商品の説明

本国アメリカはバージニア州にて、Pre-War Golden Era期のMartinサウンドを追求するブランドMerrill Guitars。オーナールシアーであるJim Merrill氏は若い時分よりギターリペアを手掛け、1981年からは地元のリペアショップにてプロとして本格的にリペアを始めます。そこでは数多くのMartin、Gibson、D'Angelico等のヴィンテージギターの修理・修復を手掛け、リペアマンとしての高い技術と莫大な知識を手にします。1983年にはリペアの傍ら自身でD-18モデルを製作したことを皮切りに、ギター製作もスタートします。その後2000年には自信のブランドであるMerrill Guitarsを立ち上げ、独立間もなくジャック・ローレンスやブラッド・デイビスがコリングスから持ち替えたり、デヴィッド・グリアがナッシュビル・ギターから持ち替えたりと、世界的な大物アーティスト達が愛用したこともあり、一躍ブルーグラス界で注目を集めました。現在ではスティーブン・ベネットやトミー・エマニュエルの愛用でも知られます。Pre-War Golden Era期のMartinのサウンドを再現すべく徹底的に研究を続け、採算を度外視して拘り抜いて製作されるモデル達は、プリ・ウォー・マーチン・レプリカの最高峰との呼び声も上がっております。独立当初はJim Merrill氏が材の厳選から製作の全てを手掛けており、年間の製作数は15本前後、国内への入荷はその内の3～4本程度と非常に少なくなりますが、その国内入荷品は入荷後全てが即完売となる程の高い人気を誇ります。

今回ご紹介させて頂くのは、そのMerrill Guitarsが生まれるキッカケともなった、1930年代初頭のMartinを復刻したOM-18モデル。ヘッドにロゴの入る前となる初期製作品となります。

まずその拘りのスペックですが、採用された材はその種類のみならず、強度面や重量面等を加味した伐採地まで拘った厳選材にて製作されております。ボディトップにはアコースティックギターのトップ材として最高峰に位置する上質なアディロンダックスプルース、サイド＆バックにはルックスにも拘った極上杢目のキルテッド・ホンジュラスマホガニー、ネックも同様にホンジュラスマホガニーが採用されますが、こちらも薄っすらながらフィギュアドを感じさせます。採用されたホンジュラスマホガニーは全てよく乾燥されたオールドグロースの極上材となっております。その他としてはエボニー指板＆エボニーブリッジ（ロングサドル）、ヘッド突板とバインディングにはブラジリアンローズウッドが採用されております。細部に渡っても、オリジナルヴィンテージの1930年代のMartin OM-18モデルをバラして細かく分析したテンプレートにて忠実に再現。もちろんCNC等の機械は一切使わずに全て手作業にて製作されます。ボディ材の厚みに始まり、１９２９年から１９３０年頃と同じパターンを採用したブレーシングも良質なアディロンダックスプルースを少しずつ手作業にてスキャロップを施しニカワ接着。ギターの重さに関わってくる、ネックや、ボディ内のネックブロックやテールブロックにも、良質のマホガニーを使うことで、ヴィンテージギターのように軽い楽器を実現しております。

そしてその気になるサウンドですが、サウンド傾向だけでなく、音量や倍音感、音の粒立ち、レスポンス、サスティーンの伸び方等々、オリジナルヴィンテージの1930‘s Martin OM-18モデルと遜色無いどころか、全く同じとまで感じさせる驚愕の再現度を誇ります。小振りなボディサイズから放たれているとは思えない大きなボリュームや低音の芯の太さはプリアンプいらずの極上の鳴りにて他のリイシューモデルとは別格の力強さに驚かされます。高域は色気があり艶やかな美しい輪郭を描き、中域は前にズンと飛び出すヴィンテージマーチンと共通する味わい深いタップリの倍音感、そして若干遅れてくる低域はサウンド全体を覆いこむような甘くふくよかなアコースティックならではの広がりを感じさせます。1弦1弦に個性がある為、バランスとして扱いづらいかと思えば、全体としてシッカリと調和が取れており、一本でオーケーストラを奏でるかのような立体的なサウンドで聞き手だけでなく弾き手までをも魅了します。またギターを抱えた際の軽さとバランスの良さ、よく手に馴染むネックの感触、激鳴りのボディとそれをそのまま余すことなく伝えるネックの痺れ、軽快なピッキングレスポンス等、オリジナルヴィンテージの中でも”当たり”の個体を再現しております。フィンガーピッキングでもストロークでも間違いなくハマる最高の一本と自信を持ってご案内出来る一本です。

最後に状態としては、一見して大きく外観を損ねるダメージこそありませんが細かく見渡していくと、ボディトップのブリッジ下に太めの線状の当て傷、薄いピッキングスクラッチ、薄いスレ、塗装変化と思われるポツ傷、ボディサイド～エッジ下部の両側にスタンド跡と思われる打痕、ヘッドサイド（低音弦側）にストリングワインダーによる塗装ダメージ等が見受けられますが、13年前の製作品として年式を考慮すれば全体的にキレイな印象を受けます。こちら前販売店様での状態表記はA(美品)となっており、ガッツリと引き込まれてきたプレイヤーズコンディションではない良好な状態ながら、打痕や塗装ダメージを考慮して控えめにB+表記とさせて頂いております。演奏面としてはネックコンディションは良好でトラスロッドの余裕もしっかりと残っており、フレットは目立った減りなく9部山程残っております。現状にて弦高は12F上1弦側約2.0mm、6弦側約2.5mm、サドルの余裕も充分に残っております。ケースはオリジナルのハードケースが付属致します。

国内への入荷は年間3～4本程度にて、中古での流通も非常に少なくなっておりますが、過去の同モデルの販売歴としては65～70万円前後となっております。今回の一本に関しては前所有者様が66万円にてご購入された履歴も確認出来ます。前販売は約3か月前にて、前回販売時よりコンディションも変わっておりません為、適正価格としては前回販売金額と同様かと思われますが、こちら前所有者様よりこの素晴らしいサウンドの一本を是非プレイヤーの方に手にして頂きたいとのご希望もあり、過去相場を含め最安値となる非常にお値打ちな特別価格にてご案内させて頂く事となりました。市場に出れば即売れ必死の高い人気を誇るMerrill Guitars。お探しだった方も非常に多いかと予想されますので、お気になりました方は是非このチャンスをお見逃しなく。

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