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エバラ健太 meets TC-Helicon VoiceLive Play GTX〜ボーカルもギターもこれ一台で!実践編

ギターを弾きながら歌うシンガー/ソングライターがライブをする時、ギターのライン出力にはこだわっていても、ボーカルはPA任せが当たり前。大事な歌を届けるために、ひと工夫あっても良いのでは? VoiceLive Play GTXは、そんなシンガー/ソングライターにお薦めのアイテムだ。実際に本機をフル活用しているエバラ健太にその使用法と活用術を動画で披露してもらった。

エバラ健太がVoiceLive Play GTXの活用術を披露!
エバラ健太 meets TC-Helicon VoiceLive Play GTX

VoiceLive Play GTX使いこなし談義に花が咲き、和気あいあいとしたエバラとTCグループ・ジャパン矢島氏。

 今回の動画取材に応じてくれたのは、アコギの弾き語りにループ・マシンを組み合わせるなど、自由な発想で音楽活動をくり広げているシンガー/ソングライターのエバラ健太。もともとエフェクター好きということもあって、TCへリコン製品もVoiceTone Harmony GVoiceLive Touchなども愛用しており、本企画にはまさにうってつけの人物と言えるだろう。

 以前は畳ほどあるエフェクター・ボードを使っていたというエバラだが、現在はVoiceLive Play GTXとSwitch-3(フット・コントローラー)のみというシンプルな構成。動画でもセッティングに触れているが、ギターとボーカル・マイクをVoiceLive Play GTXに接続し、内蔵のアンプ・シミュレーター(Acoustic)とエフェクトを使用している。Switch-3はループの録音・再生・オーバーダブなどをコントロールするために増設したものだ。

 エフェクトは実戦向けにエディットされており、呼び出しも簡単なFAVORITEに登録してある。これについてエバラ本人は、“同じ設定でもボーカルのリバーブあり/なしというパッチを作っておいて、会場ごとに使い分けています。PAさんがいる場合はなしを選んで、リバーブはお任せするという感じですね”。リバーブは特にお気に入りとのことだが、それについては取材に同席したTCグループ・ジャパン代表取締役の矢島靖彦氏がこう補足する。“ボーカル・エフェクターってまだまだPAエンジニアの方々とのコミュニケーションが不可欠で、ハウリング対策はもちろん全体的なミックス・バランスの問題もあるので、ぜひPAエンジニアさんとハーモニーの音量なども話し合ってほしいですね。”

VoiceLive Play GTXとフット・コントローラーSwitch-3というシンプルさ。リア・パネルを見るとヘッドフォン端子までフル活用しているのがわかる。ギターはメイトンEA80で、APMicピックアップ・システムから直接インプット。

 

 続いてお見せする動画は、エバラが実際に行っているハーモニーの設定方法だ。また、矢島氏がVoiceLiveユーザーから多く質問を受けるという、“ケロケロ・ボイス”の作り方も披露してもらった。

エバラ健太がVoiceLive Play GTXの活用術を披露!
エバラ流ハーモニーの使い方/ケロケロ・ボイスの作り方

 矢島氏が驚くほどVoiceLive Play GTXを使いこなしていたエバラ。それゆえのジレンマを笑いながら話してくれた。“ハーモニーもすごくナチュラルで、ライブで使うと「うしろで誰か歌っていたの?」とか「オケを流していた?」なんて言われることもあるんですよ。「ひとりでやっているんですよ!」って説明したくなる時もありますね(笑)”。

[PROFILE] えばら・けんた
1983年、東京都出身。地元と第2の故郷徳島を拠点に、全国各地を旅する弾き語りシンガー/ソングライター。作詞・作曲だけでなくアレンジ・録音・ミックスまでを自ら手がける。的確なギター・ワークと歌唱によるオーガニックなサウンドを、デジタルマシンで即興的に加工しながら情緒的に歌い上げるライブは、既存のジャンルにカテゴライズされない新しい音楽シーンの幕開けを予感させる。自身の活動の他、アンジェラ・アキの7th『BLUE』のアレンジを始め、さまざまなレコーディングにも参加。
エバラ健太 Official Website
AMAZONにて最新アルバム『WORLD』発売中!

“声”を多彩に彩るボーカル・エフェクター
VoiceLive Play GTXとは?

