボディ構造のセミアコ・モデルSA-101。ネックはマホガニーとメイプルを5ピースでラミネイトしており、細めのグリップかつ十分なヘッド角を確保しながら、剛性も高めているという1本だ。ピックアップはMD-Original M3で、アルニコ2マグネットを用いたビンテージPAFタイプを2基搭載。パーツ類はゴトー製を使用している。

【Specifications】●ボディ:シトカ・スプルース(トップ)、メイプル(サイド&バック) ●ネック:5-Ply(マホガニー、メイプル) ●指板:エボニー ●フレット:22 ●スケール:630mm ●ピックアップ:MD-Original M3/N Alnico #2(フロント)、同M3/B Alnico #2(リア) ●コントロール:ボリューム×2、トーン×2、3ウェイ・トグル・スイッチ ●ブリッジ:ゴトーGE103B&GE101Zテイルピース ●ペグ:ゴトーSG381 B01(クローム) ●カラー:アンティーク・ヴァイオリン・カラー ●付属品:ハードケース

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Impression
オールマイティなギターですよ(布川)

布川 これはまず、色合いやピックガードなどの見た目が美しいですよね。僕はヘッドが大きいギターはあまり好きじゃないんですけど、うまくまとまっているような印象があります。ボディもやや小ぶりで抱えやすいですし、ネックも細くて僕みたいに手が大きくない人でも弾きやすいですね。持った感じがしっくりくるし、すごく楽に演奏できるんですよ。音の立ち上がりも速いですし、サステインも十分。生音でもしっかり響いてくれますね。

 実は今、このSA-101をメインで使っているんですけど、クリーン・トーンはもちろん、ちょっと歪ませてもジャズに合うんですよね。僕はジョン・スコフィールドが大好きなので、クランチのサウンドが重要なんです。セミアコはこれまでも長いこと弾いてきたし、僕の音楽活動には欠かせないギターですけど、これはいろんなジャンルで使えるオールマイティなギターだと思いました。

 実際の僕の使い方として、ジャズを弾く場合はクリーンとクランチを使い分けています。ほぼフロントPUがメインで、ボリュームとトーンは基本的に全開。場面によってトーンをいじりますね。リアPUは、もっと強い歪みが欲しい時に使うかな。ポップスやフュージョンのような音楽で、シャープなカッティングが欲しい場合はMD GutarsのG1というセミ・ホローのギターを使うことが多いんですけど、SA-101のセミアコならではのカッティングのサウンドもなかなか良いですよ。この場合は気分でPUを使い分けていますね。

大和 そもそもは松原正樹氏が使っていたビンテージのギブソン製ES-335を見て“日本製でしっかりしたセミアコを作れないか”と思ったのが開発のきっかけでしたね。ビンテージは“経年による枯れた音が良い”ということだけじゃなく、ネックの仕込みやピックアップの位置、木材の組み合わせなど“何かしら良い音が出る理由があるはずだ”と思い、研究していった結果、こういう形状になりました。

 実はヘッド角やネックはギブソンのL-5を参考にしているんですが、普通のセミアコでその角度だとネックが折れやすかったり、ねじれやすくなってしまう。そこでSA-101では、マホガニーとメイプルを5層でラミネイトしたネックを使うことで対策しているんですよ。

SE-01N
スティール弦/ナイロン弦兼用のチェンバー・ボディ・モデル

Landscape / SE-01N

 松原正樹氏のために10年の開発期間を経て作られたセミ・エレクトリック・ギター。チェンバー構造を持つマホガニー・バックに、シトカ・スプルースのトップを合わせ、フレイム・メイプルの化粧板をあしらったもので、スティール弦/ナイロン弦の両方に対応してくれる。ナット幅は48mmとやや広めだが、グリップが薄めに設計されていることもあり、エレキからの持ち替えもストレス・フリーだ。PUはピエゾ、コントロール部には3バンドEQも搭載している。

【Specifications】ボディ:シトカ・スプルース&フレイム・メイプル(トップ)、マホガニー(バック) ●ネック:3-Ply(マホガニー、メイプル) ●指板:エボニー ●フレット:24 ●スケール:650mm ●ピックアップ:ピエゾ ●コントロール:ボリューム、EQ×3(BASS、MID、HIGH) ●ブリッジ:フィッシュマンTOMパワー・ブリッジ&オリジナル・ウッド・テイルピース ●ペグ:ゴトーSE700/QM.1:15 ランドスケープ・オリジナル ●カラー:アンティーク・ヴァイオリン・カラー(写真)、ナチュラル ●付属品:ギグ・バッグ

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Impression
実用性の高さにビックリしました(布川)

大和 このモデルは、エレキ・ギタリストがスタジオに呼ばれて、アコギやクラシック・ギターが必要になった際にぶつかるハウリングやピッチ、弦高などの問題、それからネックのフィーリングに不満を抱く……などというストレスを解消するために開発しました。プロトタイプは松原氏のために作ったもので、スタジオ・ミュージシャンである彼が望んでいたギターですね。指板幅は広めですが、これは指弾きをしたいというリクエストに応えた結果で、松原氏もPARACHUTEのラスト・ツアーでは「MIURA WIND」という曲でこのギターを指弾きしていました。指板は幅が広いクラシック・ギターと一般的なアコギの中間の48mmというサイズですね。

