デジマート・マガジン > 特集 > 音質と感触を徹底追求したコーティング弦:D'Addario EXPシリーズ

長い開発期間を経て、ダダリオがようやく完成させたコーティング弦、EXPシリーズ。同種の弦に求められる耐久性をクリアしながら、音質や手触りは従来の弦と肉薄し、これぞプレイヤーが待ち望んでいた仕様に仕上がっているところは、さすが3世紀以上の歴史を持つ老舗の弦メーカーと言わせるものがある。そんなEXPシリーズの魅力をギタリストの動画コメントとアンケートを交えながら紹介しよう。

ノン・コーティングの音質、使い心地に肉薄するEXPコーティング弦とは?

▲EXPコーティング弦は厚さにムラができず均一にコーティングされるよう、巻線の製造段階で施される。

 ダダリオが同社初のコーティング弦“EXPシリーズ”をリリースしたのは2010年のNAMMショーからなのだが、開発自体はかなり前から行なっており、2000年には一旦完成していたことが今回の取材で明らかになった。コーティング弦は90年代半ば頃に他社が先行発売し、状況としては認知されつつあったのだが、ダダリオは2000年時点での発売を見送り、さらに5年に及ぶ開発期間を費やし、新型の機械を導入するなど、来るべき新製品の発売に備えた。

 EXPシリーズの最大の特色は、その製造工程に見ることができる。従来のコーティング弦の場合、あらかじめ完成したワウンド弦にあとからコーティングを施す手法で作られていたのだが、ダダリオは巻線(図1参照:芯線のまわりに巻かれたワイヤー)の製造段階でコーティングをしており、厚さにムラができず均一にコーティングすることが可能となっている。その巻線に施されているコーティングの厚さは約5um(ミクロン:ミリ・メートルの1/1000)という超極薄の仕様で、これは従来のものより約50%薄いそうだ。使用されているコーティング材料は企業機密ゆえに明かされなかったが、“耐水性ポリマーで、極薄コーティングが可能なもの”で、この材質は耐久性に優れ、従来のコーティング弦のようにコーティングが剥がれて毛羽立つようなことがない。さらに音色的にも高音域のロスがなく、非コーティング弦同様のブライトでクリアなサウンドを実現している。

EXP Micro-Coating (Wound Strings)

▲両方ともダダリオ製の6弦で、2)はEXPシリーズ(コーティング)、3)はXLシリーズ(非コーティング)。


▲巻弦の断面を撮影したもので、4)がEXP、5)が他社ブランドのコーティング弦。4)は同心円状に均一にコーティング(グレーの部分)されているのに対し、5)は厚さにムラがあるのがわかる。

プロ・ギタリストのEXP使用コメントを動画で紹介!Part 1
動画コメント by 石原"SHARA"愼一郎

まずは、EARTHSHAKER、mintmintsで活動するギタリスト、石原"SHARA"愼一郎にEXP弦の感想を聞いた。アコギでもEXPを使っているようで、その使い心地についても語ってもらった。

プロ・ギタリストのEXP使用コメントを動画で紹介!Part 2
動画コメント by あらケン

続いては、及川光博、ROLLY、スガシカオなど多彩なアーティストのライブ・サポートやレコーディングで活動している、あらケンに弾き心地やトーンなど、EXP弦の感想を聞いた。

プロ・ギタリストのEXP使用アンケートを紹介!

最後に、国内トップ・プロのギタリストにEXP弦を一定期間使用してもらい、下の質問項目に答えてもらったアンケート結果を紹介しよう。
Q1. EXPの弾き心地は?
Q2. トーン、サウンドについての感想を聞かせて下さい。
Q3. 弦の持ち具合は?
Q4. 使用ギター、張っていた期間、普段使っている弦について教えて下さい。

鬼怒無月 / 使用弦:EXP110

鬼怒無月

鬼怒無月

Q1. EXPの弾き心地は?
僕は普段アーケイのE240(009~046)を使っているのですが、アーケイの弦は非常に張りが強く、アーケイ用にセッティングされた自分のギターにダダリオの009のセットを張ると相当弾き心地が変わってしまう気がしたので、今回のチェックでは(010~046)のセットを使わせてもらいました。張ってみるとワウンド弦ではややバズが多くなりテンションも若干弱めな感じに。プレーン弦はさすがに009より弱いということはなく、普通にゲージを1ランク上げた感じです。

