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単なるレプリカに止まらない!トラディショナルなスタイルでありながら
様々な改良が加えらた現在進行形のジャズマスター・タイプ

Crews Maniac Sound
OS-JM

[2012/11/22] 文&試奏:井戸沼 尚也/写真:星野 俊

 本機はバーガンディ・ミスト・フィニッシュが印象的なジャズマスター・タイプのOS-JM。62年のジャズマスターをベースに様々な改良が加えられており、単なるビンテージのレプリカに止まっていない。フレットはミディアム・ジャンボを採用、指板には貴重なマダガスカル・ローズが使われ、高音域の再生に一役買っているようだ。指板のRもきつくなく、プレイヤビリティは非常に良好である。サウンドチェックしてみると、まずはそのトレブルのキレの良さが印象的。オーソドックスなテケテケ系や、リバーブたっぷりのピチャピチャ系など、気持ち良く演奏できる。

 ただこのギターは、そうしたオーソドックスな演奏だけはなく、もっと現代のプレイヤーにも対応できる設計になっている。ぱっと聞くとトレブルのキレに耳を奪われるが、腰のあるミドルやローも併せ持っており、簡単に言うとレンジが広くて音が太い。撮影はアンプ直を基本としているので使用できなかったが、いわゆる“マフ系”のファズを繋いで弾いたらドハマり間違いなしだし、あえてアメリカンではなくブリティッシュ系チューブ・アンプをクランチさせて弾いてみても、気持ちの良い音が得られそうだ。

 プリセット・トーンを外したすっきりとしたコントロールもありがたい。現代的なプレイヤビリティは欲しい、けれどジャズマスターの良さはしっかりと残っていてほしい──そんな欲張りな要望に、しっかりと応える1本だ。

Crews Maniac Sound
OS-JM

[SPECIFICATIONS]
■ボディ:アルダー ■ネック:メイプル ■指版:マダガスカル・ローズウッド ■フレット:21 ■ピックアップ:サイトーンFLATHEAD×2 ■コントロール:ボリューム、トーン、3ウェイ・トグル・スイッチ ■ブリッジ:オリジナル ■ペグ:ゴトーSD-91 ■カラー:ビンテージ・ホワイト、ブラック・フィニッシュ、3トーン・サンバースト、バーガンディ(写真)
価格:オープン・プライス(市場実勢価格:188,000円前後)

[試奏者PROFILE] 井戸沼尚也(いどぬま・なおや)
大学在学中から環境音楽系のスタジオ・ワークを中心に、プロとしてのキャリアをスタート。CM音楽制作等に携わりつつ、自己のバンド“Il Berlione”のギタリストとして海外で評価を得る。第2回ギター・マガジンチャンピオンシップ・準グランプリ受賞。現在はZubola funk Laboratoryでの演奏をメインに、ギター・プレイヤーとライター/エディターの2本立てで活動中。