Bose S1 Pro+ wireless PA system × 松井祐貴&井草聖二
- 2024/04/25
ESP / KARMASTER
ESPを愛用するギタリストに登場してもらい、自身のこだわりがつまった名器について語ってもらう新連載“ESP Lovers Gallery”。第4回は9mm Parabellum Bulletのギタリスト/キツネツキのドラマー、滝 善充が登場!
【Specifications】●ボディ:アルダー ●ネック:ハード・メイプル(CTシステム) ●指板:パーフェロー ●フレット:22 ●スケール:648mm ●ピックアップ:セイモア・ダンカンSH-1n(フロント)、セイモア・ダンカンSH-6n(リア) ※製品版=セイモア・ダンカンSH-6n(フロント)、セイモア・ダンカンSH-6b(リア) ●コントロール:マスター・ボリューム、ミニ・トグルPUセレクター ●ブリッジ:ESPカスタム・ラボ・フィックスド・ブリッジ with グラフテックPS-8000-F0 ※製品版=ESPカスタム・ラボ・フィックスド・ブリッジ ●ペグ:ゴトーSG360-P7 MG-T ●カラー:シー・スルー・ブラック
※製品版KARMASTERはPUにセイモア・ダンカンSH-6n(フロント)、セイモア・ダンカンSH-6b(リア)。ブリッジ/サドルはグラフテックPS-8000-Foではなく、ESPカスタム・ラボ・フィックスド・ブリッジ・サドルとなります。
菅原卓郎のTricksterというネーミングに感銘を受けた滝は“軽さをマスターしている”という意味と、左腕のケガが本器の開発につながったという“業(カルマ)”のふたつの意味を込めて命名。そうした経緯もあり、本器には軽量化へのアイディアや創意工夫が満載だ。例えばアルダー板にキャビティ&ピックアップを載せるための最小限の材を継ぎ足したボディ、ワン・ボリューム&ミニ・トグル・スイッチのみの簡潔なコントロール、テイルピース分の重量を軽減するために裏通しを採用した点、クロームではなく合成樹脂を用いたペグの採用などによって3kgを大きく下回る重量に。まさに滝の要望が具現化した1本と言える。
“通常シェイプなのに軽い”のが最大のポイントですね。
2016年にケガをして以来、体に負担がかからない軽いギターを探していてたんです。しばらくECLIPSシリーズを使っていて、ESPの人に“軽くて良いですね”と伝えたら、“もっと軽いのが作れるかも”と言われて。それで、“JMタイプで軽いものができないか”って相談したんです。そしたら、ある日これが出来上がっていて(笑)。最大のポイントは変形のボディではなく、通常のシェイプで軽いことです。やはり普通の形にこだわらないとおもしろくないですから。本当に軽いので弾いていても全然疲れませんよ。
私の持論としてギターは“シャーシャー”鳴っているだけのものが一番だと思っているのですが、それだけだと社会的にマズいんです(笑)。なので、社会性への一歩としてグラフテックのカーボン・サドルを使うことで音を落ち着かせて、歪ませやすくしています。それに弦も切れにくくなることもあって、グラフテックは学生の頃からずっと愛用しているんですよ。
音の印象としては、すっきりとして明るい音色です。ボディの体積はないですが面積があるので、ローもしっかり出ますよ。ライブでは基本的にリアを使っています。本来はフロント用のセイモア・ダンカン製SH-6nを載せているんですが、ディマジオのTone Zone的なふくよかさと、SH-6bのキレの“良いとこ取り”したような音が出るんですよ。フロントPUはSH-1nで、これも明るい印象があります。最近はアンビエント的な奥まった音像を出すので、歪まないロー・パワーのSH-1nが合うんですよね。
本記事は、11月13日(金)に発売されたリットーミュージック刊『ギター・マガジン 2020年12月号』にも掲載されています。表紙巻頭特集は「ギター・マガジン40周年」。ぜひチェックしてみてください!
滝 善充(9mm Parabellum Bullet/キツネツキ)
滝 善充(たき・よしみつ)◎1983年生まれ、茨城県出身。9mm Parabellum Bulletではギター、コーラス、作曲を行なうかたわら、キツネツキではドラマーを担当。