商品の説明

Paul Reed Smith氏と20年以上に渡って最も古くから深くリレーションシップを築くスタジオ・セッションギタリストであるデイビッド・グリソム（David Grissom）。アメリカを代表する数々のバンドやレコーディング、ツアーに携わり、ジョン・メレンキャンプとの共演でも有名です。1994年に発表されたMcCartyモデルについては、デイビッドがデュアン・オールマンの様なギターモデルをリクエストした事に起因しているとも言われております。そのMcCartyモデルをベースとしながら、デイビッド本人の更なる数々のリクエストを取り入れたモデルがDavid Grissom Signatureモデル、通称DGT(David Grissom Trem)モデルとなります。

今回ご紹介させて頂く一本は、只でさえ生産本数の少ないDGTモデルをPRSにおける最上位グレードとなるPrivate Stockシリーズにて世界限定25本のみ制作された一本。現在PRS社ですら入手が難しくオーダーすら出来ない超稀少材ペルナンブーコをネックに採用した特別なモデルとなります。

まずそのスペックとして、PRSの顔とも言えるボディトップ材にはプライベートストックグレードと呼ぶに相応しい最高峰クオリティのCurly “Chevron” Mapleを採用。Chevron（山形）の名の通り、中心から突き上げるように浮かび上がる極上のフィギュアドフレイムは見る角度によって様々に変化を魅せつけます。また横ラインのフィギュアドと相まって縦ラインの杢目もシッカリ入り、各所に硬質なメイプル特有のフレックラインが確認出来ます。フィニッシュカラーには特注の”Apricot”カラーがハイグロスのニトロセルロースラッカーにて仕上げられておりますが、PRSのフラッグシップカラーであるVintage Yellowに深みを加えたような色合いで、極上の3Dフィギュアドとのマッチングにより立体的な芸術性の高い仕上がりとなっております。そして本モデルの最大の特徴となるネックには超稀少材となるペルナンブーコを採用。ブラジル北東部の州であるペルナンブーコ州で伐採される材という事から由来する名前で、別名ブラジルボクやパウ・ブラジルの名前でも知られますが、主にバイオリンの弓に採用される事が多く、2007年以降はワシントン条約にて規制されます。大量のウッドストックを持つPRS社ですら確保が難しく、ハカランダを超える稀少材として現在ではオーダーすら出来ません。次に指板材にはブラック・イーストインディアンローズウッドが採用されますが、当時はPRS社に良いハカランダ材がストックとして無かった為、品質の落ちるハカランダ材よりも良質なインディアンローズの方が良いという見解にて採用されたとの事です。こちらは正直スペックシートが無ければ良質なハカランダと勘違いしてしまう程の素晴らしい材となっており、真っ黒なコントラストに加えて導管からは油分の滲みも感じられ、もしかするとハカランダかもと思える程の極上材です。指板インレイには、マンモスアイボリー（マンモスの象牙）にて2008スタイルの”J”バーズインレイアウトラインに、センター部には宝石のような輝きを見せるパウアハートアバロンが施されます。ヘッドも同様にブラック・イーストインディアンローズの突板にマンモスアイボリーの”J”アウトラインにパウアハートアバロンの組み合わせとなっております。その他McCartyモデルからのアップグレードとして、ストップテイルはトレモロに、PatternネックシェイプはDGTオリジナルのネックシェイプに、ミディアムジャンボフレットからジャンボフレットに、チューナーのニッケルボタンはFaux（人工）ボーンとなり、ハードウェアはゴールドとクロームのハイブリッド仕様、トラスロッドカバーにはマンモスアイボリーの”DGT”インレイが施されております。

拘りのスペックに目を奪われがちですが、やはり真髄はサウンドにこそ感じられます。まずネック材にペルナンブーコを採用した事によって、マホガニーやローズウッドのネックとは異なる唯一無二のサウンド特性を持ちます。サウンドキャラクターとしてはスコーンと抜ける硬質さがありながら、硬く尖ったような印象は無く、どちらかと言えばマホガニーボディの甘く太いトーンの輪郭に重厚感のあるエッジを加えたニュアンスを受けます。ピックアップには非売品となる本モデルならではのDGTピックアップを搭載。こちらはデイビッド本人が幾度にも渡ってテストをした”答え”となるピックアップとなりますが、出力自体は比較的高めに設定されていながら、深い奥行と枯れたニュアンスのあるヴィンテージライクなトーンを持っており、1985～1986年頃の初期PRSモデルに搭載されたVintage Bass & Trebleピックアップのパワーを上げたといった印象を受けます。またコントロールもDGTモデルならでは、2ボリューム、1トーン、3wayセレクターにコイルタップ仕様にすることで、ミックスポジション時にフロントとリアのバランスを調整する事を可能とします。加えてコイルタップによるハム⇔シングルの切替も合わさって、かなり幅の広いサウンドメイキングを誇ります。デイビッド本人によるコメントに「DGTは無数のライブ、無数のレコーディングという現場の考えから生まれたギターだ。厳選されたヴィンテージ・ギターのようでもあるし、サウンドもヴィンテージ・ギターのよう。でも、新品の状態からすぐに使えるギターだ。あらゆる視点から考え抜かれたスペックがこの1本に詰まっている。まさに俺にとって完璧なギターがDGTだね。」とありますが、まさにPRSと最も古くから付き合いのあるプロのシグネイチャーモデルに相応しい仕様となっております。

状態としては、一見してミント～ニアミントかと思える程の極上美品コンディション。しっかりと見渡してみれば、トレモロキャビティの脇に2.5mm×10mm程の打痕、ネック部にスタンド跡、その他は細かなスレや僅かな浅いポツ打痕程度は見受けられますが、目立った使用感は無く、14年前の一本という事を考慮すればかなり状態の良い美品コンディションとなっております。プレイ面においてもネックコンディションは良好でトラスの余裕もシッカリと残っており、フレットは大きな凹みや部分減りも無く9部山程残っております。付属品としてはスペックの記載のある認定書を始めとする一式（画像参照）、ケースもプライベートストックならではの豪華なオリジナルハードケースが付属致します。

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