商品の説明

悠久の時間を堪能出来る特別なギターです。
マーチン社の資料によると、この3-17が制作されたのは1856年からとあります。
バックにC.F.MARTIN NEW YORK と刻印されていて、内部ネックブロックの刻印が逆さまですので、1867年までの仕様のようです。
その後は C.F.MARTIN&Co NEW YORK と＆Coが入ります。
まだシリアル番号の無い時代ですので、正確な年代特定は出来ませんが、ほぼこの11年間の間に制作された楽器です。日本で言うとまだ江戸時代ですね。
ペリーの黒船来航が1853年で横浜が開港されたのが1859年、坂本竜馬が暗殺されたのが1867年で、明治元年となるのが1868年です。そんな時代に思いをはせて爪弾くことが出来るなんて何と贅沢な事でしょう。
サイズは3ですので、ボディー幅11ー1/4インチ（約28.6センチ）で、かなり小ぶりなデザインです。
スケールは60.6センチ程度です。
トップはアディロンダックスプルース、サイド、バックはブラジリアンローズウッド、ネックは黒くペイントされていますが、剥がれている部分を見るとマホガニーのようです。エボニー指板、エボニーブリッジです。
ネックジョイントが独特なデザインで、この年代にしか存在しない構造です。
ペグは当時のオリジナルで、ノブは象牙製、手作業で成形していたらしく、良く見ると微妙に一個づつ形状に違いが見られます。
エボニーナット、バータイプフレットです。
当時はガット弦で設計されていますが、ブリッジプレイトはボールエンドのスティール弦が使えるようになっています。
ネック調整、ネック角度修正のうえフレット再調整済みです。
12フレット上で6弦2.6ミリ、1弦2.1ミリで、ショートスケールですのでかなり弾き易いと思います。
トップに複数のクラックリペアー、バックにもクラックリペアーがあります。
それなりにキズも見られますが、歴代のオーナーさんの手でメンテナンスを重ねられてきた歴史を感じさせます。
当店入荷後にさらに演奏性を良く再調整していますので、ストレス無くどのポジションも弾き易いと思います。
弦はコンパウドゲージでセットしています。ライトゲージとかテンションのある弦は強度的にも音にとっても使わないほうが良いと思います。
やさしい、それでいて枯れた雰囲気タップリのトーンで鳴ります。
サイズから考えると驚くほどレスポンスの良い質感のハッキリとしたサウンドで鳴ります。
このギターだからこそ表現出来る音があると思いますし、このギターからインスピレーションを感じることで、奏でられるサウンドがまた素敵だと思います。
歴史的な価値のある超貴重なギター、なかなか手に出来るチャンスは無いと思います。
当時のオリジナルコフィンケース、少し壊れていますがこれも大変貴重なものです。
博物館級の骨董品でいて、実際に演奏して楽しめる素晴らしい1本です。