商品の説明

1970年代当時、国産ギターの中でも高い人気を誇ったS.YAIRI。今ではヤイリと言うとK-YAIRIが一般的ですが、当時はこのS-YAIRIが羨望のブランドでした。物価価値が現在の半分程度の時代に6万円～20万円のラインナップを揃えて数々のアーチストにも愛用され、商業的にも成功しました。
ダイナミックでパワフルな鳴りと精巧な作り込み、現在もジャパニーズビンテージを代表するブランドです。そのS.YAIRIもエレキギター中心の音楽ムーブメントの波を受け、1982年に工場閉鎖、終了します。
2000年に中国にて生産を再開し復活しますが、残念ながら往年のジャパンビンテージとは別物です。
今回のYD-306は、1978年頃に製作された当時￥120.000定価だったモデルです。1978年のカタログではサイドバック単板ハカランダと記載されていますが、この楽器の材にはローズウッドが採用されています。
ボディートップは単板スプルース、サイドはラミネイト・ローズウッド、バックは3ピース構造の単板ローズウッドです。
指板とブリッジはエボニー、当時のマーチン同様の塗り込みピックガードというこだわりです。ペグはオリジナルのドイツ製のシャーラーロトマチック、動作はスムーズですが、ゴールドメッキのツマミ部分はポツサビが出ています。
ナット、フレットともにオリジナル、山も残っています。サドル交換済み、当店入荷後に各部点検・調整済ですので、当面はメンテナンスフリーでお使い頂けます。
新品時から45年ほど経っていますので、見る角度によって塗膜面にウェザーチェックがみられ、通常使用でついた弾きキズ、スリキズ、ポツキズ等の使用感がこの楽器の歴史を感じさせます。
大きく目立つキズやクラックのリペアー履歴はありませんが、ネックバックにもカポタストやギタースタンドによってついた凹みをともなうアテキズが多めにみられます。指板面は綺麗です。ネック内部に鉄芯が仕込まれた固定ロッドになります。ナット幅：44㎜(実測）、645㎜スケールとなっています。
当時のS.YAIRIは出荷時の弦高が今よりもかなり高いのですが、この楽器は低めのアクションでセットアップしています。12フレット上で6弦：2.3㎜、1弦：1.6㎜です。指弾きでもピック弾きでも演奏スタイル問わず弾きやすいと思います。
硬質でバリッとハッキリとしたブライトサウンド、メリハリが感じられる粒立ちの良い音色ですが、同年代のマーチンD-35のような繊細さやシットリ感はあまり感じません。ガリンとエッジの効いたサウンドこそ、当時のS.YAIRIの特徴と思います。懐かしい昭和フォーク時代のS.YAIRIをお探しの方にオススメです。専用のオリジナルハードケース付きもポイント高いと思います。