ファズやオーバードライブ製品を数多く取りそろえ、歪み系に強いブランドとして知られるエレクトロ・ハーモニックスから、そのフラッグシップ・モデルともいえる強力なペダルが登場した。

　このEHX Tortion は、アナログのJFET（オペアンプ）テクノロジーを採用し、オーバードライブからディストーションまでの広い領域でアンプ・ライクなサウンドをアウトプットするペダル。コントロールはボリューム、トレブル、ミドル、ベース、ゲインといったお馴染みのコントロールに、４種のプリゲイン、そしてブースト機能が付いているのが特徴だ。試奏ではゲインのみフル、他はほぼ12時の状態で、プリゲインを変化させて歪みの深さと質をチェックしていった。

　プリゲイン・ノブの左２つは低めのゲインで、ビンテージのプレキシ・トーンを再現。ノブ右側の２つはゲインが高めで、よりモダンなサウンドという設定。どちらの設定もFULL＝フル（低域が強調される“ビッグ”なサウンド）、TIGHT＝タイト（ある低域がフォーカスされたよりモダンなトーン）の２つのトーンが設定でき、それぞれ“F“、“T“と表示されている。実際に弾いてみた印象もその設定通りで、左側はクラシック・ロック等のバッキングに最適なトーン、右側は音のニュアンスは同じ傾向だが歪みが深まり、ローの音圧が増した分、モダンなサウンドにも対応できそうだと感じた。

　さらに、ブースト機能でゲインとボリュームを上げてやれば、バッキングからソロへの切り替えも、これ１台で完結する。歪みは深いが艶やかで、ニュアンスも付けやすく、アンプライクなサウンドというのも納得だ。

　多彩な歪みを使い分けられ、ブースト機能も付いて、複数のペダルを使うよりもスペースやノイズ対策上も有利。これはかなり使えるペダルだ。

※使用アンプ：Fender 68 Custom Deluxe Reverb

Electro-Harmonix / EHX Tortion