Fender Jazz Bass |
4/27 ボディ・フィニッシュについて追記しました。
商品の説明
まずまずの美品のヴィンテージ、委託品です。
持ち主は69年製との認識でしたが、当店で細々と検証してみたところ、楽器は 68年製であるように見えます。製造と販売とで年がずれる場合がありますが、そうした理由で記憶が曖昧になる場合も多いようです。本機についての検証の詳細をレポートしつつ、商品紹介をしたいと思います。
先ずは基本のコンパネから。ポットは三つとも何故か66年31週目製造のスタックポール社製。ちょっと疑問が残る仕様でした。コンデンサは ITW (Illinois Tol Works) 社製の .022μF /100Vのフィルム・コンデンサがついていました。これは70年代初頭によく見られたもので、60年代末からの利用はあまり聞いたことがないです。総合的にみてこれらは、初期不良等で修理された可能性があります。しかし、いずれもフェンダーで当時使用されていた部品ではありますので、真実はともかく、概ね非難・批判できるポイントでは無いように思います。
ジャックは数ヶ月前、当店で交換しましたピュア・トーン・ジャックがついています。前・持ち主の方は、プレイヤー思考の強い方だったので、納得出来るパーツ・チョイスです。もちろん磨けば再使用出来る、元々付いていたスイッチクラフト社製のジャックも付属します。同様にトラスロッドのアジャストナットも新しいものに交換され、調整しやすくなっています。もちろんオリジナルも付属します。
演奏性にこだわった楽器に仕上がっていて、ネックも年代の割に状態よく調整されていました。ナットは交換され精度が増しています。ネック・スタンプは68年12月となっていました。翌年から無くなるヘッド裏のストラップピンもついています。
ピックアップは、フロントが68年48週目、リアが68年45週目となっており、違和感の無い仕様です。コットン被膜の配線材も翌年からビニール被膜に変わります。リアピックアップのマウント位置も翌年から変わりますが、本機は所謂60年代仕様のままです。こうした要素から、楽器は68年末製として、何ら問題ないと考えます。
面白いのはボディ材で、まったくアルダーボディには見えません。この時期、さまざまなボディ材が試されている公にはなっていないものの、知る人ぞ知る事実です。本機の材は何でしょうね。非常に直線的で特徴的な美しい木目を持っています。トータル重量が4kgを切っている軽量な楽器なのもこの材によるところが大きそうです。そういう意味でも68年説を裏付けているようにも思います。
(追記)こちらのボディ材は依然として謎なのですが、木目はフェイクであることが判明しました。これは "Faux Grain burst" と呼ばれるもので、白或いはベージュの潰しに木目を描いたバーストに仕上げるというもので、多ピースを誤魔化す意図があったのでは?と言われています。フェンダーのマスタービルダーでも知らない人がいるほど、知られざる事象であるようです。詳しく知りたい方を上記のワードで検索下さい。
マルチレイヤーをやるフェンダーですから、逆マルチレイヤーともとれる、これをやってもおかしくありませんね。
演奏性の高いセッティングが可能な良コンディションのヴィンテージになっています。過渡期ともいえますが、仕様的にも内容的にも60年代半ばに近いベースと言えるでしょう。
PUフェンス、フィンガーレストは欠品です。
オリジナルハードケース付属。
商品の詳細
Fender/Jazz Bass
この商品の関連情報
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