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ヘッドウェイ/桜モデル10th Anniversary〜四季折々のストーリー|秋

Headway/HD-SHIKIZAKURA’23 SF,S-ESU/ATB

  • 取材:アコースティック・ギター・マガジン編集部 撮影:岩佐篤樹 文:菊池真平

ヘッドウェイが2014年から作り続けている桜モデルには、日本の四季をテーマにしたものがラインナップされている。今回はその中から、“秋の四季桜と紅葉”にインスピレーションを受け、2023年に製作された印象的な1本をピックアップ。そこに秘められたストーリーを紐解いていこう。

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細かなインレイなどのデザインは、会議で決まったテーマでデザイナーがパソコンで絵を起こし、それに色を付けて完成に近いイメージ図を作って製作されている。

 四季をテーマにした桜モデルで、最後に登場したのが秋。秋桜モデルは2021年に作られ、日本の桜と四季をテーマにしたモデルが出そろった。秋と言えば紅葉だが、その時期に見頃を迎える“四季桜”をモチーフにして、秋桜モデルが誕生する。

 四季桜は、愛知県豊田市の小原地区が有名で、川見薬師堂の本堂までの階段を囲む風景からインスピレーションを受け、それがインレイに反映されたという。実際にスタッフも現地に赴き、写真を撮影して製作に生かしている。日本人には馴染み深い桜と紅葉のコントラストは、より一層“和”のテイストを際立て、春とはまた違った情景を描き出してくれる。

 また四季モデルの中では特にロゼッタのデザインも個性的で、近年では紅葉や秋の夕焼けを感じさせてくれる斜めのグラデーション・カラーが施されるなど、さらに独創性が高まっている。

HD-SHIKIZAKURA’23 SF,S-ESU/ATB

秋に咲く四季桜と紅葉が描く“和”の世界観

 2021年に登場した秋の四季桜モデルは、トップにアディロンダック・スプルースが使われたナチュラル・フィニッシュだったが、2022年からはシトカ・スプルースとなりグラデーション・カラーが採り入れられた。紹介する2023年モデルは、秋の紅葉や夕焼けを想起させる斜め方向のグラデーションが印象的だ。

 杢目が美しいヘッド、パープルハートの指板には四季桜と紅葉が象嵌され、ポジションマーク代わりにもなっている。ロゼッタは2種類のアクリル素材が埋め込まれ、インパクトのあるルックスだ。

 サイド&バックはフレイム杢が浮き出たヤマザクラで、センターのカエデにはバックと異なるグラデーション・カラーが施され、まるで秋の夕暮れを表わしているようだ。また紅葉のインレイと和傘の女性が描かれ、日本らしい風情を感じる秋のワン・シーンが表現されている。

四季桜をモチーフに作られた秋桜モデル。2023年のサウンドホール・カバーにも美しく表現されている。

デザインのインスピレーション元となった、紅葉の時期にも咲く、四季桜。

突板には杢が出たカエデが使われ、グラデーションに仕上げられている。桜と紅葉のインレイも美しい。

2種類のアクリルが用いられたロゼッタ。ピックガードの桜と紅葉も絶妙な配置だ。

センターのカエデには、散りゆく桜と紅葉がデザインされ、和傘の女性が佇んでいる。

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アコースティック・ギター・マガジンVol.100』発売中!

本記事は、『アコースティック・ギター・マガジンVol.100』(2024/04/26発売)に掲載された「Sakura Model 10th Anniversary 2014-2024~桜モデルが紡いだ物語ストーリー」を抜粋/再編集したものです。誌面ではさらに、マスタービルダーの安井雅人氏へのインタビューやアニバーサリー・モデルの紹介コーナーも掲載。

詳細はこちら:https://www.rittor-music.co.jp/magazine/detail/3124112001/

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製品情報

Headway / HD-SHIKIZAKURA’23 SF,S-ESU/ATB

【スペック】
●トップ:シトカ・スプルース ●サイド&バック:ヤマザクラ with カエデ(センター) ●ネック:アフリカン・マホガニー ●スケール:645mm ●指板:パープルハート ●ブリッジ:パープルハート
【問い合わせ】
ディバイザー カスタマーサポート TEL:0263-57-9608 https://www.deviser.co.jp/headway
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