３台のクラシックなコンプレッサーと
定番ハイクオリティ・プリアンプを１台に凝縮

　DAWを使うベーシストには馴染みのあるブランド、Universal Audio。オーディオ・インターフェイスをはじめ、プラグイン・ソフトやレコーディング用のハードウェアを製造する同社は、ヴィンテージのレコーディング機材のサウンドを再現するエミュレーション技術に長けていることでも知られている。近年はその技術を生かした楽器用のストンプボックスUAFX Guitar Pedalsを発表し、ヴィンテージのチューブ・アンプやリヴァーブ、ディレイなどのハードウェアのサウンドを再現しており、今回紹介するUAFX Max Preamp & Dual Compressorは名機と謳われる3種類のコンプレッサーに加えて、プリアンプを搭載したモデル。ベーシストはもちろん、各方面のミュージシャンの間でも話題のペダルだ。

　UAFX Max Preamp & Dual Compressorは独立した2つのコンプレッサー回路を搭載し、コンプレッサーのタイプはDYNA、OPTO LA-2A、FET 1176の3種類。コンプの設定のために5つのノブがあり、コンプの量とアウトプット、アタック、レシオ、リリースを調整する（※調整可能なコントロールはコンプによって異なる）。2系統のコンプを使うことで片方をトリートメントに、もう片方はブースターとしてなど、幅の広い音作りが可能だ。

　プリアンプは“610コンソール”に搭載されたチューブ回路をエミュレートしていて、自然な倍音感を加味できる。また、スマートフォンのアプリ“UAFX Control”を使うことで、ふたつのコンプレッサー回路の接続方法を直列、並列、単体の3種類から選択できるほか、プリアンプのEQキャラクターの変更も可能だ。

　このペダルの大きな特徴はふたつのコンプレッサーの接続を自在に変更できること。これによって直感的なセッティングはもちろんコンプの2段がけなど、シチュエーションを問わず、きめの細かい音作りができる。コンプは音の粒を揃えるだけでなく、音の質感を向上させたり、ほかのエフェクトのノリの良さにもつながる。

　UAFX Max Preamp & Dual Compressorを使えば、必ずやベースの基本となるトーンをワンランク上のレベルに引き上げることができるだろう。

本機に内蔵されているプリアンプは、伝説的なモデルとして知られるUA610をエミュレート。数多くのミュージシャンが愛した、温かみと太さを兼ね備えたサウンドを作り出す

内蔵されているコンプレッサーはOPTO LA-2A、FET1176、DYNAの3種。どれも名機と呼ばれるモデルをエミュレートしたサウンドとなっている

3種類のコンプレッサーのなかから、2種をフット・スイッチでコントロール可能。別々に使い分けることも、2種のコンプを重ねがけすることもできる

通常のモノラル・イン／アウトだけでなく、ステレオ・イン／アウトも装備。2台のアンプを使って出力するなど、アイディアは使用者次第！