商品の説明

1952年からという深い歴史があり、エレキギターという大きなジャンルの代名詞でありGibson社のフラッグシップモデルである”Les Paul”モデル。しかし販売当時は高い定価と重いボディに今のような人気が無く、1961年の初期にSG(Solid Guitar)シェイプへとモデルチェンジを致します。その後1968年にはメイプルトップのLes Paul Standardが復刻しますが、人気の高かったSGモデルはそこで生産終了とならず、現在に至るまでラインナップされ続けるロングセラーモデルとなっております。SGを愛用するギタリストとしては、エリック・クラプトン、アンガス・ヤング、デレク・トラックス、ジミー・ペイジ、イアン・マッケイ、ブリタニー・ハワード、ゲイリー・クラーク・ジュニア等々、国内でも数多くのギタリスト達が愛用するLes Paulモデルとならぶエレキギターのスタンダードモデルとなります。

今回ご紹介させて頂くのは、ロックの象徴と感じさせる過度期スペックの1975年製SG Standardモデル。ハカランダさながらのコントラストの強いローズ指板、この時期ならではのスーパーハムバッカー搭載。加えて電装関係は交換歴無しのハンダバージンかつ、ペグ交換以外は消耗パーツ含め全て当時のままとなるフルオリジナル品になります。

1970年代に様々なスペック変更が行われる過度期となった理由のひとつとして、1969年に経営権が元々のCMI社からノーリン社へと移譲されたことが大きくなりますが、1971年にはSG Pro、SG Deluxe、SG-100等の新しいモデルが発表されると合わせて、元々のSG-Standard、SG-Special、SG-Juniorはカタログから一度消されてしまいます。その翌年となる1972年にSG-StandardとSG Specialが復活します。その後SG-Specialは1979年、SG-Customは1980年頃にカタログから消えます。SG-Standardは1979年にThe SG Standard(Walnutカラー)とThe SG Deluxeへと枝分かれしながらも1983年には再度SG-Standardのモデル名へと戻ります。

こちらの1975年製スペックの特徴として、まずボディは王道のSGスタイルにて薄い3Pのマホガニーボディには、弾きやすさ求めたベヴェルドコンターが施されます。ネックも同様にマホガニーが採用され、こちらも3P仕様にてナット裏付近には強度を上げるためのボリュート、ヘッド裏にはMade In USA刻印が打たれます。指板に採用されたローズウッドは遠目ではエボニーかと思ってしまう程の黒々とした素晴らしい材が採用されております。その他細部スペックとしては、指板ポジションマークはパール・スモールブロックにて指板サイドにはバインディング。ピックガードはスモールスタイルのブラックガード、ワイド・トラベル・チューンOマティックブリッジにストップテイルピース、トラスロッドカバーには”S-G”の刻印、コントロールは所謂スピードタイプとなるブラックのバレルノブ、チューナーはオールドスタイルのクルーソンとなります。年式の特定としてはシリアルからは1973～1975年製対応にてポットデイトが1975年となります為、1975年製と表記させて頂いております。

そして特筆すべくはこの驚愕のサウンドでしょう。レスポールモデル独特の太く粘りのあるローミッドに加え、上位機種であるカスタムのようなエッジ感は、ドライブ時にもその輪郭を崩すことなく煌びやかでレスポンスの良いアタック感をお愉しみ頂けるでしょう。クリーン～クランチにおけるブルージーなソロパートからドライブ時のジャキっと歯切れの良いロックリフまで幅広いジャンルで活躍してくれます。またビル・ローレンス氏も開発に携わった当時新しく開発されたピックアップであるタールバックのスーパーハムバッカーの特徴としては、以前までのアルニコマグネットではなくセラミックとなり、その名の通り裏面をエポキシ樹脂にてコーティングすることでフィードバック対策がなされております。スーパーハムバッカーという名前ながら出力は適度に抑えられており、力強さがありながら耳に痛い音域を排除したジャジーなニュアンスを持ち、SGモデルとの抜群の相性を感じさせてくれます。重量は約3.14kgと非常に軽量な個体に加え薄めのネックシェイプ、ダブルカットのハイポジの演奏性など、プレイアビリティも非常に高い一本となっております。

最後に状態としては、そろそろ半世紀にも迫る長い歳月が経過している事もあり、全体的に打痕やスレ、スクラッチ、塗装ダメージ等が多く見受けられますが、ヴィンテージファンには堪らない、エイジド加工では絶対に再現出来ない抜群の雰囲気を持ちます。演奏面としてはネックコンディションは良好でトラスロッドの余裕もシッカリと残っており、フレットは元々低めのタイプながらオリジナルで、まだまだ現役で活躍してくれるコンディションです。パーツ類については、ペグが近年のGIBSON DELUXE刻印の入ったリイシューパーツへ交換（オリジナルシャーラー製チューナーのエキストラホールあり）されておりますが、その他フレット＆ナットを含め全て当時のオリジナルのままとなります。併せて電装関係は交換歴一切無しのハンダバージンコンディションとなっております。リペア歴としてはネック折れ・クラック等の致命的な修復歴はございませんが、ボディの3P接合部、ヘッドのウイング接合部にそれぞれ僅かながら剥がれが確認出来ます。こちらは現状のままお使い頂くのに問題ありません。ケースは当時のオリジナルハードケースが付属致しますが、トップ側に以前の所有者様が施したと思われるペインティング（T.OKAZAKI Blue Sounds）が入っております。

昨今の楽器業界全体の高騰の中でも、一番の高騰を魅せ付けているのは1970年代ヴィンテージですが、同じSG Standardでも1960年代は200～300万円、1970年初頭でも3桁オーバー当然、同時期70年代中期に関しては50～60万円前後が相場感となっております。今回の一本については上述の通りハンダバージンかつ非常に高いオリジナル度ながら支障が無いとは言え接合部の僅かな剥がれがございます為、適正価格としては50万円前後になるかと予想されますが、こちら前所有者様からのご厚意もあり、相場を完全に無視した即売れ必死のプレイヤーズプライスにてご案内させて頂く事となりました。今後も更なる高騰が予想される70’s Vintageギアとなりますので、お探しだった方はもちろん、お気になりました方は是非この大チャンスをお見逃しなく。