▲今までにないギターボーカリスト向けのマルチ・エフェクターVoiceLive Play GTX。

 全4モデルがラインナップするVoiceLiveシリーズは、ボーカル用に特化した製品をリリースしているTCへリコンのマルチ・エフェクター。中でも今回取り上げたVoiceLive Play GTXは、ライブでの使用にも便利なストンプ・タイプで、かつグループ会社であるTCエレクトロニックの高品位ギター用エフェクトも搭載したボーカル兼ギターに最適なモデルだ。

 まず要となるボーカル用エフェクトは、全8カテゴリー/100種以上を内蔵。ディレイやリバーブなど一般的なものに加え、ハーモニー/ダブリング/メガフォンやラジオ・ボイスなどのトランスデューサー/ハードチューン&ピッチ補正など、“声”を多彩に彩るエフェクトを豊富に取りそろえている。中でも注目は、男声&女声コーラスを各2タイプずつ備え、それらを任意に組み合わせることができる“ハーモニー”だ。自分の声を変換/生成した自然な効果も驚きだが、入力されたギターのコードを自動判定し、キーに沿ったハーモニーを生み出すという点も、本機の大きな特徴と言えるだろう。

 さらに前述したギター用エフェクトも、歪みや空間系など9タイプを搭載。フェンダーやマーシャルのシミュレートの他、アコギ用クリーンも含む11タイプのモデリング・アンプも内蔵している。また、最大30秒のループ機能やステレオ・マイクの内蔵、ピッチ検出によるトレーニング・モードなどは曲作りや自宅練習でも重宝するだろう。

▲搭載されているボーカル用エフェクトはμModモジュレーション、エコー&ディレイ、リバーブ、ハーモニー、ダブリング、トランスデューサー(ディストーション、メガフォン・ボイス、ラジオ・ボイスetc.)、アダプティブ・トーン(自動EQ、コンプ、ディエッサー、ノイズゲート)、ハードチューン&ピッチ補正。昨今のシーンでお馴染みのいわゆるケロケロ・ボイスも簡単に作れる。そしてそれらにルーパーとギター用のエフェクト群&チューナーが加わる。

VoiceLive Play GTXの主な特徴

■VoiceLiveシリーズ直伝の高品位ボーカル・エフェクトを搭載、プロ仕様のサウンドを瞬時に再現。
■高品質なTC Electronic社のギターエフェクト、アンプ/スピーカーシミュレターを搭載。
■マイクの信号を高精度ピッチ検出アルゴリズムにより瞬時に解析。リアルタイムにピッチ情報を表示し練習に最適な「PRACTICE」モードを搭載。
■AUX/USBに接続したMP3プレイヤーなどから楽曲のキーを検知する「Auto Key」機能を搭載。楽曲に適切なハーモニー生成が可能。
■内蔵ステレオコンデンサーマイクを搭載し、ハンドマイクなしでもハーモニー生成が可能。
■入力した楽曲からボーカルのみ取り除く「Sing Along」(ボイス・キャンセリング機能)でカラオケ練習が可能。
■VLOOPルーパー機能を搭載し、入力音を多重録音可能。
■TC-Helicon MP-75マイクロフォンに対応:Mic Control機能でエフェクトのオン/オフが可能。
■Switch-3リモート・フットスイッチに対応:Switch-3を接続し、フット・コントロールの機能拡張が可能。

[SPECIFICATIONS]
●搭載エフェクト:μMod、ディレイ、リバーブ、ハーモニー、ダブリング、トランスデューサー、トーン補正、ハードチューン&ピッチ補正、VLOOPルーパー、ギター用エフェクト各種、チューナー ●コントロール:235種類のプリセット搭載、プリセットUp/Down、及びHITボタン、グラフィックLCDディスプレイ、マイクレベル調整ツマミ、デュアルカラー・バックライト付きボタン、エフェクト・ブロックOn/Offボタン ●外形寸法: 200(W)x 156(D)x45(H)mm ●重量:0.95 kg ●価格:オープン・プライス(実勢市場価格:35,000円前後)


●[アナログ入力] マイク:XLR/AUX:1/8" ステレオ・ミニジャック/ギター:1/4インチPhone●[アナログ出力] XLR、ギターthru:1/4インチTRS●[コントロール] USB:USB-B(コントロール、MIDI、及びオーディオI/O)/外部ペダル:1/4" TRSフォーン/MIDI In:5ピンDIN