商品の説明

1962年にフェンダー最上位機種として発表され、サーフミュージックを中心に人気を博した後に一旦生産中止されましたが、1990年代にカート・コバーンが愛用した事でオルタナ、グランジシーンで人気が再燃し、それ以降はジャンルを問わず多くのミュージシャンに愛用され、現在はフェンダーを代表する機種のひとつとしても知られるようになった名器 ”Jaguar”

ちなみに名前の由来は英国の高級車から来ているそうで、車好きだったレオ・フェンダーらしいセレクトと言えますね。

本器は「Lシリアル」を採用した、通称プリCBS期と呼ばれる1965年に製作された一本で、大量生産に舵を切ったCBS期の前の時代、簡単に言うと昔ながらの手間がかかる製法で作られた、最後の年代の物です。

その存在感に圧倒されているせいかも知れませんが(笑) パッと見るだけで何とも言えない風格が漂っております！

1965年は ”Jaguar” にとっても様々な変化があった時期で、
・指板がブラジリアンローズウッドからインディアンローズウッドに変更。
・65年末にはネックバインディングが施されるようになる。
・66年からポジションインレイがドッドからブロックに変更。
と、時期や製作現場の状況などで、色々なスペックが混在した筐体も見受けられるようです。

本器はスタンダードな仕様と言いましょうか、64年までのモデルとほぼ同仕様。

ラウンド貼りのローズウッド指板を採用していますが、ハカランダなのか？インディアン・ローズなのか？65年は双方混在しているのがややこしく・・・どちらとも言える見た目をしているので、特定には至っておりません。

全体の状態は、60年代の物と考えればなかなか良好と言えますが、一部オリジナル状態でない箇所（交換された箇所）がございます。

・リアピックアップ交換 ”Duncan SJAG-1b” に（フロントはオリジナル、デイトとHVと読めるサインが記入されています、写真参照）
・サドル交換（オリジナル？と思われるサドル付属しますが、ネジが一本サドルに付いたまま折れており、全体的にサビが出ているため使えません）
・ナット交換（オイル漬け牛骨へ）
・フレット交換（ナロートール・タイプへ）
・ネックポケット・シム交換（紙製から木製へ、角度調節のため大きいサイズに交換されています、写真参照）
・ブリッジ部のフェンダーミュート欠品

上記以外はパーツアッセンブリーも含めてオリジナルと思われますが、細かい箇所は写真でご確認下さい。

【シリアルナンバー】
ネックプレート：L77034
ネックデイト：1MAR65B
ポットデイト：304-6508（ボリューム、トーン）

ジャガーと言うギターの説明は今更でしょうが、個性派ギターの代表格と呼ばれながらも、長年にわたって多数のミュージシャンに愛され続けるギターで、発売当時は最上位機種ながら、その特異なスペックで万人受けしなかったらしく、評価が高まったのは比較的最近のことですが、こうして60年代の実機を見ると、当時から高い完成度を誇っていた事が伺えます。

ショートスケール特有のテンション感や弾き心地、歯切れがよく鋭い音色、フローティングトレモロによる滑らかなアーミングなど、ジャガーと言うギターの魅力がとことん堪能出来ることは間違いないです。

個人的には、触る時にどうしても「ありがたや～」感が出てしまいますが(笑) 許されるならいつまでも弾いていたいと感じてしまう位、気持ちを高ぶらせてくれる素晴らしいギターでした！

またSUGIZOフリークとしては、アルバム「STYLE」以降～現在までのSGZサウンドを形成する重要なイクイップメントとして認知し、憧れていたギターなので、触れた時の感動も大きかったことを追記します（どうでもいい情報ですよね笑）

オリジナル状態にこだわる方には気になる事柄もあるかも知れませんが「ヴィンテージ・ジャガーの魅力に触れてみたい」なんてプレイヤーの方には自信を持ってお勧めできる一本です。

傷や塗装溶けによるリアルレリック状態ですが、プレイに支障が出るような損傷は見受けられません。

ピックガードが縮んでおり、ネジが少し斜めに入ります、またフロントピックアップ高さ調整の際に少し干渉します（現状はポールピースとの距離が最終フレット押さえた状態で約2.5mm、あと3㎜位上げると干渉します）

パーツの動作や機能的にも現状問題はありません、パーツ磨きやサビ取りもヴィンテージ感を失わない程度で仕上げております。

フレット残は約8割、すり合わせしましたが、リフレットされているので、まだたっぷり残っております。

ネックはほぼストレートですが、トラスロッドは現状緩み切った状態、長年弦を緩めたからだと思うので、010～以上のゲージで暫く使用していればネックの状態も変化して行くと思われます。

オリジナルケースが欠品しているので、代わりにノーブランドのツイード・ハードケースが付属します。

60年代、特にCBS期以前のジャガーは近年価格高騰が進んでいます。
気になった方はこの機会に是非ご検討くださいませ。