Q2. トーン、サウンドについての感想を聞かせて下さい。
トーンはやはりダダリオらしい色気にあふれた感じですね。ワウンド弦はアーケイに比べると若干出力が弱い気がしたのですが、これはコーティングされている故なのでしょうか?ただバランスとしては悪くはないです。クリーン・トーンの場合は粘りのあるややブルージィな音で、飽きのこない感じです。歪ませた場合は全体にピークのないバランスの良い音だと思います。

Q3. 弦の持ち具合は?
今回、梅津和時さんのKIKI BANDのツアーで使っていたのですが、相当ハードなステージを4日連続でこなしても切れることもなく、また音が劣化することもなかったので普通以上に耐久性はあるほうだと思います。柔らかい分もしかしたらアーケイより切れにくいかもしれませんね。

Q4. 使用ギター、張っていた期間、普段使っている弦について教えて下さい。
Vanzandt ストラトキャスター(2ハムバッカー)。使用弦アーケイE240(009~046)

マーティ・フリードマン / 使用弦:EXP110

マーティ・フリードマン

マーティ・フリードマン

Q1. EXPの弾き心地は?
正直、僕のギターテックは僕の知らないうちに、レコーディングの直前にEXPを張り替えていた。レコーディング終わって次の日まで何も教えてくれなかった。アイツいたずらじゃん!弾き心地はいつも使ってるダダリオの弦との差をまったく感じなかった……と言いながら、僕はもともと弦とかピックとかネックとかの弾き心地に対して、非常に鈍くて気にしない人です。

Q2. トーン、サウンドについての感想を聞かせて下さい。
相変わらず抜群です。僕は20年以上ダダリオ使ってる。一回ガッカリさせられたら他のメーカーを使うので、ダダリオの一貫性がすごいです。

Q3. 弦の持ち具合は?
僕は弦なんて区別できるほど繊細な人じゃないです。

Q4. 使用ギター、張っていた期間、普段使っている弦について教えて下さい。
最近よく弾いているPRSの赤いギターです。東京ドームのイベントのためのレコーディングで8時間くらい使った。ゲージは相変わらず010でした。

山内総一郎(フジファブリック)/ 使用弦:EXP115

山内総一郎(フジファブリック)

山内総一郎(フジファブリック)

Q1. EXPの弾き心地は?
コーティングのヌルヌルした感じがなく、指でもピックでも違和感はほとんど感じないです。ピッキング・スクラッチもちゃんと出るのでうれしいです。

Q2. トーン、サウンドについての感想を聞かせて下さい。
ハリのある音はさすがダダリオという感じです。音の伸びが良い点でステンレス製のスライド・バーとの相性が良く感じます。

Q3. 弦の持ち具合は?
錆びていないので弦の替え時に迷う。切れた時のショックがデカそう。

Q4. 使用ギター、張っていた期間、普段使っている弦について教えて下さい。
使用ギター:フェンダー・テレキャスター、期間:1週間。普段使用弦:ほとんどのギターはダダリオEXL115。ギブソンはEXL145。

EXPお試しキャンペーン実施中!
今だけ限定 3Dパック購入で同ゲージのEXPサンプル弦がついてくる!

ダダリオでは、今回紹介しているEXPのお試しキャンペーンを実施中だ。期間中、ステッカーが貼られている対象商品に、もれなく同ゲージのEXPコーティング弦1セットが付いているというもの!この機会に“ノン・コーティング弦のサウンドと感触のまま、4倍長持ち”のコーティング弦、EXPシリーズと3Dパックのノン・コーティング弦を弾き比べてみてほしい。

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[キャンペーン期間] 2012年8月下旬~キャンペーン対象弦の出荷数が規定数量に達するまで。
※一部店舗ではキャンペーンを実施していない場合がございます。