商品の説明

ERVIN SOMOGYI（アービン・ソモジ）氏はカリフォルニア州オークランドに工房を構えるアコースティックギタールシアーの頂点とされる制作家です。日本ではソモギと呼ばれていましたが、近年では英語の発音に近いソモジと表記されるようになっています。
1944年ハンガリー出身で1959年にアメリカに家族と移住、1970年頃から趣味でギター制作を始めたと資料にはあります。
その後、スティール弦フラットトップだけでなくスパニッシュギター、クラシックギターを制作研究を重ねて1990年代には個人製作家のパイオニアで第一人者とされるようになっています。
現在はルシアーの頂点と評価されていて、ギターの制作を続けるかたわら、個人、学校で制作を教え、多数の書籍を出版しています。
その精緻な作り込みから制作出来る数は少なく、現在新しいオーダーの出来上がり期日は未定と言われています。
今回の楽器は1997年製のMODIFIDE D CUTWAY で、当時の日本の代理店による正規輸入品です。多少の使用感、補修はあるものの、美しい素晴らしいトーンの楽器です。
ボディはモディファイド・ドレッドノートと呼ばれるオリジナル形状のカッタウェイデザインです。
トップは美しい目の詰んだマスターグレードシトカスプルース、美しいブラジリアンローズウッドサイド、バック、オリジナル形状のマホガニーネック、エボニー指板、ブラジリアンローズウッドブリッジです。
オリジナルスキャロップ加工のナット、ピッチ調整済みのオリジナルサドルでフレットの消耗はほとんどありません。
エボニーノブのゴールドシャーラーペグは動作はスムーズです。
凝ったデザインのホワイトパールインレイポジションマーク、アバロンロゼッタで、ウッドバインディング仕様です。オリジナルクリアピックガードですが、内部に乾燥による剥がれ箇所が見えます。
トップ向かって右下に塗装の補修跡があります。たぶん補修時には気にならないものだったと思いますが経年変色で見えるようになったようです。
渋く色焼けしていて飴色から茶色っぽい色合いになってきていて、見る角度でウェザーチェックも見えますが、塗装面は曇り無くピカピカのコンディションを維持しています。
ネックサイドバインディング部にカポによるキズが少しあります。
かなり大切に弾かれてきたようで、全体に綺麗なコンディションです。
ナット部幅44ミリ程度、やや薄めのレギュラーグリップネックで、ハイポジションもあまり太くなっていかないシェイプです。ネックヒール部分が薄い形状で、カッタウェイとあいまってハイポジションの演奏性がバツグンです。
アジャストロッドはしっかりと機能していて余裕があります。
12フレット上で6弦2.3ミリ、1弦1.6ミリ程度のセッティングです。
内部構造は独自なデザインで、細部までこだわりが感じられる精緻な作り込みが特徴で、マーチンやギブソンと言ったギターとは全く違った豊かで圧倒的な質感の鳴りの楽器です。
太い芯のあるパワフルな箱鳴りで、単音でもしっかりと音が立ちあがります。軽い粒立ちの綺麗な高音とあわせて、ハイポジションまで音の質感が変わらない美しいトーンはため息が出るくらいです。
演奏者のニュアンスをダイナミックに表現出来る圧倒的な音楽性があります。
演奏性、操作性、最高のバランス、音色、フィンガーピッカー垂涎の1本ですね。
現在、ソモジ氏のギターには大変なプレミアムが付いていて、入手困難な状況です。トップの補修があることで、これでもかなり安めな金額で出させていただきました。
1997年と言う、ソモジ氏のギターが世界的に評価されるようになった時期の超貴重な楽器を入手出来るチャンスです。
オリジナルシリアルナンバー付きカールトンケース、当時購入時の日本のディーラーのタグも付いています。