布川 これはアンプにつないだだけでかなり良い音がしますよ。アンプのトーンはフラットにしたんですけど、SE-01N本体の3バンド・トーンの効きが良いので、音作りもすごくやりやすかったです。僕の場合、まずミドルを下げてアコースティック感を出し、ピック弾きか、指弾きかでトレブルなどを調整していきましたね。アコースティック感という点ではもちろん、生音はアコギとは違うんですけど、モニターやメイン・スピーカーから出る音は十分空気感を感じられると思いますよ。

 今回の動画で「いつか王子様が」を演奏しましたが、あの曲の一番高い音がCなんです。一般的なナイロン弦ギターだとその音を出すのが大変なんですが、これは24フレットまであるから楽々届く。演奏していてビックリしましたね(笑)。

SWB-Maestro
コントラバスに肉薄するサウンドのアップライト・ベース

Landscape / SWB-MAESTRO

 3クォーター・サイズのエレクトリック・アップライト・ベース。研究の結果、古典楽器に倣ってシトカ・スプルースをトップに配し、アコースティック感に粘りを加えてふくよかな箱鳴りを実現している。サイド&バックは単板のメイプルだ。ピックアップは納浩一のアドバイスによるフィッシュマンUSA製サークル・ピエゾ・ピックアップとランドスケープ ・オリジナルPB-UB/DLXピックアップを採用。カッタウェイもハイ・ポジションへのアクセスをサポートしてくれる。

【Specifications】●ボディ:シトカ・スプルース(トップ)、ソリッド・メイプル(サイド&バック) ●ネック:3-Ply(メイプル) ●指板:エボニー ●スケール:1,080mm ●ピックアップ:ランドスケープ・オリジナルPB-Uマグネティック・ピックアップ、フィッシュマンUSAフル・サークル ●コントロール:マグネティック・ボリューム、フル・サークル・ボリューム、EQ×2(BASS & MID) ●ブリッジ:メイプル・ブリッジ、エボニー・テイルピース ●ペグ:ゴトー製GB29オリジナル・マシーン・ヘッズ(ゴールド) ●付属品:ギグ・バッグ、ボディ・アーム

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アンプを通した際の不満を解決してくれる(納)

 従来のエレクトリック・アップライト・ベースは、どうしてもコントラバスの代替品にはならなかったですけど、これはコントラバス奏者でも無理なく使えるものだと思います。

 またPUがふたつあるのも良いですね。ジャズやロカビリーのコントラバス奏者はアンプを使わざるを得ない状況が多いですし、その音に不満を持っていることがほとんどで。ピエゾのみで音を拾うのは無理があるし、マグネットPUも付いているほうが音作りがはるかにしやすいんです。実はPUってアコースティック感を出すのに重要なんですよ。各PUのボリュームを調整できるのもSWB-Maestroの良いところで、会場やバンドの構成に合わせてサウンドを微調整できるというのはありがたいです。

それと、ボウイングは家で試しましたが、ちゃんと箱鳴りして近所迷惑にならない程度の音量も稼げます。家で大きな音を出して練習できない人がコントラバスの代替品として選択肢に入れると思うんですけど、これは生音の音量面でも満足できると思いますよ。

大和 このSWBシリーズの開発では、納さんのほかブランフォード・マルサリス・グループでの活躍で知られるエリック・レヴィスにもアドバイスをもらったんです。当然、エリックと日本人では腕の長さが違うんです。なので、これにはカッタウェイを付けて。非常に日本人向けのモデルだと思いますよ。

Total Impression

サウンドが決めやすく、それぞれの良さを出しやすい。
──布川

左から、布川俊樹、大和俊夫、納浩一

布川 今回のセッションは、いつも使っているアンプではなく、Udo Roesner AmpのDa Capo 75を使用しました。でもすぐにサウンドも決まりましたし、ジャズならではの一期一会なセッションができましたね。演奏曲も楽器に触れたインスピレーションでその場で決めましたが、「いつか王子様が」ではSE-01Nの、ブルースのセッションではSA-101の良さがそれぞれ出せました。

 コロナの影響もあって、最新版のSWB-Maestroを弾き始めてからは初めてのセッションになりました。“どう弾きこなすか”というチャレンジが非常におもしろかったですし、しっかりそれに応えてくれる楽器だと思いましたね。開発から関わっていることもあり“ようやくこのクオリティのものが目の前に現れたか”とうれしい気持ちですし、これからいろいろな現場で使いたいですね。

ギター・マガジン 2020年11月号 発売中!

 本記事は、10月13日(火)に発売されたリットーミュージック刊『ギター・マガジン 2020年11月号』にも掲載されています。表紙巻頭特集は「Ken Yokoyama」。ぜひチェックしてみてください!

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プロフィール

布川俊樹
ぬのかわ・としき/1958年生まれ、東京都出身のジャズ・ギタリスト。81年にミッキー・カーチスのサポートでプロ活動を開始する。作品制作のかたわら、多くの教則本も執筆するなど多方面で活躍中。

納浩一
おさむ・こういち/1960年生まれ、大阪府出身のジャズ・ベーシスト。布川とは共同で『DuoRama』シリーズを3枚リリースしている。また、後進の育成にも力を入れており、現在はオンライン・ベース・サロンも行なっている。

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