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  • “弦振動”に着目した新次元の“鳴り”

PROiX / Geki-NARI-6

PROiX / Geki-NARI-6

  • 制作:ベース・マガジン 写真:八島崇 文:ベース・マガジン 動画撮影・編集:川村健司

大阪に居を構える楽器店TSCが展開するオリジナル・ブランドPROiX。“弦振動”に着目した新次元の“鳴り”を実現したサウンドは、それを体感した人から多くの驚きの声が上がっている。今回はPROiXユーザーのベーシスト、清水玲による6弦ベース・モデルGeki-NARI-6のレビューを通して、その実力を確かめてほしい。

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驚異的な“鳴り”を実現した新次元サウンド

Geki-NARI-6 2021 SuperLowF# Fractal Vermillion Edition “Urushi”

Geki-NARI-6 2021 SuperLowF# Fractal Vermillion Edition “Urushi”

Specifications
●ボディ:カスタム・ラミネイト・ウッド●ネック:メイプル●指板:パーフェロー●スケール:34インチ●フレット数:22●ピックアップ:PROiX GMB-6●プリアンプ:PROiX オリジナル・デュアル仕様●コントロール:ヴォリューム、バランサー、 フロント・トーン、リア・トーン(兼リア・ピックアップのシングルとハムバッキングの切り替えスイッチ)、ハイ×2、ミドル×2、ロー×2●ペグ:ゴトー●ブリッジ:ゴトー●カラー:オリジナル蒔絵●価格:カスタム・モデルのため要問い合わせ

 PROiXは大阪の堺にある楽器店TSCが製作しているオリジナルのブランドだ。弦楽器の“サウンド・クオリティ”について、従来の方法とは一線を画する視点からアプローチされた新次元のサウンドは、“いかに弦振動を最適化するか”に秘密があり、それを“楽器が鳴っている”と定義している。同ブランドのユーザーであるベーシストの清水玲は、PROiXサウンドについてこう語る。“楽器としての性能の高さを示すひとつの指標として、まずは、ロング・トーンを体感してもらうのがわかりやすいと思います。この6弦ベースはローF♯のチューニングですが、ローF♯弦もローB弦の開放弦を弾いても、自分で音を止めなければ、完全に音が消えるには数分かかることもあります。しかも、伸びるのは開放弦だけでなく、弦長が短くなったハイ・ポジションなど、あらゆるポジションで、ほぼ同一のロング・トーンが得られるのもすごいところですね。こういう楽器のメリットは、非常に軽いタッチで演奏ができるということ。より体に無理がなく演奏に集中できるので、怪我などのトラブルの可能性も減少しますし、音量の幅が広がることで、よりダイナミクスをつけた演奏が可能になります”。

 PROiXの楽器は基本的にはカスタム・オーダーとなっており、今回のモデルは、フロント・ピックアップとリア・ピックアップに独立したアクティヴ・サーキットを搭載したデュアル・サーキットのモデル。試奏した清水は“このモデルでは、さらサウンドの分離が良く、音作りの幅も拡張されていますね”と話していた。なお、アクティヴ仕様の楽器だが、ボディの表面にはヴォリュームとバランサー、トーンのコントロールがあるのみで、アクティヴ・サーキットのコントロールはボディ背面にスライダーで設置。これについては“PROiXのサーキットの基本的な運用方法は、トーン全開のときのサウンドを背面の3バンドEQで確定し、演奏中は本体表面のトーン・コントロールを使って、1アクションでさまざまなサウンドにアクセスする。これが基本となります。とてもシンプルで扱いやすい仕様だと思いますね。PROiXの楽器でおもしろいのは、ハイカットするパッシヴ・トーンによって“音色”が劇的に変わること。トーンを絞っていくと高調波が削られて柔らかい音になりますが、音質は変わらずに、音色だけが変わるということで、トーンを絞らないバキバキの音も絞った柔らかい音も、プレイヤーの好みや楽曲のシチュエーションによって使い分けるといいと思います”とのことだ。

 このほか、理想的なフォームでストレスなく演奏することができる低音弦側のホーンが長く伸びているシェイプや、会津UV漆グループとのコラボレーションで実現したオリジナル蒔絵やUV漆塗装にも注目。“UV漆塗装は液体を触っているかのような手触り。非常に美しくなめらかで、耐候性にも優れています”と清水も太鼓判を押す仕上がりだ。ぜひ、清水の試奏動画に加え、PROiXショウルームにて、実際に手に取って、その実力をチェックしてもらいたい。

ヘッドにはアングルが付けられ、ナットからペグ・ポストまでの距離が長く取られているのが特徴。これも驚異的な弦振動を生む仕組みの“ひとつ”である

ピックアップはオリジナルのものを搭載。通常のピックアップはレゾナント・ピークが大きい特性を持たせているが、PROiXではノンピーク・タイプのピックアップを製作している

アクティヴ・モデルでもボディの表に設置されるのはヴォリューム、バランサー、トーンのつまみのみ。右端のトーン・コントロールをプルすることでリア・ピックアップをシングルにすることができる

プリアンプの3バンドEQはボディ背面のキャビティ・パネルに設置されている。本器はフロント・ピックアップとリア・ピックアップに独立したアクティヴ・サーキットを搭載しているため、ハイ、ミドル、ローのコントロールも2セットが搭載されている

本記事は、ベース・マガジン 2021年5月号にも掲載されています

 本記事は、リットーミュージック刊BM2105_H1.jpg 『ベース・マガジン 2021年5月号』の記事を転載したものです。同号では“Slap The World”と題して、全90ページでスラップ奏法を大特集! スラッパー同士による対談、海外ベーシストの奏法分析や国内ベーシストによるセミナー、アンケートなどを通して、プロ・ベーシストがどんな思考回路で、どんな機材を使い、どのような演奏スタイルでスラップ・ベースをプレイしているかを明らかにします。ぜひチェックしてみてください!

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製品情報

PROiX / Geki-NARI-6

【スペック】
●ボディ:カスタム・ラミネイト・ウッド●ネック:メイプル●指板:パーフェロー●スケール:34インチ●フレット数:22●ピックアップ:PROiX GMB-6●プリアンプ:PROiX オリジナル・デュアル仕様●コントロール:ヴォリューム、バランサー、 フロント・トーン、リア・トーン(兼リア・ピックアップのシングルとハムバッキングの切り替えスイッチ)、ハイ×2、ミドル×2、ロー×2●ペグ:ゴトー●ブリッジ:ゴトー●カラー:オリジナル蒔絵●価格:カスタム・モデルのため要問い合わせ
【問い合わせ】
UNISOUND TEL:050-3138-3575 https://unisound.jp/
TSC 〒591-8022 大阪府堺市北区金岡町928-2 TEL:072-259-4869 http://www.proix.com
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プロフィール

清水玲
しみず・れい●神奈川県横浜生まれ。大学在学中にプロ活動をスタートさせ、川本真琴、松浦亜弥、藤本美貴、モーニング娘、trf、高橋瞳などのレコーディングやコンサートに参加する。1993年より濱瀬元彦氏に師事し、本格的なベースの訓練を受け、現在に至る。またCMやゲームの音楽の作曲、アレンジ、プロデュースも手がけるほか、独自の理論を確立したスラッピングを中心に後進の指導にも当たっている。

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